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飲めばわかるぜスペイン!〈スペイン/メルロー・カリニェナ他〉

こんばんわ(^○^) 3000円ワインの民、ますたやです♪

さて、本日は三連休の最終日に飲んだ3000円ワインについてお話したいのです が、ここでみなさんにうかがいたいことがあります。

スペインワイン、飲んでますか?

何を隠そう、この日に飲んだワインがスペイン産のワインだったのですが、そういえばわたしスペインワインって久しぶりに飲んだ気がする… と思って、夫のVinicaをさかのぼってみました。

▼ 夫のVinicaはこちら。ワインのコメントは数日後に更新されるシステム(日々更新に追われています。)

結果発表(2021年9月~現在)

フランス 49 本
日本 17本
イタリア 14 本
南アフリカ 9 本
  :
  :
スペイン 4 本

よ、4本・・・・!?

思った以上に飲んでいなかったスペイン。でもそういえば、スペインワインってあまりイメージないよなぁ…
カヴァとシェリー、ときどきアルバリーニョ、みたいな。否、そんなわたしなぞに、3000円スペインワインを語ることなどできぬ…!

と思ったので、ちょちょいと調べてみることにしました。
主なソースはソムリエ教本。歴史の部分はWikipediaあたりで補強しています。よろしければ、お付き合いください!


スペインワインについて

スペインワインって、実は世界でいちばんワイン用の葡萄栽培面積が広い国なんですよね。世界一ですよ。この時点で、スペインってばすごいじゃん。

そして、スペインのワインの輸出量は、実は世界1位(2019)。すげー!
さらに、「ワイン法」にいたっては、かの国フランスの「AOC」よりも3年はやく制定されていて、つまりスペインって、超老舗のワイン国なんですよね。

え、すごすぎない?

なのに、ですよ。なのに。
スペインワインって、なーんかバズらない。

確かにわたしも今回、ワインショップでスペインワインを勧められたとき、反射的に「あ~、スペインかぁ…」って反応しました。

この語尾の「…」は、決して「否定」ではありません。否定ではないのですが、むしろ、肯定でもなく、つまりすぐには判断できなかったんですよ。「スペインについて頭に思い浮かんでさえなかったので、今から考える必要がある」という「…」です。

そうです。あのですね、ワイン飲みたいって思ったときに、なかなか思い浮かばないんですよ、スペインワイン。

ワインショップのソムリエP氏が言うには、
「スペインワインって、2000円、3000円台で十分美味しいワインがたくさんある。だから試飲販売さえできれば、バンバン売れる」とのこと。

ところが、「棚に置くと途端に売れなくなる」。
だから、公の試飲販売がなかなかできない昨今では、ちょっとスペインは仕入れにくいと話していました。はーー、なるほどね。

ちなみに、飲まずに買って帰るようなおかしなお客は、ごく一部だそうです。(残念ながら、わたしのことです

飲めば売れる、スペイン。
それってつまり、飲めばおいしいってことですよね。


そんなおいしいスペインワインですが、やっぱりあまりメジャーではなさそう。
一体スペインワインになにが起こっているの?と思って、ソムリエ教本をめくってみると、こんな記述に出くわしました。

20世紀に入り、第一次世界大戦、世界大恐慌、スペイン内戦、第二次世界大戦と混乱した時代が続き、スペインワインの輸出は大幅に落ち込み、一時期ワイン販売のほとんどが国内市場に限られた。

1970年代に入り、独裁政権から立憲君主制に戻り、民主化の道を歩み始めたスペインはそれまでの半鎖国的経済状況から抜け出し、ワイン産業も復興を始め、輸出を意識し、量から品質を重視する方向へと大きく転換するようになり、国際市場でも競争力をつけていった。

日本ソムリエ協会教本 2021 P.262

ふむふむ、つまり、Wikipediaの手も借りながらまとめると、こういうことみたいです。

まず、第一次世界大戦の動乱のなか、他国と同様ワインの生産量が落ち込んだ。
その後、世界初のワイン法が制定されるものの、わずか5年後には「フランコ政権」と呼ばれる独裁政権が政権を獲得した。
フランコ政権は第二次世界大戦時、世界の「中立」をたもとうとした。
ところが実際はこの『風見鶏的な態度』が不興を買い、世界のなかで居場所を失ってしまった。結果的に半鎖国状態に置かれ、その状態が40年続いた。
その間ワイン生産は、国内消費用にとどまり続けていた――

ということで、どうやらスペインワインにとって、この失われた40年が大きい気がしてきたぞ…!

古い歴史と豊かな土壌がありながらも、そのうちの40年は受難の日々だったスペインワイン。
むしろこの間もワインの灯をたやさず、こつこつと畑に手を入れ、葡萄を育て、ワインを造り、ワインの歴史を守り続けてくださった名もなき英雄たちに、心からの感謝を送りたくなります。

はー、なるほどスペイン。バズってないのは、波にうまく乗れなかったからなんやな。
せっかく数々の「1位」があるのにも関わらず、自分の良さをぜんぜん生かしきれてない。惜しい、惜しすぎるよスペイン。

まるで目立たない地味なアイドル一期生みたいな存在だな…!
最初から一期生としているのに、地味で目立たないからなかなか表舞台に出てこない。ライト層のファンの中には、彼女のことを知らないひとだっているかもしれない。

でも――バズらなくたって、地味だって、舞台の端でずっと努力し続けてきたこと、わたしたちワインラバーは、ちゃんと知ってるよ…!

スペインワインって、イチ推しにはならないけど、逆にいえば決して嫌いじゃない、みたいなところあるじゃないですか。
だってカヴァのこと、わたしたち大好きじゃないですか。

そんな、不器用で愛おしいスペインワイン。誰かちゃんとこの子のことを推してあげてほしいです。(誰か)
そして推してるひとはぜひともスペインワインを持って、わたしにスペインの魅力を教えに来てくださいませ。(飲みたいだけ)


パス・クルテイ 2016 [¥3030]

<ワインdata>
国:スペイン 種類:赤ワイン 品種:メルロー60%・カリニェナ20%・カベルネソーヴィニヨン20% ヴィンテージ:2016 生産者:アレマン・イ・コリオ インポーター:日本酒類販売株式会社

<バランス>
酸味:★★★☆☆ タンニン:★★★★☆ 香り:★★★★☆


ということで今夜勧められたのは、こちらのスペインワインでした。

「いま家に軽いワインしかなくて、寒いからなんか他のがいい」
などと言い、近所のワインショップで紹介していただいたワインです。まず家のを飲め。


ヴィンテージは2016年ということで、若干熟成しかかっている… はずなのですが、見てくださいこの、色。

濃い…!!

ふちは若干オレンジがかってきていますが、まだまだ全然若々しい紫色。おお~~、これは強そうだ。グラスを伝うとろ、とした質感も、酒質の強さを物語っています。ふふ、楽しみ!

グラスに鼻をちかづけると、まずは樽の香りがのぼってきました。お~、これこれ。そして、それを追いかけるように、黒系ベリーやスパイス、鉄っぽい香りが漂ってきます。あ~~、これ、赤ワインだ…!

待ち切れず、ひとくちいただきます。ごくり。うん、うまい!
キシキシと口内に残る強いタンニンの反面、飲み口は意外にも軽やか。するり、と口に入ってきて、あとにぐっと残り香を残していきます。
とはいえ酸味もしっかりあって、骨格はきゅ、と引き締まっているよう。基本はフルーティで重い赤!ですが、こういう細やかなニュアンスが、ちゃんとエレガントさを醸し出してきますね。

グラスの底に残った澱は、ワインの強さを物語ります。

うーーん、いいねぇ!
きみ、地味に見えてなかなか芯があるな、逸材じゃないか…!

心のなかのアイドルおじさんも、思わず納得の笑顔。
連休最後のこんな寒い夜には、こういうワインが飲みたかったんだ!

飲めば、わかる」おいしいワイン、スペインワイン。
そこはわたしにとっては、まだまだ未開の地。この道の先には、もっと深遠な世界が広がっている…のかも、しれません。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!今夜はキュウカンバーな、3000円ワインの民、ますたやでした^0^あした何飲もうかな~!

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■ ますたやとは:

関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)。夫婦で1本を分けあって飲みます。3000円ワイン以外のワインについては、Vinicaにて夫が更新中。2021年、夫婦でJ.S.A.認定ワインエキスパート取得。夫はワイン検定講師もつとめます。これからもおいしいワイン、いっぱい飲むぞ~!

twitter:@3000wine_tami
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