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#adtechtokyo 日本企業の「パーパス・ドリブン」はマネジメントの視座になっているか?

先日、東京にて行われたアドテックtokyoに参加してきました。
その中でも最も心に刺さったプログラムについてまとめてみたいと思います。
プログラムの内容を参考にしつつも、噛み砕いた内容にまとめていきます。

恥ずかしながらこのプログラムを知るまで、マーケティングにおいて使われる「パーパス」という言葉を知りませんでした。

パーパス・ドリブンとは

パーパスはモノの存在意義・志・スタンスといった、モノがこの世に生まれてきた目的であり、それを企業活動に活かしていくことがパーパス・ドリブンです。
モノに込められた想いをパーパスという共通認識として、マーケティング活動を行っていきます。

たとえそんなに特色がないモノであっても、そこに作り手、売り手の想いが重なればきっと顧客体験もよいものが作れると思います。

パーパスの4つの効果

パーパスを設定することによって、いろいろなメリットがあるのですが、ここではメリットを享受する対象4つに分けて考えてみます。

①社員のモチベーションアップ
パーパスという、モノがこの世に生まれてきた理由、そして顧客に届けなければならない理由が社員に腹落ちすることで、モチベーションがあがるでしょう。

②顧客満足度アップ
顧客としても、モノの機能性ではなく、想いを受け取ることができ、顧客満足度の向上につながります。

③企業の売り上げアップ
①、②の結果として企業の売り上げにつながります。
ライオンの例だと、パーパスを制定した5ブランドは4年間で22%成長したにも関わらず、制定していない5ブランドは-6%の成長となったというデータもあります。

④世界が平和になる
究極的にはパーパスが達成されることで世界平和につながります。
例えば「お菓子で人を笑顔にしたい」というパーパスがあったとすると、人が笑顔になるだけで世界はちょっとだけ平和になる、みたいな感じです。

パーパスがなぜこれらの効果を生むかは議論されませんでしたが、きっと
「モノがあふれる現代で、顧客が機能的な価値でなく、情緒的な面を重視するようになってきた」
からではないかと思います。


登壇した3社のパーパス

最後にライオン、マツダ、ゼクシィ(リクルートマーケティングパートナーズ)のパーパスを紹介します。

習慣をリ・デザインする
消費財を扱うライオンらしいパーパスです。
手洗いや歯磨きなど生活習慣に溶け込む製品を作るライオンが、それぞれの習慣をちょっとずつよくしていこう、と考えられたパーパス。

キレイキレイでは手洗いという親が子に口うるさく言わなくてはいけないものから、少しでも楽しい体験を、という製品や販売戦略をとっています。
NONIOでは口臭を防ぐ機能面をアピールするのではなく、口臭が気にならなくなることで「心の距離」を近づけて欲しいというメッセージを込めています。


Be a driver.
これはパーパスなのか?という議論もありましたが、マツダが数年使っているブランドメッセージです。
ドライバーとして走りを楽しんで欲しい、という想いだけでなく、自分らしく人生をdriveしてほしいという、車を超えた生き方までもが込められています。
マツダの独自性を上手く伝えられているパーパスです。


幸せが、動き出したら。ゼクシィ
最後にゼクシィです。
以前は「プロポーズされたらゼクシィ」というものでしたが、最近変更したそうです。
プロポーズという「点」ではなく、未来の幸せに向かっていくパーパスで、手書きの文字を見るだけでなんだかうるっときてしまいます。


おわりに

マーケティングにおいて、「想いを持って届ける」ということができないまま売り上げを作ろうとすると、どうしても押し売りに近い力技になりがち。
そうではなく、売り手も買い手も作り手も、みんなが幸せになれる「パーパス」を自社でも作って育てていきたいと思います。

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