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SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL 一問一答(10)麹造り~総ハゼ、突きハゼ

【問題】吟醸酒などの端麗な酒に向く麹を何と呼ぶか。
【正解】突きハゼ

麹とは?

日本酒造りは大きく2段階に分けられます。
 ① 原料の米に含まれるデンプンを糖化する。
 ② 得られた糖分をアルコール発酵させて酒にする。
工程が二つあるので「複式発酵」と呼びます。

(①、②が並行して行われるので、正しくは「並行複式発酵」と呼ばれます。このような造られ方をするお酒は珍しいです。ビールは麦を発芽させて麦芽にして、麦芽に含まれる酵素で麦のデンプンを糖化させて、それが終わったあとにアルコール発酵しますが、こちらはそれぞれの工程が独立して行われるので「単行複式発酵」と呼びます。ワインのように、初めから原料のブドウに糖分が含まれているものを単にアルコール発酵させる場合は、1段階しかないので「単式発酵」です。)

このとき②で活躍するのは、酵母です。
ほかのすべてのお酒と同じく、酵母が糖分を食べて、
エチルアルコールと二酸化炭素に分解します。

では①はどうかというと、
デンプンの糖化酵素を持つ「麹」というカビの一種が活躍します。
麹は米のでんぷんを糖化させる役割を果たします。

突きハゼとは?

麹を蒸した米に振りかけて、米にカビを生やします。
これが麹米です。

このとき、米にどのようにカビを生やすか、というのが今回の「突きハゼ」「総ハゼ」の違いです。

・総ハゼ
 菌糸が蒸米全体を覆っている。本醸造酒など、濃い味の酒向きの麹。

・突きハゼ
 菌糸が蒸米の一部のみに生育している。吟醸酒など、端麗な酒向きの麹。

教本に載っている写真を見るとわかりますが、
総ハゼは全体的に麹菌を生やせばよいのですが、突きハゼは一部に生やすということで造るのが難しそうだな…というイメージを持ちます。
難しそうな方=よりグレードの高い吟醸酒を作る、と覚えればよいです。

出てくる単語

菌糸(菌糸体) mycelium
淡麗 light/crisp
(米の)粒 grain

突きハゼと総ハゼはローマ字です。Tsuki-haze、So-haze。

おわりに

スピッツ・草野さんのラジオ番組でミッシェル・ガン・エレファントがかかったのでテンション爆上げでした。

明日もまた一問アップします!

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