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ウン十年後の「てのひら」の話

マルセイユタロット読書会#20の話を書きました。

今回は、歌集を持って参加された方があり、
参加者それぞれへのメッセージとして一首紹介してくださいました。

私には、こちら。
大森静佳さんの『カミーユ』から
 手をあててきみの鼓動を聴いてからてのひらだけがずっとみずうみ


『恋人』カードに描かれた女性は男性の心臓に手をあてており、
カードの絵柄ともシンクロしています。



「てのひら」には、実は、特別な想いがありました。

 君の拳からするり抜け落ちた右手で掴むわたしの体温

ずいぶん前の、私の、一首です。
月刊誌に投稿していたのです。


 抜け落ちたことを気にするでもない恋人
 私の右手は何も握っていない
 なんとか感じられるとしたらじぶんの体温
 私は何も持っていない


そんなふうに、感じていました。


今の私は。
それを忘れるくらい、きもち豊かに暮らしている。

そして、誰かの鼓動をてのひらにうつしとることもできると
教えてくれるひとがある。



これも、私の奇跡のひとつ。

大きな大きな時間のなかで、
こんなふうに喜びを受け取ったことはありませんか。



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