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リモ宅記録簿 Vol,04/1 『作詞は策士⁉』の巻

リモート宅録の記録簿 第04回/1曲目

今回は歌詞です
ご存知でしょうけど
ロックやポップスにとって歌詞は大変重要なパートで
これを蔑ろないがしにするなら歌わない方がマシ!
というくらいとってもとっても重要なパートですよ
しかし楽器の演奏や作曲編曲といった脳とは
かなり違った部位を駆使しなくてはなりません
音楽といいながら小説とか短歌といった要素が
かなーり強く要求される分野です
でも何かをイメージし具現化するという意味では同じ
頑張って参りましょう!

モチーフ

まずはとにかくモチーフを持ちます
今回は曲先でしたよね
02回目でお披露目した様に
既に仮オケなる参考物件も揃っております
昔の作詞家の先生たちは
この様な仮オケ状態のデモテープを聴いて
作詞していた訳なんですね
では再度その仮オケを聴いてみましょう

最初は[Listen in browser]を
2回目からは(▶)を押してね

何か頭にイメージが湧きましたか?
音楽にはそういう力があります
夕日が見えたり 海が見えたり 都会の風景
と言った景色がイメージされたり
とてもハッピー 悲しくて仕方ない のんびり行こう
と言った気持ちのイメージが湧いたりしますね
そしてなぜ夕日を見てハッピーなのか
なぜ海に来ると悲しいのか
なぜ都会の道をのんびり行くのか
その理由が歌詞のモチーフになっていきます

それから
劇的な出来事は出来れば避けた方がいいでしょうね
劇的すぎると身近ではない遠い誰かの歌になってしまいます
皆が経験しているようなありきたりな出来事の方が
聴いた人の気持ちには刺さりやすい筈です
良い歌詞のほとんどは「うんそうそう!」ってなるでしょ?
誰もが体験する日常を歌うのが良いと思います
でも絶対という訳ではありませんよ
「七つの海が干上がり 月が落ちて
地球が割れても 僕はずっと君が好き」
というような敢えての大袈裟な表現はアリですね

作ってみよう!

今回僕が歌詞のたたき台を作ることになりました
よしろーには「しばらく時間くれよ〜」
と頼んだ翌日には第一段目のたたき台を京都に送ってました
モチーフが明確だったので早かったのです
モチーフは大切!
で そのたたき台が以下の通り


【 Anytime 】

A1
12でロックにハマって
中2でバンドを組んだ
Ah-a 宿題なんか手につかない
Every day

A1'
トランジスタラジオの向こうに
確かに見えたBrand-new world
Anytime 今も見えるかい

B1
迷った時は This boy
君に今も問いかけるよ
自分に素直でいるかと yeah! uh-

A1"
レコードなんて買えないから
忙しくエアチェックして
Every night 世界を旅した

solo

B2 
分かっておくれBad boy
君が夢見た将来と
違うけど今僕は幸せ yeah! uh-

A2
教室で叫ぶJohn & Paul
ホウキをかかえTwist & Shout
Anytime ずっと忘れない u-
Many time  今日も歌うよ
(Anytlme  I wanna try!)
君に伝えよう I feel fine


どうです?方向性は見て取れますね
たたき台ですからイメージが揮発してしまう前に
とにかく書き残していきました
さ これをどんどんシェープしたり膨らませたりします

作詞する上で僕が気をつけている主なポイントは
1)1曲を通したお話になっているか
2)変に言葉フレーズへ走ってはないか
3)言葉がメロディーの邪魔をしていないか
4)ブロックごとの世界観を作れているか
ってところでしょうか

1)1曲を通したお話になっているか

意図的なよほどの意欲作じゃない限り
1曲内のお話(物語)はひとつで十分です
1コーラス目(1番)と2コーラス目(2番)

全く違う話やシチュエーションが出てきたら
聴いている方は混乱するだけです

他にも誰目線の歌なのかも重要です
タイトルについてもいろいろあります
でも今回は話が長〜くなっちゃうので割愛!

タイトルは仮オケの時点で既に付いていた
『Anytime』がそのまま残留しました
作曲時に口をついて出た言葉は大切にします

内容は見ての通り
音楽にハマった時の純粋な気持ちを忘れてはないか
今もあんな気持ちを持ち続けられているか
そんな過去と現在を行き来するという内容です
楽曲がBeatlesっぽいので
郷愁的雰囲気はしっかり出てると思います

実際よしろーと僕は中学2年の時に初めてバンドを組みました
2人とも今はギターボーカルをしてますが
今回僕がドラム よしろーがベースを弾いてます
中2の時にStoneAge(石器時代)という
Beatlesのコピーバンドをやっていた時と
奇しくも同じ編成になりました
不思議ですな

歌詞ですが
記憶のまんまと言えばまんまですけど
感受性が高かった頃のあのワクワクを
どうやってこの短い歌に込めるかですよね
毎晩ラジオから聞こえて来る音楽が
それはそれはキラキラ輝いて聴こえていた
あの頃のあの感じをです

2)変に言葉フレーズへ走ってはないか

これは作詞に慣れない人は
みんなやっちゃうんじゃないかなぁ
どっかで聞いたようなフレーズを
恥ずかしげもなく使っちゃう
「キミの瞳に乾杯」的なやつです
唐突に「翼広げて今すぐ翔び立つ」とか
「等身大の心でキミを愛して」とか歌われたら
僕なら悪い意味で全身が総毛立ち
もう2度とその曲を聴こうとは思いません
だってそんなの恥ずかしいじゃないですか
心に刺さる歌詞はもっと日常の言葉なんだと思いますよ

ただし雰囲気を作るテクニックとしてはありです
「悲しき恋のシーグラス」とか
(どんなシチュエーション?)
これなら50'sや60'sを彷彿とさせる手段にはなります
上手に配置すれば効果あるでしょう

また英語の多用も僕はあまり好きではありません
ただこれも雰囲気を作るテクニックとして
あえて配置する手段があります
今回もその手段を使って古い時代を匂わせています
そして何よりBeatlesの曲のタイトルを
それとなく散りばめています

3)言葉がメロディーの邪魔をしていないか

よく言われることなんですが
言葉にはそれ自体が持つリズム感や音程があります
「大波小波」という言葉の音程は
「↓オ↑オナミ↓コ↑ナミ」か
「↓オ↑オナミコナミ」です
リズムは「タンタカタカタン」が基本であって
同じ文字数でも「タタンカタカタン」には乗りません

また英語のように1音符にどれだけ載せちゃうかも
ある程度のセンスを持って使う必要があるでしょう
英語で「Fly your way」の音符は♩♩♩です
日本語なら3文字しか入りません
でも最近は「けん こう です」
という具合に1音に複数文字を載せるのもアリです
メロのスピード感が変わりますね
でもあくまでもセンス良くですけど

言葉をメロやリズムにうまく乗せれば
歌詞の説得力も100倍ですぞ

4)ブロックごとの世界観を作れているか

この曲は主にAメロとBメロの2ブロック構成です
AならAでブロック毎の雰囲気は統一させます
決してAメロとBメロの空気感が一緒
もしくはごっちゃにならない様気をつけましょう

Aでは過去の若く初々しい自分への回想と
Bは現在の気持ち
その間を行き来する感じですね
「君」とは昔の自分のことです
これが聴いてる人に伝わるかが心配な点です
またA1"の「レコードなんて買えないから」
というかところが少しネガティブな感じがして
流れを止めている様な気がしてます

訂正稿

以上を踏まえ何度も何度もよしろーとやり取りし
言葉を入れ替えたりまた戻したり
そして何度目かに最終的な訂正を加えました
それが以下の通り
たたき台から変わったたところを太字にしてます


訂正後【 Anytime 】

A1
12でロックにハマって
中2でバンドを組んだ
Ah-a 宿題なんか手につかない
Every day

A1'
トランジスタラジオの向こうに
確かに見えたBrand-new world
Anytime 今も見えてるかい

B1
迷った時 This boy
がまた問いかけてくる
自分に素直でいるかと yeah! uh-

A1"
身近に感じたスパースター
がむしゃらに弾くギターと
Every night 夢が止まらない


solo

B2 
分かっておくれBad boy
君が夢見た将来じゃないけど
今僕は幸せ yeah! uh-
[※B1と譜割違う]

A2
教室で叫ぶ Twist & Shout
ホウキかかえて Please please me
Anytime ずっと忘れない(u- - -)
Every time  今日もどこかで
(Anytlme gonna try! try! try!
 君と歌う  It's a  Anytime

(変更箇所は太字に)


最後に

だいぶん省いて書きましたが
それでもこんな長文になって失礼しました
歌詞についてはもっともっと書くべきことがありますが
これ以上書かれてもって感じでしょうから
この辺りで‥

上記の最終稿としている歌詞
多くのアイデアと訂正が入りましたが
結局たたき台の歌詞に近づけた形で収束させました
でも歌ってみてこっちがいい!って思ったら変更しますし
また後にいいアイデアが浮かんでも変更します
つまり録音するギリギリまで完成はしません
最終的にどーなるのか
ぜひ目撃してください!

では次回はやっとギター入れ!
乞うご期待!!