三角形の内角の和はなぜ180°なのか
三角形の内角の和は、180°だ。調べ方として、3つの角の大きさを測って足すことや、3つの角を切り取って並べるなど様々にある。
だが、なぜ180°になるのかと言われると、なかなか答えられない。そもそもこれは誰もあまり考えもしない問いである。ただ、気になったことのある人も在るだろう。
そこで、なぜ180°になるのか、証明してみたい。
まず、角の大きさを等しくした正三角形で考えてみる。すると60°より大きくすることができなくなっていることが分かる。3つとも角の大きさを等しくして最大で60。それ以上もそれ以下も難しい。ただ、この場合、180°になる根拠の以前になぜ60°になるのかの根拠が必要となってくる。そうすると、ピンと来るのは、″60″より″3″という数だ。
″3″。三角形の3。角が3つ。辺も3つ。そして、頂点が3つ。
このうち、どれが180°になる根拠とつながるのだろう。
角について考えてみる。角の大きさの和が180°。先程の正三角形では60°×3=180°。その他のパターンを見てみると、直角三角形、二等辺三角形などがある。
直角三角形を見てみると、面白いことが見えてくる。
直角三角形の直角を構成している辺を限りなく伸ばしてみる。するとどうなるのか。最終的に決まった角の大きさにたどり着くことはできないが、その頂角は限りなく0°に近づくそして直角でない方の角の大きさは90°に限りなく近づいていく。そうして、もとの直角と限りなく近づけた直角で、90°×2=2直角となる。なぜ角の和が180°になるかの根拠に近づいたように見える。
それなら、二等辺三角形はどうか。
二等辺三角形の頂角を限りなく小さくするために、その頂点を限りなく上にとることにする。すると、先程の直角三角形のときと同様に、等しい2つの角の大きさが限りなく90度に近づき、頂角は限りなく0°に近づき、角の大きさの和は2直角へと行き着く。
では、二等辺三角形の頂角の頂点を限りなく下へ下ろしたらどうなるのか。当然頂角は鈍角となり、下げるほどに角の大きさは大きくなっていく。ただし、この場合は限りがある。それは、頂点が底辺と接したときだ。このとき、頂角は丁度180°となり、等しい2つの角のは丁度0°となる。まさにちょうど=″丁度″である。
かなり本質に近づいた。
辺を伸ばす→角の大きさの極限を出す→頂点を移動する
と段階を踏んで調べると、最も根源的な部分へと行き着くことができた。
最後の二等辺三角形の頂点を下げることで見えてきたことは、三角形がもともと直線から誕生したということだ。つまり、直線上の点を移動したり、直線の外に点をとって結ぶことでできた図形であることが分かる。
さらに、その直線は、2つの点によって生まれたものであることが確認できる。そして直線を構成する″点″は、0から1、無から有を表している。
これらのことから、なぜ三角形の内角の和が180°なのかの問いに対して得られた解答は、
三角形が決まった長さの直線上の3つ目の点、即ち180°の角ができたことで誕生したものだから。
ということになる。
これは実は重要な概念で、次元が線を1次元とすると、1次元から面である2次元へメタモルフォーゼする様子を表している。ユークリッド幾何学でも、同じような証明となっているようだ。
ちなみに、このことから、点1つ増やすたびに、内角の和が180°増える理由も説明できる。
このことを用いて、多角形の対角線を結んでできる三角形の数が、角の数−2である理由も説明できる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?