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[3000円ワイン]っぽいワイン、好きですか?〈スロヴァキア/リースリング〉

「箔のついたワイン」が好きです。

みんな、月食、見た?

それはたとえば、「あの!ドメーヌ・ルロワ女史がたずさわるネゴシアン、メゾン・ルロワのAOCブルゴーニュ!」とか。

「あの!シャトー・ヌフデュ・パプの名門、シャトー・ド・ボーカステルを所有するぺラン一族が造る、AOCローヌ!」とか。

「あの!ボルドー3級シャトー・ジスクールと同じ醸造チームが造る、”ほぼジスクール”、AOCオーメドック・ド・ジスクール!」とか。

有名生産者のいとことか、格付け畑のお隣の畑ブドウ使用とか、すごいひとから醸造を学んだひとが造ったすごいワインだとか――

そういう、「なんかすごいっぽいワイン」のこと、わたし、心から愛しています。

そう。だってわたしは、週末にコツコツと3000円ワインを飲み続ける3000円ワインの民。
「どめーぬ・るろわ」とか、「しゃとー・ど・ぼーかすてる」とか「じすくーる」とか、めったに飲めないわけですよ。めったにって言ったの嘘。1回も飲んだことない。言い慣れなくてひらがな表記ですよほんと。

でも、飲みたい、いいワイン。

だってわたしは、お手頃価格でいいワインを飲んで、「っぽい」気持ちになりたい、3000円ワインの民。しかもこの日の夜は、なんと442年ぶりの皆既月食+天王星食だそうじゃないですか。

こんなおめでたい夜には、箔のついた #3000円ワイン がぴったりなんですよ!

月とムルソー。(これは撮影用です)

シャトー・ベラ リースリング 2018[¥3300]

<ワインdata>
国:スロヴァキア 種類:白ワイン 品種:リースリング ヴィンテージ:2018 生産者:シャトー・ベラ(エゴン・ミュラー) インポーター:KFWアンリ・ジロー株式会社

<バランス>
酸味★★★★☆ 糖度:★★★☆☆ 香り:★★★★★

こちらのワイン、10月11日にリニューアルオープンしたワインマーケットパーティさんで入手しました。

おかえりなさい!

▶ ポッドキャストでも紹介しているので、よかったらお聴きください

さて、こちらのワインです。このワインはなんと、「あの!ドイツのロマネ・コンティと呼ばれるエゴン・ミュラーが、スロヴァキアで手掛けるリースリング」なんです!おおぉぉ、っぽい~~~~~!!!!

そうそう、このシリーズもありますよね。
有名生産者、別産地醸造シリーズ。「あの!ベガシシリアが、ハンガリーで造る白ワイン!」みたいなことです。

▶ これとか

ところで、この日ワインを飲み始めたのは、月食もほぼ終わりごろになってからでした。リモートワークの夫が珍しく家におらず、帰宅を待ちながら、なんとなく月を見ていました。

いろいろとこう、社会的にやらなきゃいけないこともあったような気がしますが、あんまりやる気が出てきません。結局ほとんど1時間くらい、夜空を見あげてぼんやりしてました。うーん、ま、月食だし、たまにはいっか…

満月が欠けていき、赤く染まり、そして再び生まれ来るという死と再生の不思議なメタファー。

そうこうしているうちに時間は流れ、月がまた輝きはじめ、「え、半月と月食って違うの?」などととぼけたことを言いながら夫が帰宅してきました。違うよ。

美しい「月時間」の夜。
たまにはこんなゆっくりと過ぎる夜も、贅沢ですよね。


さっ。月も見たし、夫もとぼけてるし、そろそろワインの時間です。
天下のエゴン・ミュラー様。いってみましょう!

ワインをグラスに注ぐと、思わず「おおぉぉ」と声がもれました。色が濃い。2018年でここまで熟成しているとは思えず、しかしはっきりとした濃いめのイエローに、酒質の強さが感じられます。

香りはまず、わかりやすいぺトロール香が鼻をつきます。ちなみにわたしはぺトロール香好き人間なので、感想は「ふふっ♡」です。

しかしぺトロールが前面にいるのは最初だけで、その後どんどん花の香りが、そして、次第に蜂蜜の香りが、グラスいっぱいに満ちていきました。

特にこの「蜂蜜」の香りは印象的でした。ホットケーキにかけるあの市販の蜂蜜というよりは、観光地にあるハチミツ屋、わかります?あそこで試食させてもらえる、とろっと水っぽい、花が限定されたこだわり系のハチミツ。
あの、「さっきハチが集めてきました!」感のある、あのハチミツの香りなんです。それがどんどん重量を増していき、後半は「蜜蝋」っぽい香りになっていくんですよ。

ワインをくちに含んだ瞬間、強い酸に気おされかけます。思わず「おっ、酸っぱ」って言ったくらい。じゅわじゅわ~と余韻にまで伸びる、厚みのある酸が広がっていきます。うんうんいいね、そこはかとなくドイツっぽい…!

で、これがまた温度があがるにつれて、いい感じの果実味とバランスを取るんですよね~。グレープフルーツみたいな果実感が、酸と調和して右肩上がりにいい感じになっていきました。

途中で気づいたんですけど、これ、アルコール度13%もあるんですね。
さすがリースリングというか、それ、ちょっとした赤ワインじゃん!っていうか。でもこれが全然、重さを感じないわけです。ジューシーな酸のおかげか、するすると飲んでしまいそうになる。

でもそれを押しとどめるのが、とにかくこの、ふわぁ…!と広がる蜂蜜と白い花の香りでした。グラスに鼻を近づけるたび、この「ふわぁ…!」で一瞬、手が止まるんです。

いやあ、いいワインでした。さすがエゴン・ミュラー大先生。「っぽいワイン」っていうか、「ちゃんと」美味しいワインだった…!

オルタナティブ・エゴン・ミュラー、堪能しました!

そんなわけで、平日の夜だというのに、3000円ワインなんて贅沢に飲んでしまいました。ま、いっか、だって今夜は月食だもの🌙

晴れたらワインを飲みたくなる。月を見たらワインが飲みたくなる。
それが、我々人間に課せられた宿命なんですよ。ウソ。ただいつでも飲みたいだけ。

▶ 美味ぇ美味ぇと飲んでいたら、Twitterで「エゴン・ミュラーがオーストラリアで造るワインも美味いですよ!」と教えていただきました。こちらも気になる…!

それでは、ここまでお読みいただいてありがとうございました^^
また次の #3000円ワイン か、 #ワ活 でお会いしましょう。3000円ワインの民、ますたやがお送りしました♪ 今夜もなんか飲むぞ~!

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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得、現在はWSETLevel3を英語で挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!

▶ 詳しいプロフィールはこちら!TwitterやInstagramもフォローお気軽にどうぞ♪

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