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私は紙が好きだ。

紙そのものが好きというよりも、日頃から媒体としての紙の利便性の恩恵を受けていると言ったほうが正しい。

時代はペーパーレスに向かっている。
デジタルで代用できるならそれもいいと思う。
しかし、なんでもかんでもバカのひとつ覚えでデジタル化すればいいとは思わない。

たとえば、漫画や本などの読み物。
確かに web 漫画のお世話にはなっている。
私の場合は web 漫画だと記憶に残りにくい。
5 巻を読む頃には 1 巻の内容をほとんど忘れている。
無料での利用は 1 日 1 話などのシステム的な縛りも要因としてあるだろう。
しかし、私が感じている主な要因は、デジタルで読んだときの印象の薄さだ。
書いてある / 描いてある内容が、つまらない景色としてただ目の前を流れていくような感覚がある。
その点、紙として読んだときは、脳内に留まる深さや長さが違うと信じている。


何よりも紙を重宝するのは、何か複雑な問題について考えるときだ。
意外と実践している方は少なく感じるが、ぜひとも試してみてほしい。
慣れてくると、「考えるときに紙を使わないのは、絡まった糸を暗闇でただ眺めているようなものだ」と感じるだろう。
ポイントは 2 つある。

① 最低でも A4 の紙を使う。
② 綺麗に書くのではなく、思い付いた順にとにかく書き出すことだ。

そうすると、実は問題の切り分けができていなかったことに気付く。
問題を切り分けたら、あとは個別撃破するだけだ。

たったこれだけのことで、生きるのに必要な問題解決能力の底上げができる。
重ね重ね、深く思考する際は、紙を使うことをおすすめする。


最後に、限定的ではあるが、ちょっとしたコツをお話したい。
私は印刷会社に勤務していた時期がある。
もし皆さんが名刺を作ることになったとして、印刷会社の営業と話しているときに、「紙はどうしますか?」と聞かれるだろう。
その際、紙にこだわりがないなら、「特にこだわりはない ( ので、よく使われる紙で大丈夫 ) です」と伝えてほしい。
間違っても「白」と言わないでほしい。
アンミカさんではないが、白と言ってもいろいろあるのだ。
私は、やや青白いほうが好きなので、「ケント」という紙を使っていた。
どうせ紙にこだわりがある方はごく少数なので、私の名刺の「ケント」と、紙見本として「マットコート」など人気の紙を何種類から持ち歩いて、そこから選んでもらっていた。


なお、一般的に普通紙やコピー用紙と呼ばれる紙は「上質紙」、一般的に光沢紙と呼ばれる紙は「コート紙」というのが正しい呼称だ。
それぞれ適した用途があるので、調べてみると面白いだろう。

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