時のオカリナでわかるクラシック音楽ジャンル入門【ゼルダの伝説】
『時のオカリナ』及び『ムジュラの仮面』のオカリナで演奏できる楽曲の中には、「闇のノクターン」や「水のセレナーデ」のようにクラシック音楽のジャンルを表す用語を冠するものがいくつかあります。
ボレロ、ソナタ、メヌエット。
何となく名前は知っているけど、実際どういう意味なのかは知らない…という人も案外多いのではないでしょうか。
今回はゲーム中に登場するこれらのクラシック音楽ジャンルについてざっくりまとめていこうと思います。
メヌエット
メヌエットとは17世紀中期のフランス宮廷で流行した四分の三拍子の舞曲のことです。
三拍子の舞曲といえばワルツが有名ですが、メヌエットはワルツに比べてテンポが遅く、ゆったりした優雅なメロディが特徴。
「メヌエット」と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、やはりバッハの「メヌエット ト長調」でしょう。
ピアノを習っていた人なら一度は弾いたことがあるのではないでしょうか。それくらいの定番曲です。
ボレロ
四分の三拍子の独特のリズムを持つ、18世紀スペインの舞曲。
ラヴェルの「ボレロ」が有名です。
タン、タタタタン、タタタタン、タン、というリズムが印象的。
ラヴェルといえばこの「ボレロ」が一番有名ですが、次いで有名な「亡き王女のためのパヴァーヌ」「水の戯れ」も負けず劣らずの名曲なので是非聴いてもらいたいところです。
本題から脱線する上に記事が重くなったので動画は省略。
セレナーデ
セレナーデ、またの名を小夜曲。
こう言われるとどういうものかサッパリですが、どちらかというと「夜に恋人の部屋の窓の下で歌ったり弾いたりする甘く美しい曲」といった意味で広く知られています。
ロマンチックですが、現代で実際にやったら確実に通報されそうです。
レクイエム
死者のためのミサ曲。鎮魂歌。
本来は死者のために行うミサそのものを指す言葉のようです。
レクイエムの名を冠するクラシックで聴けばわかる有名曲といえば、ヴェルディの「怒りの日」。
「デン!デン!デン!デン!」という出だしのインパクトが強烈なこの曲です。
なんか死者の魂を鎮めてるというより死者の魂を焚きつけてる感がすごいですが…。
悪魔召喚してそう。
ノクターン
別名・夜想曲。静かな夜をイメージした抒情的な曲です。
有名なのはショパンの「夜想曲第2番 変ホ長調」。誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
余談ですがこの闇の神殿でアホほど苦戦しました。まことのメガネがどこにあるのか分からなかった…。
プレリュード
前奏曲、序曲。
名前の通り、オペラや組曲などで導入の役割を持つ最初の曲(あるいはそんな感じのイメージで作られた単品の曲)のこと。
こちらもショパンの「雨だれ」が有名です。
すみませんでした。
ソナタ
ここからムジュラの曲。
「ソナタ」というものの定義はややこしい上に時期によってブレブレですが、ざっくりまとめると
「曲調の違ういくつかの楽章から構成された器楽曲」みたいな認識でいいと思います。
日本語で言うと「奏鳴曲」とのこと。
ソナタといえばピアノのイメージが強く、実際モーツァルト、ショパン、ベートーヴェンといった名だたる作曲家たちが多くのピアノ・ソナタを作曲しています。
これは有名なベートーヴェンの「悲愴」。
ちなみに、小規模なソナタのことを「ソナチネ」と呼びます。
ララバイ
作中での役割通り、いわゆる子守歌のことです。
クラシックの子守歌といえば有名なのはモーツァルト、シューベルト、ブラームスあたり。
でもゼルダ的にはやっぱり「ゼルダの子守歌」。
ボサノバ
最初に「クラシック音楽のジャンル」と銘打ちましたが、このボサノバに限ってはクラシックのジャンルではありません。
サンバとジャズをミックスした1950年代生まれの音楽です。
ゆったりとしたオシャレな曲調からはジャズのテイストが強く感じられますね。
この「イパネマの娘」あたりが有名ですが、任天堂作品でボサノバといえば『どうぶつの森』の「けけボッサ」を忘れてはいけません。
数あるとたけけミュージックの中でも高い人気と知名度を誇る、落ち着いた内装のお部屋にぴったりなスタンダードナンバーです。
エレジー
悲しい気持ちを表現した曲。哀歌、挽歌などとも。音楽に限らず、詩などの文学作品に対しても使われる言葉だそうです。
個人的には「エレジー」といったらドラクエ4で全滅した時の曲のイメージ。