人工知能とは "気づくこと" のできるコンピュータである
ChatGPTとか生成AI ってなんでこんなに最近話題になってるの?
生成AI, ChatGPTの前にAIについても人工知能に関してよくわからない
そんな人も多いと思います。
今回紹介するこのはこの本
著者は日本のAI研究における第一人者であり、東京大学の松尾豊教授
人工知能とかAIとかChatGPTに興味はあるけどよくわからないという人に是非とも読んでほしい本です。
2015年に出版された本で、ChatGPTが出る世界以前に書かれたAIに関する本ではあるものの、
世間で言う、AIや人工知能とはなんなのか
AIブームはいつから始まっているのか
これからAIでどんな未来が待っているのか
これらのことがしっかりと書かれていて本当に面白いです。
この本を読んだ後に、ChatGPTやら生成AIに触れてみるとまた世の中について考察ができるのではないでしょうか。
記事を書いていて膨大な文字数になってしまったので、4回に分けて本書の内容を紹介していきます。
■人工知能="気づくこと"のできるコンピュータ
著者の定義では、人工知能とは「人工的につくられた人間のような知能」としています。
そして、人間のような知能とは「気づくことができる」ことです。
この「気づく」というのはざっくりいうと、
あるデータから特徴があるということを認識することと言えます。
より具体的にいうと「ネコの画像」があったときに、猫の特徴(目が2つある、耳がある、毛がふわふわしているなど)に認識して「これはネコだ」と判断することです。
そして、この人間であれば普通にやっている"気づく"ということをコンピュータにさせようとするとものすごく難しい。
"気づく"と一口に言っても人工知能のレベル別に4段階で説明ができます。
◎人工知能を4段階で整理する
世の中では「これ人工知能と呼んでいいの?」と呼べるようなものも人工知能と謳っているものがあります。
そして、4つの段階で整理できます。
たくさんの荷物が積まれた流通倉庫を例に考えてみます。
<レベル1>単純な制御プログラム
厳格なルールを定め、それ通りに動くようになっているもの
※マーケティング的に人工知能と名乗っているものもある
このレベルは家電製品に対してマーケティング的な目的で「人工知能搭載」などと名乗っているものも多くあるという(エアコン、電動シェーバー、洗濯機など)。
著者はこういった技術は「制御工学」や「システム工学」という名前ですでに長い歴史のある分野であるため、これらを人工知能と称するのはその分野の研究者や技術にも若干失礼だとも言っている。
<レベル2>振る舞いのパターンが多いもの
荷物の種類に応じてたくさんの知識が入れられているもの。
<レベル3>機械学習を取り入れたもの
最初から厳格なルールや知識を与えられているわけではない。
いくつかのサンプルが与えられ、「これは大」「これは中」「これは小」というルールを学んでいくもの。
<レベル4>ディープラーニングを取り入れたもの
自分で気づく(特徴量を自分で発見する)ことができ、ルールを自分で作ることができる(かもしれない)もの。
※特徴量とは
特徴量とはAIが物事を識別や分類する際の手がかりとなるデータの部分を指します。
例えば、ネコの画像から「耳の形」「大きさ」「目の位置」などの猫らしさを表す情報を抽出したものを特徴量という。
■2015年時点 人工知能はまだできていない
2015年時点で本当の意味での人工知能、「人間のように考えるコンピュータ」はまだ実現できていない。
つまり、人間のように自ら思考し、行動するコンピュータはまだ作られていないのです。
■さいごに
今回の記事ではざっくりと人工知能とは何かを説明してきました。
そして、実はAIブームは1950年代から始まっていたのです。
続く第2回の記事では「AIブームは1950年代から始まっていた」というテーマで人工知能研究とAIブームの歴史についてこの本の内容をもとに説明しています。
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