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大学時代のキックバック

筆者がかつて所属した大学の研究室で開かれた新入生歓迎パーティー(新歓)で、ノルマを上回る額を徴収した参加費について、収支報告書に記入せず、主催した筆者を含めた研究室メンバーへキックバック(還流)させていたことが、関係者の話で分かった。当時新歓に同席し、過剰な徴収を疑った新入生が大学の学生支援課に相談して発覚。複数のメンバーは、支援課の任意聴取に対し、「歴代の先輩から、余分に集まった参加費は別の飲み会に使えばいいと聞かされた」などと裏金をほのめかすような供述をしていることも判明した。

大学規則では、一回の新歓で10万円を超える参加費が集まれば、収支報告書への記入とそれを支援課に提出することが義務付けられている。

関係者によると、この新歓では、一人当たりの参加費2000円、参加者50人を想定し、計10万円を集めるノルマが課されていた。ノルマ未達を恐れた各メンバーは右も左もわからない新入生を籠絡し、参加費を本来の2000円から倍の4000円だとアナウンス。元来、参加者50人も新歓に来ると見込んでいなかったため、結果的に帳尻が合うと判断していたという。

しかし、新歓当日は想定通りの50人の新入生が来場。参加費の余剰を指摘する声があったが、4000円のまま徴収したという。メンバーの1人は「(参加費を釣り上げた)アナウンスの意図を説明するのが面倒だと執行部に言われた。収支報告書にも書くなと執行部の指示があった」と任意聴取で明かした。実際の収支報告書には「10万円 新歓参加費徴収額」と記されていた。現在、支援課は残る10万円が裏金にされたとみて調査を進めている。

受付で集まる20万円の参加費の多さに疑問を持った新入生が執行部メンバーに質問したところ、「コピー機を新調するため活用する」などと答えたという。コピー機は先月、故障により一台替えられたばかりで、収支報告書に記入済みだった。

執行部は研究室運営を担う室長、副室長、会計職の3人で構成され、「研究室3人衆」と呼ばれていた。副室長を務めた筆者は報道機関が提出した説明責任などを求める質問状に対し「努力 未来 a beautiful star」とのコメントを出すのみでとどまり、明言を避けた。

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