β8ta(ベータ)
RaaS (Retail as a Service) の代表と言われるβ8ta(ベータ)。僕にとっては、OFFLINE=リアル店舗の価値を再認識させてくれた体験型ストアであり、時間を忘れるデジタルガジェットの楽しさを発見できるNEXTストア、それがβ8taである。
2017年11月、RetailNextのモデル店舗はここがベストということで、CEOのAlexei から Vibhu(ヴィブ)を紹介してくれたのがきっかけだ。ヴィブとは、Vibhu Norby (ヴィブ・ノービー) 、β8taのCo-Founder & CEO (共同創業者 & CEO) である。
( ヘイズバレーの中心にあるパトリシアズ・グリーン公園 )
( ヘイズバレーにある人気アウトドアブランド AETHER )
訪ねたのは、Hays Valley (ヘイズバレー)というエリア。メインのヘイズ通りには、高級ブランドやインテリアの店、デザート ショップや流行のレストランが集まってるサンフランシスコを堪能するにはオススメのエリア。実は個人的には自分がSFで一番好きな地区がここHays Valley (ヘイズバレー)かもしれない。
( 2017年11月ヘイズバレー店 )
Hays Valleyの店舗で初めて会ったVibhuは予想よりも若い印象で驚くくらい淡々と爽やかな空気を持つ少年のような青年だった。
ここで初めてβ8taのビジネスモデルを聞き、驚いた。最初、最先端のデジタルガジェットストアだと思っていたが、商品と店舗の関係が根本的に異なるのである。わかりやすく言えば、β8taでは、ムービー説明用のタブレットと無料の顧客分析がセットになった60センチ✖️40センチの商品展示スペース(区画)を利用してマンスリーサブスクリプションフィーを支払うモデルなのである。
顧客が興味あるガジェットを見つけ、商品ムービーを見て、商品に触れ感じることに時間を使う。その顧客体験がエンゲージメントしたのか?コンバージョンしたのか?そのためにどれだけその区画に滞在し、そのムービーや商品を体感し、スタッフに質問などをしたのか?まるでECサイトのヒートマップを空間で表現するかのようにデータは商品サプライヤーに共有される。
このモデルでオンライン特化型商品に提供するプラットフォームを「The Market @」と呼ぶ。
そんな驚きから興奮している僕らをVibhuはパトリシアズ・グリーン公園のきっと有名なジェラートショップに連れていってくれた
そしてβ8taは着々と進化していく。
2018年6月、米国百貨店のMacy's(メーシーズ)はβ8taの株式を取得することを発表した。Macy’sの目的はβ8taの強みである「The Market @」を導入し、顧客のオフライン・ショッピング体験を充実させるためだと発表した。同年Macy’sはNYハイラインにある人気コンセプトショップSTORYも買収している。STORYについては別記事に書きたいと思うが、この時期のMacy’sは店舗で体験させることや発見させることに終始一貫こだわった。
( 2019年6月 ニューヨーク・ヘラルドスクエア・Macy’sインストア )
そして、2018年のある時期、β8taのもう一人のCo-Founder & President (共同創業者 & プレジデント) であるPhillip Raub (フィリップ・ラウブ) と共にVibhuたちが来日する。日本に来日した理由は現在発表されている展開をご存知の方には説明する必要はないだろう。
2019年12月なかなか行く時間のなかったHudson Yards(ハドソンヤード)の視察にやっと行くことができた。ハイラインから行けるミッドタウンウエストに、同年3月にオープンしたハドソンヤーズにβ8taの最新店舗が出店している。
( 2019年12月 ニューヨーク・ハドソンヤーズ店舗 )
( 2019年12月 ニューヨーク・ハドソンヤーズ店舗 )
ハドソンヤーズの店舗には店内画像をご覧頂けばお分かりになるようにアパレル商品も展開されている。
2018年にVibhuたちと会った時にファッションをβ8taで扱ったらという話をしたことがある。本当はこの続きをPhillipやVibhuと2020年のNYでする予定だったが、しばらくできそうにない。次回会った時に是非話してみたい。
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