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エッセイ 迷探偵2次方程式コナンくん

そもそも、なぜ私はタイピングがここまでして下手なのだろうか。
何が私を下手にさせたのだろうか。

パソコンが悪いのか?
私が悪いのか?

「解はいつも2つ!」
ここで、2次方程式コナン君が登場した。
「えーとね、それはね、パソコンの老朽化とキミのヘタレ、以上だよ」

世間知らずな紺色ブレザー野郎がそのまま去っていこうとしたので、私は呼び止めた。
「いや、ちょっと待て」
続けて言った。
「確かに、それもあるかもしれんけどさ、もうちょっと言い方ってあるものでしょ?」

「そうやって、キミを誤魔化しても、ロクなことにならないじゃないか。現実を教えてあげることに感謝してよね」

「おい、クソガキ!」
遠くから野太い声が聞こえた。
酩酊中の毛利小五郎である。「テメェは、いつもそうやって生意気なんだよ」さらに、毛利小五郎はボソッと呟いた。
「それにオレはお前の弱みを知っているんだぜ」

2次方程式コナン君は慌てふためく。
「頭脳明晰なボクに何の弱みがあるって言うのさ?」

小五郎おじさんは、コナン君に迫る。「お前、自分の2次方程式をちゃんと理解してるのか?」

「バカにしないでよ……因数分解をやって、あれ?おかしいな?」

「落ち着け、因数分解が出来なければ、解の公式を使えばイイだけだろ?」と小五郎はさらにコナン君を煽っている。

「わかってるやい!うるさいなぁ。解の公式を使って、え?ウソ!」

「お前、自分のルートの中身見て、絶句したろ?」

「ルートの中がマイナス?」

2次方程式コナン君は自分の2次方程式を解いた結果、虚数解であったことが判明したのである。

それを聞いて、酩酊小五郎おじさんは爆笑する。「ガハハハ!!人に講釈垂れてる割には、お前自身は、虚数解だったんだなぁ!数直線上にお前の解は浮かび上がってこない!」

私もそれを聞いて、ほくそ笑んだ。

「キミのタイピングのことは、本当のことだぞ!」
「黙れ虚数解のクセに」私はギロリと睨んだ。
コナン君は落武者のように「ヒョエエア〜」と消えていった。

「得体の知らんやつ」私は遠く彼方へ消えるコナン君の背中を見つめる。「まるで、虚数みたいだ」

残った小五郎おじさんは私に尋ねた。「オメェ、何でここにいるんだ?つーか、オメェ誰だ?」

「パソコンのタイピングが駄目で困っているんです。すると、コナン君と出くわしたのです。」私は言った。

「ははぁん。そりゃあ、パソコンの老朽化とオメェのヘタレだろ?」

「ですよねぇ〜」
私は当面の目標は、タイピング技術の向上になりそうだ。

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