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ゾーラ族と学ぶ音楽用語【ゼルダの伝説】

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』及び
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』に登場するゾーラ族。
彼らの名前の由来は音楽用語である、というのはご存知の方も多いかもしれません。

今回は『ブレワイ』『ティアキン』のゾーラの里を実際に周り、里で暮らすゾーラ達の名前の由来となった音楽用語とその意味についてまとめてみました。

足で調べているため記載漏れが出る可能性があること、及び由来は推測のため必ずしも正しいとは限らないものであるということを事前にご了承ください。
(記載漏れに関しては気付き次第追加します)


主要キャラクター

ミファー(音階)

高すぎるヒロイン力

音名の「ミ」と「ファ」。
一般的に使われている「ドレミファソラシド」はイタリア語で、日本語では「ハニホヘトイロ」というものになります。
クラシック音楽で出てくる「ト長調」とかいうのはこの日本語の音名に由来。
ギターをやってる人はコード名にもなっている「CDEFGAB」の英語音階が馴染み深いかもしれません。

何で「イ」と「A」が「ド」じゃないんだ!というごもっともな意見が聞こえてきそうですが、これは大昔の楽器において「ラ」の音が一番低い音だったからだと言われています。

現代でも楽器のチューニングはラの音を基準に行われることが多いです。オーケストラが最初に一斉にラの音を鳴らすのはそれが理由。
ギターもチューナーを使わずにチューニングを合わせる場合は5弦のラを基準とします。

「ミファー」の項なのに延々と関係ない「ラ」の話をしてしまい申し訳ありませんでした。

シド(音階)

こうして並ぶとでかい

音名の「シ」と「ド」。
「ミファーのテーマ」と「シドのテーマ」は同じメロディを主軸にしつつも調を変えてアレンジされています。
ミファーの方は「ミーファミーファミー」、シドの方は「シードシードシー」になっているというのは有名な話ですね。

ミからファ、シからド(どちらも間に黒鍵を挟まない半音)のように音同士の間隔が同じであれば、違う音を使っても同じメロディを弾くことができます。いわゆる転調はこの理屈。

ミファーのテーマではドを基準にした「Cメジャースケール」、シドのテーマはソを基準にした
「Gメジャースケール」という調が使われています。

ドレファン(音階)

王様。とにかくでっかい

音名の「ド」「レ」「ファ」。
「ゾーラ」を「ソ」と「ラ」として捉えれば、
ここまでで全ての音階が揃うことになります。
ドレミファゾラシド。
なんか無理矢理だな。

ヨナ(ヨナ抜き音階)

『ティアキン』で初登場、シドの婚約者

五音階のひとつ、「ヨナ抜き音階」。
「ドレミファソラシド」のCメジャースケールから「ファ」と「シ」を抜いて作られる音階のことです。
ドから数えて4番目と7番目の音だからヨナ。
ミファーとシドの名前に使われている音を示しているのがなんか統一感出てていいですね。

五音階とヨナ抜き音階については以前書いたこの記事でもう少し詳しく解説してあります↓

里の人々・音楽基礎編

ムズリ(リズム)

じいや的ポジション

「リズム」。もはや説明しろと言われると逆に難しいレベルです。
周期的に繰り返される一定の音の拍、とでも言えばいいのでしょうか。
でもなんかしっくり来ないので、やっぱりリズムはリズムとしか言いようがありません。
考えるな、感じろ。

セゴン(五線譜)

電気の矢を触ろうとしてたじいさん

楽譜に一般的に用いられる「五線譜」が元だと思われます。

里の人々・音楽記号編

トオン(ト音記号)

シド王子ファンクラブ

「ト音記号」。五線譜の音の高さの基準を表す記号です。🎼←これ。
ピアノの楽譜で言うと主に右手、高音域を書く時に使われるため、「高音部記号」とも呼ばれます。
「ト」というのは先程説明した通り「ソ」の音のことで、このト音記号はソの音の位置を表しています。
五線譜にこのマークを書くときは下から2本目の線、「ソ」の音の位置から書き始めましょう。

ちなみに、この奇妙でかわいい形はアルファベットの「G」(ドイツ音階のソ)が変形したものだそうです。
言われてみれば似てなくもないかもしれません。

へオン(ヘ音記号)

当然トオンの兄

「ヘ音記号」。ト音記号同様、音の高さの基準となる記号です。
ピアノの楽譜で言えば左手、低音部を書く時に使われます。「ヘ」というのは「ファ」のこと。
記号もファを表す「F」から変形したものです。
書くときは五線譜の上から2番目、ファの音から書き始めましょう。

音符の位置が同じでもト音記号かヘ音記号かによって表している音が変わる、というのは音楽初心者がブチギレがちなポイントです。
なんでこんなややこしい仕様にしたのか。

フーキュ(休符)

よく嫁に振り回されている

「休符」。楽譜上においてその間何も弾かない、ということを示す記号です。
音符と同様、四符、八符、二符など休みの長さに応じていろいろな記号が存在します。

左から二分休符、四分休符、八分休符

フララット(フラット)

ライネル写真チャレンジのおねえさん

「フラット(♭)」。このマークがついた音は、半音低くして演奏します。
反対に半音高くするのが「シャープ(♯)」。
これらを「臨時記号」と呼び、効果はその一小節の間続きます。
例えばファに♯が付いていたら、同じ小節の中にもう一回ファが出てきた場合そこもファ♯で演奏することになります。
ゲーム的に言えば一定時間のステータス付与、って感じですね。

音符ではなくト音記号やヘ音記号の横にこの臨時記号がついている場合もあります。
これは「調号」と呼ばれるもので、ここに書かれた臨時記号は一小節だけでなく曲全体を通して適用されます。
効果は調号が変更されるまで永続。

ルラチュ(ナチュラル)

ほこらチャレンジの歌を教えてくれる子

「ナチュラル」。シャープやフラットと同じ臨時記号ですが、ナチュラルはその音につけられたシャープやフラットの効果を打ち消す役割を持ちます。状態異常治療。
効果時間は他の臨時記号同様一小節で、調号に付けられたシャープやフラットを打ち消すことも可能です。

里の人々・反復記号編

コダー(コーダ)

昔馴染みらしい

「コーダ(Coda)」。曲の終わりに付けられた締めくくりのパートのことです。
スナイパーの照準みたいなマークが目印。
楽譜の中に「to Coda」という表記があったら、最後の「Coda」の部分まで飛んで演奏することになります。

フィネ(フィーネ)

コダーの娘

「フィーネ(Fine)」。この記号があるところで曲の演奏を終わりにする、という意味です。
英語の「FIN」に同じ。

カポーダ(ダ・カーポ)

現在はイチカラ村在住

「ダ・カーポ(D.C.)」。この記号のあるところまで演奏したら曲の最初まで戻ってもう一度演奏します。
似た言葉に「ダル・セーニョ(D.S.)」がありますが、こちらはこのダルセーニョ記号まで演奏したら曲の途中につけておいたセーニョ記号(※印とSの字を組み合わせたようなやつ)のところまで戻る、という意味です。

里の人々・奏法編

レトーガン(レガート)

夜光石の人でおなじみ

「レガート」。音と音の間を切らず、なめらかに繋げて演奏することです。そのまんま「legato」と言葉で書かれたり、スラーのような弧線で表されたりします。

タッカ(スタッカート)

王の間の前の門番

「スタッカート」。
レガートとは反対に、音と音との間を短く切って軽快に演奏する奏法です。
音符の下もしくは上に小さな点を付けて表現します。

マルート(マルカート)

道具屋の看板娘。かわいい

「マルカート(marc.)」。音をひとつひとつはっきりと強調して演奏する、という意味です。
本来は「印のついた目立つもの」という意味の言葉だそう。
確かにマルートはゾーラの里の中でも一際目立っている気がします。

モルデン(モルデント)

貴様呼ばわり

「モルデント」。二度(半音も含めて2つ分の間隔)下の音を一回弾いてすぐ元の音に戻る、という装飾的な奏法を表す記号です。
ちょっと説明が分かりにくいですが、例えばミの音にモルデント記号がついていた場合、その音符は素早く「ミレミ」という風に弾きます。
記号の長さによっては「ミレミレミ」みたいに何回か往復することも。

同じような奏法で、モルデントとは反対に二度上の音を一回弾いてすぐ戻るのを「トリル」と言います。
「トリル」といえばハンマリング(弦を押さえる時強く叩きつけるようにして弾く奏法)とプリング(弦を押さえた指を離すことで音を出す方法)を繰り返すギターの奏法を指すことも多いです。
やってることは大体一緒。

里の人々・強弱&速度編

ポンテ(テンポ)

ゴーゴーガエルを要求してきた少年

「テンポ」。音楽の速度を示す言葉です。
楽譜の隅っこに書いてある「♩=120」とかいう数字がその曲のテンポを表しています。
「BPM」と表現することも。

「テンポ」自体は音楽の基礎用語なのですが、
「ア・テンポ(a tempo)」という「途中で変化させた速さを元の速さに戻す」という意味のクラシック音楽用語があるためここに分類しました。

アンテ(アンダンテ)

ポンテの弟?

「アンダンテ(Andante)」。曲の速さを表す用語で、「ゆっくりと歩くような速さで」という意味です。

とりあえずアンダンテだと判断しましたが、もしかしたらアンテとポンテ二人セットで「ア・テンポ」の可能性もあるかもしれません。
そう考えるとなんか急に「ア・テンポ」という響きが漫才師のコンビ名みたいに思えてきました。
「ザ・ぼんち」的な。

ジョアダ(アダージョ)

名前がダで終わるけどイチカラには行かない

「アダージョ(Adagio)」。ゆるやかに、ゆったりとという意味の速度記号です。
「アルビノーニのアダージョ」など、曲名として使われることも多いイメージ。

ロスーリ(スローリー)

槍職人

「スローリー(Slowly)」。
文字通り「ゆっくりと」という意味ですが、この表現がクラシック音楽で用いられることはまずありません。
ポップス用の表現だと言えます。

クラシックの速度記号で遅い曲を表すものとしては「ラルゴ(Largo)」や「レント(Lento)」が挙げられます。そんで大体その上くらいがアダージョ。

トルフォー(フォルテ?)

ヒノックス討伐チャレンジの依頼者

正直由来不明枠に入れようか悩んだのですが、
もしかしたら「フォルツァート」などのフォルテ系統の言葉から来ているのではと推測。

「フォルテ」は音の強弱を表す記号のひとつで、強く演奏することを示すものです。
メゾフォルテ(少し強く)→フォルテ(強く)→フォルテッシモ(非常に強く)の順で強くなります。
なんかRPGの呪文みたいですね。
メラ→メラミ→メラゾーマ的な。
あんまり見かけませんが、フォルテッシモのさらに上に「フォルテフォルテッシモ」とかいうアホみたいなのもあります。メラガイアー。

例に出した「フォルツァート」は、その部分を突然強く演奏するというフォルテの派生系です。
いっぱい派生があるのもまた呪文っぽい。

ジアート(アジタート)

石碑を調べてる人

「アジタート(agitato)」。
「激しく咳き込むように」という意味の、曲の速度もしくは発想(どんなイメージの曲なのか)を表す言葉です。
速度記号としては「アレグロ・アジタート」といった風に、速いテンポを表す用語にくっついてるイメージ。

里の人々・音域編

スババ(バス)

いつも見回りお疲れ様です

「バス」。声楽において男声の一番低い音域を指す言葉で、一般的な音楽においても低音域という意味で用いられます。
「ベース」と言い換えればしっくり来るかもしれません。

リトバン(バリトン)

里入り口の門番

「バリトン」。男声の中音域を指す言葉です。
バリトンホルン、バリトンサックスなど中音域を出す楽器の名称に使われることも。

ノール(テノール)

飛び込み中毒者

「テノール」。男声の高音域です。
テナーとも言い、バリトン同様高音域を担当する楽器の名称にもなっています。
テノール歌手はオペラの花形、みたいなイメージがありますね。

ルトア(アルト)

シド王子ファンクラブ再び

「アルト」。女声の低音域で、音楽的にはテノールより高い音域を指します。
アルトの上、女声の高音域は「ソプラノ」。
身近なものだと小学校や中学校で使うリコーダーにこの「ソプラノ」「アルト」の名前がつけられています。

『ティアキン』初登場キャラ編

イム&ヒフミ(音階の数字)

ヨナの従者。先輩のイムに説教されるヒフミ

音階を日本語読みの数字に置き換えたもの。
「ヨナ」が「四七」なので「イム」は「五六」、
「ヒフミ」は「一二三」。

ヌミエン(ディミヌエンド)

ゾーラレッド

「ディミヌエンド(dim.)」。
強弱記号の一つで、この記号のあるところからだんだん弱く演奏していくことを示します。

カッペラ(アカペラ)

ゾーラグリーン

「アカペラ」。伴奏を伴わず声楽のみで行われる合唱のことです。
本来は教会音楽を表す言葉。

フガク(楽譜)

ゾーラピンク

「楽譜」。今更説明不要な、五線譜の上に音符がビッシリ並んでるあれです。
とはいえ全ての楽譜が五線譜と音符で表現されているわけではなく、ギター用の「TAB譜」など一風変わった楽譜も存在します。

TAB譜。6本の線をそれぞれギターの弦に見立て、
数字で押さえる場所を指示している

イータ(タイ)

ゾーライエロー

「タイ」。奏法記号のひとつで、同じ高さの音符同士を弧線で繋ぎ一つの繋がった音として演奏します。
長く伸ばす音が小節線を跨いでしまった場合の表記としてよく使われている印象。

小節線を跨いだタイ。
四分音符の音を2回弾くのではなく、二分音符1個分の音として扱います。

高さの違う音を弧線で繋いだものは「スラー」と言って、そこからそこまでの間の音をなめらかに演奏するという意味です。
見た目は似てるけど全く別物。

ピノア(ピアノ)

ゾーラブルー

「ピアノ」。お馴染みの鍵盤楽器……
ではなく、フォルテの反対の「弱く」という強弱記号のこと。
こちらもメゾピアノ(少し弱く)→ピアノ(弱く)→
ピアニッシモ(とても弱く)の順で弱くなります。

楽器の「ピアノ」の語源はこのピアノで、
「強い音も弱い音も自在に出せる楽器」ということで「ピアノフォルテ(略称。元はもっと長い名前)」だったのがさらに略されて「ピアノ」になったらしいです。

由来不明

わかりませんでした。なんかそれっぽいの見つけたら追加します。

カーティ

宿屋の主人

ディーメ

フーキュの嫁

ドゥンマ

門番

参考書籍 「ありそうでなかった 形から引ける音楽記号辞典」ヤマハミュージックメディア

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