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ナチュラルワインに片想い〈アルザス/ゲヴェルツトラミネール〉

どうですか、みなさん。華の金曜日、飲んでますか。

こんばんは。一番結婚したい曜日は金曜日の夜、アルパカです。


さて、みなさんは「ナチュラルワイン」に、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

いま、わたしの頭のなかには、あるふたつの民の姿が思い浮かんでいます。

まずひとつめは、ナチュラルワインを愛し、ナチュラルワインからも愛される、相思相愛のワイン人生を送る民のお姿です。

大人のほうが恋は切ないと、あんなにドリカム大先生が進言されているにも関わらず、素晴らしい相思相愛を享受しておられるこちらの民のみなさん。さぞ前世で徳を積んで来られたに違いありません。あやかりたい。

一方、ナチュラルワインに対して、なんだかちょっと距離感がある民のお姿。こちらが、ナチュラルワインに片思いをしている民のみなさんのお姿です。

片思いといいましても、それが民側からの想いばかりとは限りません。たとえば、ワインのほうは民のことを愛しているのに、もう全然、ほんとうに、なんかごめんなさいというか、他あたってくださいというか、どう飲んだらいいのかわからない、おいしいのはわかるけど飲めない、愛したいのに愛せない――

そういった複雑な恋心を抱えておられる民も、いらっしゃるのではないでしょうか。

なぜなら。わたしが、そうだから。

わたくしますたや、ワインを愛する力量に関しましては、全わたしからの定評があります。お安いワインからお高いワインまで、「それはそれとして」すべからく楽しめる、ハイコスパな舌を持っているアルパカなんです。すごない?

しかし。それなのに、です。

ナチュラルワインに関しては、どうも、”じゃないヤツ” に出会ってしまう。

いわゆる、オフフレーバーというやつです。

これもね、ぜんぜん平気なひとがいることも、知ってるんです。ますたや、結構オタク気質なので、気になることは突き詰めたい。だから、ナチュラルワインへのわたし自身の想いを確かめたく、ナチュラルワインコーナーをじっと眺めてみたり(不審)、行きつけのショップのソムリエに詰め寄ってみたり(迷惑)、なんだったらヴィノテラスさんのナチュラルワイン講座を受講してみたり(真面目)と、けっこうちゃんと勉強してみたんですよ、どれも楽しかったんですが…

まあ、いいんですよ。あくまでワインは嗜好品なのでね、自分が好きなヤツだけ飲んでればそれで幸せ、そんな風に思ってみようともしたんです。が、

ナチュラルワインと相思相愛の人生を送る民のみなさまのお話をうかがうたびに、自分とは違う感性への、羨望というか、あこがれというか、そうですね… たとえるなら、きらめくショーウィンドウに飾られた赤い靴をのぞく幼い兄妹、みたいな気持ちに、さいなまれるのでした。

「おにいちゃん、あたい、あの赤い靴が欲しい」

「堪忍な。いつか兄ちゃんが買うてやるからな、ます子」

たぶん雪の降るしんと冷えた夜なんでしょうね。

知らんけど。


La Grange de L'oncle Charles Orange 2020 [¥ 3850 ]

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<ワインdata>

国:フランス(アルザス) 種類:オレンジワイン 品種:ゲヴェルツトラミネール ビンテージ:2020 生産者:ラ・グランジュ・デ・ロンクル・シャルル インポーター:有限会社 CROSSROAD

<バランス>

酸味★★☆☆☆ 糖度:★★★☆☆ 香り:★★★★☆


さて、そんなわたしがなぜ今夜、このアルザスのナチュラルワインを飲んでいるのかといいますと。

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じゃん。

ワインの輪」。

こちら、わたしが日々のランニングのおともにしている、推しポッドキャスト番組でございます。

いま、日々の、といいましたが、実質週3です。盛りました。ごめんなさい。

こちらの番組、ナチュラルワインを話題の中心にしながら、ゆるく、楽しく、ワインについてのお話が聞けるおすすめのラジオ番組です。ますたもせっせとハガキ職人をしておりますが、今のところすべてのお便りを採用してくださってます、親切か。しかも無駄に(無駄に)音響がよく、なにせ耳心地がとてもいい。

そんなワインの輪さんが主宰となって、去る2021年8月20日、わいんのわのわというオンラインイベントが開催されました。

総勢100名ほどが集まったこのイベント。日本のみならず世界各地からワイン好きが集まり、ただ楽しくワインの話をするという、夢みたいな空間が広がっていました。

ワインの話って、日常生活のなかで、なかなか共有しづらいことってないですか?

わたしがこの日お話させてもらったレディは、「だから、普段は”日本酒が好きです”って言ってます」ってお話されてました。そ、そんな、踏み絵みたいなこと…!;;

だからこそ、ワインの話をただ素朴にできたこのイベントは、わたしにとってはじん、と心にしみわたる、あたたかな会だったのでした。


そしてわたくしアルパカ、なんとこのイベントで、幸運なことにワインのプレゼントが当選しちゃいました。やったー

それが、こちらです。ゲヴェルツトラミネールを使った、オレンジワイン。

ゲヴェルツトラミネールを使った、オレンジワイン?


まずコルクを抜いて香りを取ると、思わず「おおっ」と声が出ました。なにがって、あの、違うとはわかったうえで言うんですが、”その名のとおり” まさにオレンジみたいな香りがするんです。

おそらく、全房発酵からくる果皮や茎の香りが、ゲヴェルツトラミネールがもともと持つライチのような華やかで甘い香りに、いい具合に溶け合っているんじゃないかと思います。後味にはほんのり苦みも感じ、これがアクセントになってなかなかいい。

わたしは酸味をやや強めに感じましたが、夫は「酸はほとんど感じない」って言ってました。ナチュラルワインのときって、なんか味わいの感想も、わりとずれる感じがします。それだけ複雑で、重層的な味わいなんですよね。

グラスにそそがれたワインの色は、これこそいわゆる「オレンジ色」。ほー
無濾過のためすこし濁っていますが、味わいはいたって綺麗系です。
そんな鮮やかなオレンジ色と、ふわりと香る柑橘系のかおり。見た目にも味わいにも、熟れた果物そのものの味、といった印象を感じるワインでした。

ゲヴェルツトラミネールのオレンジワイン・・・なるほど、うん。おいしい!

こんなワインに出会えるなら… ナチュラルワイン、わたしはまだまだこれからも、いろんなワインたちに出会ってみたい気持ちがしています。

ナチュラルワインの民のみなさん。ぜひおいしい3000円ワインをますたやに教えてください。わたしもいつかみなさんのような、両想いの世界を垣間見たい…!


ちなみにますたや家、オレンジワインには中華料理をあわせる習慣があります。あえて中華料理じゃなくてもいいんですが、普段ワインばかり飲んでると、どうしてもペアリングがオリーブオイルと塩とチーズ、みたいになりがちなので、なかなか中華を食べる機会がないんですね。

だから、中華に”さえ”合わせに来てくれる優秀なオレンジワインのときには、思う存分 大阪王将の餃子をたべるのが、2021年トレンドのますたやスタイルなのでした。


それではまた、次の3000円ワインでお会いしましょう。みなさまも、華金様とねんごろな一夜をお過ごしくださいませ。ますたやでした♪

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ますたやとは:

関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)。夫婦で1本を分けあって飲みます。3000円ワイン以外のワインについては、Vinicaにて夫が更新中。現在は夫婦そろって、2021年ワインエキスパートの二次試験に向けて勉強中です。はやくおいしいワインが飲みたい!

twitter:3000wine_tami
Instagram:3000wine_no_tami

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