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【胚移植編】体外受精をしたぞ!の記録

~前回までのあらすじ~

 平凡な三十路女・秋月翼は重度の不妊症である!地道に治療をしてきたが結果が出ず、ついに高度不妊治療を行うことになった!
 痛みでベソをかきながらも、先生と看護師さんの支援のおかげで採卵に成功。まさに大漁だった卵子たちは果たして無事に育ったのか?

 ↓わかりやすいようにしれっと題名を編集した前回記事です。


 えー正直治療期間の長さのせいなのか採卵までの治療内容よりも既にかなり記憶が飛んでいるのですが、覚えている範囲で記録します。

培養結果を聞くよ

 採卵後初めての通院で、胚培養士さんのお話を聞きます。
 前回記事で卵子は10個以上採れたと書きましたが、その後無事に分割が進んで着床前の状態(胚盤胞)にまで成長したのはなんとたったの3個でした。いや、”たったの”なんて言うべきじゃないか。3個も育ってくれたんです。ちっとも子ができない女の生殖細胞が大したもんですよ。
 その選ばれしタマゴたちは移植されるその時まで液体窒素で凍結されます。おまえらのがんばりは絶対無駄にしないから待っててくれよな……!

 成長具合や形のきれいさによって胚盤胞はグレード分けされておりちゃんとした分類があるのですが、ざっくり言うと私の3個の胚盤胞は「めっちゃいい」「大体いい」「まあそこそこ」ぐらいの感じでした(伝わるかこれ?)
 当然ちゃ当然ですが、「めっちゃいい」のやつから移植されていくということです。


胚移植の準備をするよ

 採卵後は1周期分お休みして、胚移植(胚盤胞を子宮に戻す)を迎えるために体のコンディションを整えます。
 ここからはもうひたすら薬漬けって感じです。採卵までの治療でもいろんな薬を処方されましたが、胚移植に向けてさらに多様な薬を処方されました。私の場合は飲み薬・点鼻薬・塗り薬(全てホルモンの薬)を処方され、毎日ひたすら続けることに。保険適用外なので薬代だけでも何千円何万円と平気でするのでヒィコラしてしまいます。

 個人的には点鼻薬がつらかったです。染みるとか肉体的な苦痛はないのですが、とにかく忘れず1日に4回一定間隔で噴霧しなければならない。わかりやすく毎食後と寝る前するようにとのことだったんですが、まあ「あ?今朝やったっけ?」ってなりますよね……ズボラに厳しい。
 ホルモンの薬だから忘れるとそこそこの影響がある上に、この点鼻薬は結局2ヶ月近く続けたかな?とにかく期間が長かったのでなかなか大変でした。

 塗り薬も毎日なるべく同じ時間に下半身に塗ってねというもの。「下半身に塗る」つまり「乾くまでパンツはけない」。毎日風呂上がりに上だけ着て髪の毛タオルでまとめて(下半身に水滴を垂らさないため)、塗った後下半身パーパーのまま扇風機の前に佇む不審者と化す私(家の中だからいいんだけど)。きっと冬場は地獄なんだろうな……お腹冷えちゃう。夏で良かったな。
 そんでそれらの薬をがんばって毎日続けて、決められた日に採血と内診のために通院し、子宮内膜の状態が一番整うぜ!という日を胚移植日に決定。 胚移植は採卵よりもずっと準備したり気をつけることが少なく、気楽に臨めました。

胚移植をするよ

 当日は朝食を抜くなどの制限もなく普通に来院し、採卵の時と同じ服に着替えてトイレを済ませます。それから採卵したのと同じ施術室に入るので……ちょっと採卵のトラウマが蘇って、顔には出さないけど心が小さく呻いておりました。
 股を消毒されつつ、採卵の時に叱られまくったのでできるだけ力を抜いてボーッとしていると、顕微鏡に繋がっているらしきモニターで移植前の胚盤胞ちゃんの姿を見せられました。移植前に培養士さんの手によって透明帯(胚盤胞を包んでいる膜的なもの)を除去されているので、もう既に細胞がヌルリと飛び出して雪だるまみたいな形になっていました。

 もうひとつ、内診用のモニターでエコーによる子宮の映像も見せられます。移植中もずっとモニターを見ててねと言われて、そいつは臨場感あるなと思いながら施術開始。
 移植用の細い管が入れられて白く光る物体がスイーと降りてきて、子宮内膜の真ん中あたりにきれいに着地する様を眺めながら、え、胚盤胞だけエコー映像の中でこんな露骨に光るのかとか、生命の神秘とかを感じているうちに「はい終わりましたよー」と言われて終了。

 わー何も痛くなかったし一瞬で終わった!良かったー!と喜んでいると、「お注射ありまーす」と。これもまたホルモンの筋肉注射。ケツにブスリと刺されました。油断してただけにちょっと痛かったです。

 その後は看護師さんに妊娠判定日と投薬の話を聞き、これから服用する薬を処方されて終了。
 妊娠判定とは、決められた日に来院し、採血して妊娠したかどうかを調べるそうです。無駄に緊張するやつ。これだけがんばってもダメな時はダメなんだよな……。
 そしてまだまだ続くよ薬漬け!胚移植後の薬は今までとは違うホルモンの飲み薬と、引き続き同じ塗り薬。もう点鼻薬が嫌すぎたので点鼻薬がなければ何でもいいw
 不妊治療の薬はホルモン値の推移によってこまめに変更されるので、余ってしまう薬も多いです。保険適用外で高いのになー勿体ないなー!仕方ないけど!

未来へ……

 さて、これであとは妊娠したかどうかです。
 無事妊娠判定が陽性だとしても、安定期までは油断なりません。そう、子を授かるためには長い長い関門をいくつも乗り越えなければならないのだ……。そう考えると、生まれ落ちて今生きてるってドえらいことですね。
 そんなわけで、このあたりで体外受精の記録を一旦終了したいと思います。この続きをまた書けることを祈って……。


【追記】
 続きました!!↓


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