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2023年7月│3000円ワインまとめ
暑い。
とにかく、暑い。
夏本番、わたしのワインライフはもっぱら「泡、白、泡、泡、白、赤、白」みたいになって来ています。
先日いつものワイン屋に発注するときに「もう、泡と、軽い赤だけください…」って、死にそうな連絡を取りました。我が家、軽い赤の需要も高いんだけど、軽赤ってうっかりすると家に鎮座してなかったりするんですよね。ワインを飲まない選択肢はない。
7月の中旬には苦手な仕事と業務量が増えてしまい、3000円ワインの消費量がガタ落ちしました。端的に、ちょっと元気がなかった。いけない、このままじゃ3000円ワインが飲めないのでは…?!と思いきや、後半に追い上げてきたところ見ると、わたしの生活もなんとか立て直ったようです。3000円ワイン、わたしの健康のバロメーターになってる説ある(ある)
というわけで、暑くて、忙しくて、騒がしくて、大好きな夏。
強制的にテンションをあげさせられる、あのびっかびかの太陽。ひょっとして、このまま蒸し焼きになる…?という錯覚を覚えながら、今月も頑張って生きていこうではありませんか、人類!
夏だ、花火だ、そして3000円ワインだ!!(汗だく)
ローズウッド リースリング AF 2020[¥3300]
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カナダワイン専門店、ヘブンリーヴァインズさんの試飲会にてお買い上げの1本。リースリング「AF」ってなんぞと思ったら「Arrested Fermentation(発酵の途中停止)」の略なんだそう。残糖を残してあるタイプの、やや甘リースリングです。といっても甘みは柔らかで、酸とのバランスもよく爽やかに飲めちゃう。
もともと養蜂やミード酒造りをされていたワイナリーらしく、だからというわけではないですが、香り立つ蜂蜜感がたのしい。ちょっと硬質なミネラルの雰囲気もあり、後半かすかにうまみをともなう苦味が伸びます。この苦みが、全体をレモン的にまとめていて「レモンの花から集めた蜜で、美味い液体つくりました」感🌸
こちらは天然酵母のド・ナチュラル系生産者。でも案外、言われなきゃ気づかないくらいのクラシカルさなんですよね。オーストラリアもそうだけど、ニューワールドの自然派ってあの「じゅわあっ」としたブドウ感はうまく出しつつ、オーセンティックにまとめてあるものによく出会う気がするな〜、好き。
ベティッグ/ヴィーノ・デ・プエブロ シャルドネ 2021[¥3300]
![](https://assets.st-note.com/img/1690954840587-sUArqQ84VR.jpg?width=800)
以前ベティッグのピノ・ノワールを飲んで「アッハッハッハ?!美味…」とびっくりしたチリのワインメーカー。白も美味い、という噂を聞きつけて土曜の夜に飲んでみました
香りは最初から綺麗に開きます。レモンの花のような可憐さと、クリームみたいなまろやかさ。飲む前はそんなに樽香推しじゃないのに、くちに含むとふわっとバニラが香ります。
ちょうどよく丸くて、ちょうどよく酸があって、フルーツジュース的美味さの最上級、みたいな、ちょうどいいバランス感。確かにエレガントなんだけど、親しみやすくてごくごくいっちゃう。ベティッグ、やはり美味いぞ…!
ちなみに元値は3000円台ですが、ワインマーケットパーティーさんにて2000円台で購入しました。美味しいワインがちょっとお得に手に入る。わたし、そういうの、好きです。(※みんな好き)
クリストフ・ ホッホ /ロゼ リュラル ペット ナット [¥3500]
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「JUST FOR FUN」
この言葉に出会った瞬間、涙が出るくらい「わたしだ」と思った。それが去年の冬のこと。
人生の整合性とか、描くはずの未来とか、生きる意味とか。考えても考えてもたどり着かなかった結論が、向こうからふいにやってきた、そう思ったのだった。
「ただ、“楽しい”のため」
だってそれって、なんか、オトナじゃないみたいじゃないですか。
ちゃんと先のことを考えて、きちんと生活を組み立てて、週末のために日々の仕事に耐える。それが立派なオトナだと信じてたし、だってアタシ、楽しむために生きてもいいなんて、誰からも習ったことなかった。
でも、もう、間違いない。わたしは知ってしまった。わたしの唯一の、そして最強の原動力は、「楽しい」なんだってことをーー
ってことをキラキラ語るわたしに「いや、アタシは、ますたやさんとは真逆の仕事感です」と高らかに宣言した、資本主義の権化のようなあたしのマブダチ。えーーー!w
会社のために働くことの素晴らしさ、自分の立ち位置を直感的に読み解く才能、トップの売り上げを目指し続ける幸福と、そして、女性としての挫折。そんなバリキャリ戦士が、まさかの「ますたや」に感化されて新しい人生を切り開こうとしてるなんて、情報が渋滞しすぎでしょ。一体どういうこと?
そんなお互いの価値観を真剣に交換しあった夜に、天才クリストフ・ホッホのシックな複雑味が、ちょうどよく寄り添いました。
アセロラやチェリーのようなカワイらしさに、溶け合うような野生酵母の複雑な香り。高い酸が全体を引き締め、細やかな泡と柔らかなタンニンが全体を包み込みます。
一見親しみやすいペット・ナットに見せて、わかりやすいところに置きにいかない骨太な造り。華やかだけど、すぐに答えは出させない、「ちゃんとわからせる」までに時間のかかる複雑なバランス。
オルヴォーの村岡さんから「ブルゴーニュの古酒みたいな雰囲気さえある」とご紹介いただいたこちらの1本。
もちろん、眉間にシワを寄せて飲むようなシロモノではないけど、ワインも人生もひと筋縄ではいかない、わからないからこそおもしろい、そんなことを静かに、でも揺るぎなく訴えかける、アツい夜にぴったりの1本でした。
そんなデコボコなふたり語りは、Podcast番組『ペアリングトークラジオ』にて8/10から配信予定。あたしの幸福と、あなたの幸福は、違っているのが当然。だからこそ、生きるのって、おもしろい。ワインって、おもしろい。
シャトー・デ・ジャック(ルイ・ジャド)/ムーラン・ア・ヴァン 2017[¥3700]
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2018を飲んだとき、その美味さにぶっ飛んだ。ルイ・ジャドが傘下に抱える、シャトー・デジャックのムーラン・ナ・ヴァン。「歴史あるシャトーに敬意を払い、あの、ジャドのエチケットにはしなかった」とは、かつて近所だったワイン屋が教えてくれたいわゆるひとつのうんちくです。
2017も、やっぱり美味い。まるかじりした赤いフルーツの香りに、ほんのり加わるスパイシーな樽のニュアンス。笑っちゃうほど豊かな果実味と、それに負けないエレガントな酸との絶妙バランス。
グレートヴィンテージの2018と比べるとかすかにタンニンが浮いてる感はなきにしもあらずだけれど、「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」これが、正しいワインのたしなみ方!(大嘘)
どっちにも失礼なことはわかった上で『エレガントで軽やかな、オーストラリアシラーズ』とか言いたい、わたしの愛するふくよかさ。ガメイって、こんな風にもなるんだ…!とあの頃感じた衝撃そのままの、美味しいワインでした🍓
私「さすが、ルイ・ジャドシリーズのなかでは頭ひとつ飛び抜けてるよね」
夫「いやこれ、ルイ・ジャドじゃなくて、デ・ジャックだから」
・・・ワイン好き、面倒くせぇぇぇ!(褒めてる)
フリュイティエール・ヴィニコル・ダルボワ/クレマン デュ ジュラ ベタニー NV[¥3700]
![](https://assets.st-note.com/img/1690955553426-aPU9pnk7wZ.jpg?width=800)
夏本番、とにかく毎日泡泡泡!でバブリーな気分。誕生日の夜も、心は泡とともにあらんことを。しかし平日にシャンパーニュ(※福袋品)を開けるのはちと惜しい。そんなとき、なにげなく手に取ったのがこちらのクレマン・ド・ジュラでした。
これ、近所だったワイン屋に「暑いから、なんでもいいからデイリー泡何本か送って💦」って頼んで入ってたもののひとつ。クレマン・ド・ジュラ?なぜそんなニッチな生産地を?と思いつつ、誕生日祝いにかこつけて抜栓の義を迎えました。
これがさぁ…美味いのよ。青リンゴのようなフレッシュな香りと、あきらかな酸化熟成香。冷えてると酸の高さが際立ち、今、われわれは、フランスのワイン飲んでる!感があります。
後半は酸は和らいできて、はちみつみたいなトロンとした香りも出てきます。そこに謎にブリオッシュ的な香ばしさも重なって、いや〜…ワンチャン、シャンパーニュじゃないですかこれ…?(違う)
ブラインドで出てきたら「8000円のシャンパーニュ。しかも、ちょっと熟成してますよね?」って言いそうなクレマン・ド・ジュラ。もしやこれが…ヴァン・ジョーヌの風…?!
そもそもヴァン・ジョーヌを造る生産者の好みの味なのか、地域特性なのか偶然なのかはわかりませんが、「安価に手に入る、ジェネリック・シャンパーニュ(ちょい熟)」の、ひとつの候補になるんじゃないかと思ったり。
「予告の時間が早すぎたんだよ!」などと、ゼルダにかまけて今年も妻誕スルーをかました夫とともに、ほくほく嬉しいお誕生日となりました・・・ゼルダとアタシ、どっちが大事なのよ!(ゼルダ)
ドメーヌ・レオン・ボッシュ/レ・グランド・リーニュ 2020[¥3500]
![](https://assets.st-note.com/img/1690955722155-pK31LEPvjc.jpg?width=800)
わたしのお友達にはワインの一流プロがたくさんおりまして、ここのとこ、そんなお友達から誕プレワインをいただくなんていう人生のバグが発生しております。アタシ前世でどれだけ徳積んだの?
プレゼントでいただいたもののお値段を調べるなんて不粋すぎるんですが、こちらは「ギリギリ3000円ワインだよ!」とのお言葉を添えて贈ってくださったもの。完全にあたしの活動までも組み込んだ仕様のプレゼントということで、恭しく、3000円ワインとして刻ませていただくことと相成りました。
こちら、アルザスのリースリング。なんとなくおひさしぶりに飲んだ、いかにも「古典派」のリースリングです。
とろんと黄金に輝く液体、グラスに広がる柑橘の豊かな香り。くちに含むとじゅわぁと酸が広がり、かすかな塩み、ほんのりとした甘み、そして後半にふわっと苦みが残っていきます。
余韻は長く、ゆったりしていて、その輪郭を酸が彩っていくーーリラックスできるのに凛としてる、美しいクラシカルバランスのワインに、心はめろめろでした。
「ぼくが今年飲んだなかで、いちばん美味しいと思ったワインです」
そんなホットなワード、わたしも誰かに贈れるようになりたい🔥
わたしはたぶん自分の誕生日がこれからも一生大好き!今後も積極的に祝ってもらうスタイルで、圧強めに生きていきます!みんな、ありがと♡(先に言っていくスタイル)
というわけで、7月はますたやのお誕生月でした🍰
たくさん祝ってもらってうれしい🥰美味しいワインもうれしい!
あとは、わたしの誕生日にかこつけて、近所だったワイン屋で買った高ワインも控えています。そうそう、このために、ワイン屋の閉店セールで買ったんですよ!(2月)
ますたや「なんで毎年毎年、誕生日忘れちゃうのよ」
夫氏「いや、だって、誕生日ワインはだいぶ前に買ったから…」
夫氏まさかの、嫁の誕生日 < ワイン の公式が判明。そういうやつだよ、きみってやつは…!(安定感)
▶ 3000円ワインはInstagramにて速報中✐
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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワイン好きが高じて、2023年3月から都内のワイナリーで働きはじめました。
2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得/2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得し、現在はWSETLevel3を英語で挑戦中。
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