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超おさらい音楽理論入門(1)

筆者 三島ゆかり

これを知っていないと話しにくいいくつかの用語を、術語としての厳密さはさておき、実用に困らない範囲で超駆け足で駆け抜けます。



1.音程

音程とはふたつの音の高さの距離です。距離なので、なんの音かは関係ありません。同時に弾くかずらして弾くかも関係ありません。「度」という単位で呼びます。

手始めにドレミファソラシドで見てみましょう。

半音も含めてちゃんというと、長とか短とか完全とか増とか減とかがついて、次のようになります。
(M、m、Pなど記号で説明する記事も世にありますが、記号を覚えても使う機会はありません)

昔の学者は四度もしくは五度がもっとも協和すると考えたので、四度もしくは五度の場合は「完全」が頭につき、それを変化させた場合、増もしくは減がつきます。

●例題

ここまでドからの距離で見てきましたが、以下の音程はなんでしょう。

音はなんでもよく、上下も関係ありません。同時に弾くかずらして弾くかも関係ありません。

答え

●実用的な会話

「三度でハモる」というのは、実際には長三度と短三度でハモっている訳ですが、長短は無視します。

「六度でハモる」というのは、実際には長六度と短六度でハモっている訳ですが、長短は無視します。

オクターブ以上でも九とか十とかいいます。

「私、九度までしか指が届かない」

「おっと、このルートからの十度がピアノではいちばん美しいんだよ」

2.コード記号の読み方

ポピュラー音楽の楽譜にはこんなふうにメロディの上にコード記号が書かれ、和音の流れが分かるようになっています。
今回はその読み方を学習しましょう。

譜例は8小節の区間が1音ずつ追加されていますが、実際の作業としてはひとつのコードごとに一音ずつ追加して下さい。

①根音

大きく書かれた英字はコードの根音を表す。
根音とは音を積み重ねる土台となる音のことです。

根音はドイツ語で読む人もいるけど、他の記号に揃えてデーとかジーとか英語で読みましょう。

②小文字の「m」の有無

小文字の「m」はマイナーと読みます。
大きな英数字の右に小文字の「m」があれば短三度上、「m」がなければ長三度上の音を根音に重ねる。
大文字のMは別の意味なので④を参照して下さい。

③完全五度と減五度

根音から完全五度の音を重ねる。
ただし「-5」とあれば減五度を重ねる。
「-5」はフラッテッド・フィフスと読みます。

④「7」と「M7」

「7」はセブンス、「M7」はメジャー・セブンスと読みます。
右に「7」とあれば根音の短7度上を、「M7」とあれば長7度上の音を重ねる。

記号全体では
「Dm7」デー・マイナー・セブンス
「G7]ジー・セブンス
「CM7]シー・メジャー・セブンス
「Bm7-5」ビー・マイナー・セブンス・フラッテッド・フィフス
と読みます。

⑤構成音の配置

コードの読み方としては④までで完了ですが、聴きやすさを考え、横の流れを整えます。
コードの構成音をオクターブ上下してもコードは変わりません。

(1)の内容はここまで。


さて、もう少し声の高いお姉さんが歌うことにして移調してみました。
ここで問題です。移調したあとの7、8小節のG7と、移調する前の2小節のG7は同じG7ですが、曲の中での役割は同じでしょうか。
次回は調の中でのコードの役割について考えることにします。

続きはこちら→次章『超おさらい音楽理論入門(2)』


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