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創作 デブとガリ以外は読むな7

「それは、俺も思いました。久々にガリに会って、誰?ってなりましたもん」そういうデブも太りすぎてかつての精悍なイメージが全くない。

「原因は去年の事だろ?過去の結果は変えられないが、過去の解釈は変える事はできる。今日、お前たちはテツと会うだろ?そういう事で過去と向き合い、今の自分を変える事はできる。デブ。お前もそうだ」

「俺もっすか?」自分は大丈夫だとデブは思っているようだ。

「今のお前はコンプレックスがある。その原因も去年の出来事だ。まだお前たちにはやるべきことがある」

 山西は言葉に力を込めた。今年度から山西は、生徒と接する機会が減った。そのかわり、教師と向き合う事が増えた。年上の教師に指導することもある。年長者への敬意を払いながらも、自分が正しいと思う事を伝える。その時には決して相手を否定しない。良い結果を導くために、お互いの着地点を探る。そういう業務的なコミュニケーションとはちがうが、二人に自分ができる事は何なのかを、山西は考えながら話しているようにみえる。

一日延ばしは時の盗人、明日は明日…… あっ、ありがとうございます!