見出し画像

天才と呼ばれたいのか、天才だと思いたいのか?

努力を美談だと思わない。必死で勝ち取った何かしらの成功などくだらない。特に他人のそういう話についてだ。

それなのに、僕は書くことに執着している。

書くことでしか、人生という曖昧にしか表現できない時間を生きられないと僕は思っている。

僕だけがこの時間を生きているという驕りが僕を孤独にさせている。それなのに、僕はその孤独に苛立っている。

支離滅裂だと指摘される事も、自分の事しか考えていないと言われる事もある。

そんな言葉に笑って誤魔化しながらも、心ではそんな事を言う人間に悪態をつく。

気がつけば、後がないと思う事ばかり。
ファーストダウンのとれない試合なのか?たった10ヤードを進む事ができない。
負けているのに、はやく試合が終わって欲しいと思っている。いっそ怪我をしたフリでもするか。

空を行進する神様の兵隊を見上げていた。

「僕を連れていってくれ!僕に闘う事を教えてくれ!」

そんな事を願っていた19歳。

20年経ってみれば、僕は空を見上げる事すらしなくなった。
時には世界の終わりを願う事もある。

それなのに、書く事だけは諦めていない。

僕は何を書きたいのだろうか?そんな事は考えたことはない。

答えはいつも一つ。
他人に認めてもらいたいだけだ。

そんな事の為に僕は書いている。

自分のノートだけに書いているのではない。

助けて欲しいという事を誰かに向けて書いている。

これでいいという事はない。

終わりの見えないファーストクオーター。
自分が80年生きるとしたら、来年がハーフタイムの筈なのに、僕はまだ4分の1を生きていない。

こんなはずじゃない?

いやいや、こうなるって話だよ。

「何もないのではなくて、何も見ようとしていないだけですよ」

「うるさい!」

僕はお辞儀もせずに、部屋を出ていった。

バグったファミコンのカセットに息を吹きかけるように、唇を尖らせてため息をつく。

これは闇なんかではない。ただの戯れだ。
やがて忘れ、同じことを繰り返す。

「やっぱスゲーよな」

僕は天才だと思われたいだけだ。
だから他人の成功話はウザイだけ。

誰か!僕をちやほやしてください!
あー尊敬されてぇ。

一日延ばしは時の盗人、明日は明日…… あっ、ありがとうございます!