『あつ森』の楽器家具たち〜楽器の分類と仕組み【どうぶつの森】
以前の記事であつ森のギター家具についてお話ししましたが、今回はそれ以外の楽器系家具について。
主に楽器の分類と簡単な仕組みについて学んでいきたいと思います。
鍵盤楽器
楽器の分類は基本的に発音の原理に基づくことがほとんどですが、鍵盤楽器はその仕組みに関わらず「鍵盤を持った楽器」のことを指します。
弦を叩くピアノ、空気を送り込むオルガン、電子楽器のシンセサイザーと、あつ森に出てくる楽器だけでも見事に仕組みがバラバラです。
ピアノ
誰もが知ってる楽器の王様。基本88鍵の鍵盤を持ち、低音から高音まで自由自在に演奏できます。
オーケストラに組み込まれることはあまりなく、どちらかというとソロでの演奏が多い印象です。
鍵盤を押すことでそれに連動したハンマーが押し上げられ、内部に張られた鋼製の金属線を叩くことで音が鳴るという仕組み。
そのため厳密には打楽器の一つ、「打弦楽器」という分類になります。
ピアノが生まれたのは1700年代のイタリア。
本名は「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」です。
この貴族のフルネームみたいな長い名前は「強弱を付けられるチェンバロ」という意味。
チェンバロというのはピアノとよく似た楽器なのですが、鍵盤と連動したツメで弦を弾く仕組みのため音の強弱がつけられませんでした。
そこでハンマーで弦を叩く仕組みに変更し、鍵盤を押す力の加減で音の強弱をつけられるようにしたのがピアノです。
中の金属線を縦向きに張ったものが「アップライトピアノ」。
グランドピアノと比べて性能は落ちますが、場所を取らないのでご家庭でも手軽にお楽しみいただけるようになりました。
パイプオルガン
パイプに空気を送り込んで音を鳴らす「気鳴楽器」のひとつ。
多いものでは何千本というパイプを持った超巨大楽器で、教会などの建物と一体化していることが多いです。
見た目も音色も荘厳で神聖な雰囲気がありますね。
実物のパイプオルガン。ド迫力です。
原理としてはハーモニカやアコーディオンの仲間。
また、このパイプオルガンのルーツをずーっと辿っていくと「パンフルート」に辿り着きます。
弦楽器
弦を振動させることで音を出す楽器。
弓などで弦を擦って演奏する「擦弦楽器(さつげんがっき)」と指などで弾いて演奏する「撥弦楽器(はつげんがっき)」の大きく2つに分けられます。
ヴァイオリン
16世紀頃から存在する擦弦楽器の代表格。
「楽器の女王」と呼ばれることも。
肩と顎で挟むようにして構え、弓で弦を擦って演奏します。
内部が空洞になっているのは弦の振動を増幅して大きな音を出すため。ギターも同じ仕組みです。
ケルト音楽などの民族音楽で使用されるヴァイオリンは「フィドル」と呼ばれますが、物としては普通のヴァイオリンと全く同じ。
オーケストラにおける「コントラバス」とロックやジャズにおける「ウッドベース」など、物は同じでもジャンルによって呼び方が変わる楽器はたまに存在します。
チェロ
ヴァイオリンとほぼ同じ仕組み・形の楽器ですが、ヴァイオリンに比べるとかなり大型。
肩には担げないので床に立てて演奏します。
この見た目がそっくりなヴァイオリンの仲間の楽器には、チェロの他に「ヴィオラ」と「コントラバス」があります。
ヴァイオリン→ヴィオラ→チェロ→コントラバスの順にサイズが大きく、音も低くなっていきます。
コントラバスに至っては全長約180cmと、下手すりゃ奏者の身長を超えるほど。
このヴァイオリンファミリーの中では低音寄りに位置するチェロですが、実際の音域はかなり広くソロでの演奏にも適しています。
バッハの「無伴奏チェロ組曲」など、チェロのために書かれた曲も多数。
ハープ
紀元前3000年頃から存在するレジェンド楽器。
ハープにもいくつか種類はありますが、あつ森のこれは「ペダルハープ(グランドハープ)」と呼ばれるものです。
基本的に47本の弦を持ち、6オクターヴもの広い音域を出すことが可能。
よく見ると下部にペダルがついており、このペダルを踏み込むことでシャープやフラットなどの半音を出すことができるようになっています。
ちなみに、手に持って弾くタイプのやつの名前は「アイリッシュハープ」です。
ギター
最も身近な撥弦楽器。
楽器分類では弦楽器の中の「リュート属」に分類されます。ウクレレもその仲間。
ギター及びリュート属の楽器についてはこちらの記事をお読みください↓
管楽器
息を吹き込んで音を鳴らす楽器。
「木管楽器」と「金管楽器」の大きく2種類に分けられますが、その分類基準は音を出す原理によるものなので実は素材は関係ありません。
「リード」と呼ばれる振動体に息を吹き込むことで音を鳴らすものが木管楽器(オーボエ、クラリネットなど)、
マウスピースを通じて唇の振動を楽器に伝えて音を出すものが金管楽器(トランペット、トロンボーンなど)です。
そのため、サックスは金属製ですが分類上は木管楽器ということになります。ややこしいですね。
トランペット
定番の金管楽器。
上部の3つのピストンに加え、唇の開閉や息の加減などで音程を調節します。
その歴史は古く、古代に戦いの合図などに使った原始的な金管楽器が元になっているとされています。確かにトランペットとかラッパと言われるとなんとなく兵隊が吹いてるようなイメージがありますね。
クラリネット
管楽器の中でも特に広い音域を持つ木管楽器。
薄い木の板「リード」を吹き口に装着し、それを振動させることで音を出す仕組みです。
このリードの硬さやカットの仕方などによって音色が左右されるため、クラリネットやオーボエ、サックスなどの木管楽器奏者はとにかくリードにこだわります。
サックス
正式名称はサクソフォン。
1846年、ベルギーの楽器職人アドルフ・サックスによって発明されました。
人の声に近い表情豊かな表現ができる楽器で、この楽器の音の虜になる人は少なくありません。
比較的歴史の新しい管楽器であり、オーケストラよりはジャズやポップスなどでよく見かけます。
特にジャズには欠かせない楽器だと言えるでしょう。
オカリナ
イタリア語で「小さなガチョウ」という意味の名前を持つ、笛の一種。
ゲーマー的には『ゼルダの伝説』でお馴染みの楽器です。
陶器やプラスチックで作られることが多いですが、これも分類上は木管楽器。
吹き込み口で空気そのものを振動させて音を出す、「エアリード式」と呼ばれるフルートやリコーダーに近い仕組みです。
パンフルート
長さの違う葦や竹を並べた簡易的な笛。
直接口をつけて息を吹き込むのではなく、上部の穴に息を吹きかけるようにして演奏します。
空き瓶の口に息を吹きかけて音を鳴らすのと同じ仕組み。
「パン」というのはギリシャ神話の牧神の名前。パンが葦を笛にして吹いたというエピソードからこの名前がつけられました。
打楽器
その名の通り、叩いて音を出す楽器。
太鼓やドラムのように本体に張られた膜を叩く「膜鳴楽器(まくめいがっき)」と、木琴や鉄琴のように楽器本体そのものを叩いて音を出す「体鳴楽器(たいめいがっき)」の2種類があります。
ティンパニ
オーケストラの太鼓といえばこれ、ティンパニ。
ペダルを踏み込んで皮の張り具合を調節できるので、太鼓でありながら自由に音程を変えることが可能です。
物にもよりますが、大体1オクターヴくらいはカバーできるそう。
あつ森のティンパニでも音程の変化が楽しめますので、手に入れたらその辺に飾って叩いてみましょう。
スネアドラム
小太鼓。
スネアというのは金属の響線のことで、下部に張られた金属線によって独特の響きが出せるようになっています。(金属線は取り外しも可能)
なお、あつ森では家具を下から見ることができないため金属線は確認できませんでした。
ドラムセット
複数種類のドラムを組み合わせ、一人で演奏できるようにしたもの。
さっきのスネアドラムもこのセットに含まれています。
他に使われているのはペダル式のバスドラム、タムタム(スネアのない中型ドラム)、シンバルなど。
このあつ森のドラムセットのような配置が一般的ですが、セット内容や配置は奏者の好みや音楽ジャンルなどによって様々です。
マリンバ
木の板を並べた、いわゆる木琴。
アフリカに起源を持つ楽器で、「リンバ」というのはアフリカの言葉で「平らな」という意味です。
板の下についているパイプは音を響かせるためのもの。大昔のマリンバは地面に穴を掘ってその上に木の板を並べることで音を響かせていたそうです。
言うまでもないと思いますが、これの板が鉄で出来てるやつが鉄琴です。
マリンバより板の薄い木琴のシロフォン、電動モーターで音を震わせる鉄琴のビブラフォンなど、一口に木琴や鉄琴と言っても結構いろんな種類があったりします。
カリンバ
金属の板を親指で弾く、アフリカの民族楽器。
サムピアノとも。
サイズも音も可愛らしい素朴な楽器です。
よく楽器屋に置いてあったり弾き方の本が出てたりして、なんか最近ちょっと流行ってるっぽいです。
「リンバ」の部分の語源は多分マリンバと同じなのですが、「カ」が何なのかは正直よくわかりません。
タンバリン
小さなシンバルがついた、片手で持てるサイズの片面太鼓。叩いたり揺らしたりして演奏します。
太鼓なのに皮が張られていないタイプのものも。
シンプルな作りかつ誰でも簡単に楽しめるので、楽器としてだけでなく子供用のおもちゃとして売られていることも多いです。
マラカス
中に粒が入っており、本体を振ってシャカシャカと鳴らして演奏するシンプルな楽器。
中の粒をぶつけて音を出しているので、これも打楽器に分類されます。
元々は「マラカ」という植物の実を乾燥させたもので、残った殻と中の種をぶつけて音を出していたのが始まりだそう。
電子楽器
電子回路によって作られた音を音源とする機械的な楽器のこと。
シンセサイザーのような物理的な楽器だけでなく、パソコンによる打ち込み音源(DTM)もこの電子楽器の括りに含まれます。
『初音ミク』で有名なヤマハの合成音声ソフト「ボーカロイド」が分かりやすい例でしょうか。
音の鳴る仕組みそのものが電子回路に起因している楽器を指すので、弦の振動を電気的に増幅しているエレキギターは含まれません。
エレキギターのように楽器の生音を増幅するタイプの楽器は「電気楽器」として区別されます。
テルミン
1919年、ロシアの物理学者レフ・セルゲーエヴィチ・テルミンが発明した電子楽器。
楽器本体には直接手を触れず、上のアンテナに手をかざして動かすことで演奏します。
あつ森でも他の楽器家具のようにAボタンで触って演奏するのではなく、部屋に置いたテルミンにプレイヤーが近づいたり離れたりすることで音程が変化するようになっています。
幽霊が出てくる時のような不気味な音はホラーなお部屋の演出にもぴったり。
実際に効果音として用いられることも多いようです。
シンセサイザー
「シンセサイズ」とは「合成する」という意味。
たくさんのスイッチやコントローラーがついており、音の波形を変えたりサンプリングされた他の楽器の音を出したりと自由に音色を変えられる楽器です。
演奏しやすいのでキーボード型が一般的ですが、他の楽器の形をしていたりコントローラー部分だけだったりすることも。
おまけ オーケストラの楽器配置
楽器の編成や演奏する曲、指揮者のスタイルなどによって細かな違いはありますが、基本的には音が大きい・低い楽器ほど後ろに配置されます。
一般的には一番後ろにティンパニなどの打楽器、続いてホルンやチューバなどの管楽器。
中央にクラリネットやファゴットといった木管楽器、そして最前列にヴァイオリンやチェロ、ヴィオラの弦楽器という配置がよく見られます。
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