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ムリヤリ部活に入れられ、NO.2の立場を押し付けられた話


私は高校生の頃、生徒会に所属していました。
なので部活は特にやっていなかったのですけれど、間もなく3年生に進級するというタイミングで、突然友人が『ちょっと、部活に名前だけ貸してくれない?』とお願いをしてきたのです。

「名前を貸すだけ? 何部?」
「部活って言うか、愛好会なんだけど」
「何の愛好会?」
「空手」

はて?
私は首を傾げました。
高校には空手部があったはずなのに、わざわざ愛好会を作る理由がわかりません。

でもこのあとで何だかんだで説得をされ、名前を貸すことになります。


すると後日、急に先生から呼び出されました。
空手愛好会を立ち上げることに関しての、話し合いをすることが目的でした。


私と友人の2人で、空手愛好会の顧問になることをお願いしていた先生と向かい合います。

気まずい沈黙が漂う中、先生が『舞砂』と心配そうに口を開きました。

「お前、本当に空手愛好会で副会長をやるつもりなのか?」
「は? え? 副会長?」

この時、私は初めて副会長という役職を与えられていたことを知ったのです。
名簿を見させてもらうと、確かに上から二番目に私の名前が書かれてありました。

そして細かい事情など何も説明されていなかった私は、顧問と友人の会話から、断片的に色々なことを察していったのです。

まず、空手部は暴力問題を起こして廃部が決まっていたみたいです。(生徒会なのに私はその事実を知りませんでした)
でもどうしても空手をやりたい人達がいる。
だからそういうメンバーで愛好会を作ろうとしたのです。
しかし暴力問題を起こした部員達は誰も信用されていないし、廃部になったばかりなので、普通に考えたら許可が下りるわけがない。
そこで生徒会役員だった私の名前と信用を勝手に借りることにしたようです。

正直言ってわけがわからなかった私ですが、友人のことを思い、全てを知っているかのように振る舞いました。
結果、紆余曲折はありましたが、愛好会は正式に認められたのです。(私が在籍していた1年間は一度も大会等には出場していませんが)


こうして3年生になった私は、空手愛好会の副会長というカタチだけの椅子に座らされることになりました。

最初は迷惑だと思っていたこの愛好会の副会長という立場ですが、後々私にとって、とても役立つことになります。


愛好会の副会長という役職のお陰で、成績に0,7点が加点されたのですね。
生徒会役員としての1,0点も追加されていましたし、評定平均が4,7だった私の評価は、TTLで6,4。(当時の計算方法なので、現在も同じかどうかはわかりません)

こうして私は、私立であれば大抵の大学で、ほぼ確実に推薦入試で合格するラインを超えることになったのでした。




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