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ガラス張りの生態系

好きなモノシリーズ。
毎週火曜日にしようかなぁ……でも好きなモノ、特に半生賭けたモノを語ると、余計な情報になるかもなぁと悩み中。

今回は、アクアリウムについて。

アクアリウム。
魚だけでなく、甲殻類や両生類など水棲生物の飼育全般を指す。
水槽の中に陸地も拵えて、苔などを植栽したテラリウムなどもあるが、私は今のところ水中専門だ。
計 2 本の横幅 60cmの淡水水槽を管理している。

熱帯魚たちも大好きなのだが、その話は当たり前すぎるので、この記事ではもっと概念の話をしたい。

アクアリウムというのは、ガラス張りの中に生態系を作ることだ。
生態系を作らない管理方法もあるが、淡水の場合は生態系を作ったほうが遥かに管理が容易だ。
この生態系というのは、目に見えない世界から始まっている。

現在主流のの水槽管理方法では、概ね「フィルター ( 濾過器 ) 」を使っている。
水を循環させて、汚れを濾し取り、綺麗にするための装置だ。
物理的に濾し取る作用もあるが、「生物濾過」というものが重要になる。
ものすごく簡単に説明すると、魚のフンなどから発生したアンモニアを、バクテリアの力で極力毒素の少ない物質に分解することだ。
ただ、この分解後の物質も溜まれば毒になるので、人間が水換えという作業によって水槽外に汲み出す、という流れになっている。
フィルターという装置の中に、分解してくれるバクテリアを住まわせるのが水槽作りの第一歩であり、重要な点だ。

バクテリアが分解した物質の一部は、水草の栄養になる。
そうすると水草が育ち、水槽内の生物の隠れ家になり、見た目にも鮮やかになる。
運が良ければ、その環境で魚が繁殖することもある。

この自分だけの箱庭を創る感じがたまらないのだ。
生殺与奪を握っているかのような言い方だが、現在人工孵化させた稚魚に振り回されている。
嬉々としてお世話させていただいている。


アクアリウムの好きなところがもう 1 点ある。
必ず原因があって結果があることだ。
何か変なことが起きた場合には、必ず何か原因がある。
原因が解明できないこともあるが…

たとえば
水の色も匂いもおかしくないし、設備も問題ない。
なのに魚たちがどうも調子が悪い。
調べてみたら、飾りで入れていたアクセサリーが珊瑚でできていたために、水がアルカリ性に偏っていた。
中にいる魚たちは弱酸性を好むので、水質が合わずに弱っていた。

これはわかりやすい例だが、何かあれば必ず原因がある。

トラブルが起きないように管理する
トラブルが起きたら原因を追究し、解決する

これらがまた、たまらないのだ。
日常生活で、これほどまでに成果が上がる行為はなかなか見られないのではないだろうか。


ここまで、割と業務的?な要素ばかり話したが、「見た目を美しくデザインする」という要素もある。
コケまみれの水槽を掃除するとか、そんな初歩的な話ではない。
なんせ毎年水槽のデザインのコンクールが開催されているぐらいだ。
これはもう見てもらったほうが早いだろう。


つまり、「アクアリウム」という 1 つの趣味で
・生物
・生物の飼育
・植物
・植物の栽培
・科学
・化学
・デザイン
など、たくさんの要素を楽しめる。
必要なものを DIY する方もいる。

1 人で完結できる趣味なのに、比較的自由度の高い創作ができるのがとてもいい。
ちなみに、私はプライベートのアカウントではそちら方面の方々と情報交換をしていたりするから、人との繋がりも意外に持てたりする。

私の住む地域では専門店がどんどん減っている現状があるが、頑張っていただきたいところだ。

以上
本日はこの辺で。

ありがとうございました!


余談
巷ではまれに「ミネラルたっぷりの軟水」という触れ込みの浄水器などがある。
じゃあミネラルとは何かというと、主成分はカルシウムとマグネシウムであり、それらがたっぷり入った水は硬水だ。
もっとも、アクアリウムで言う軟水硬水と、一般的な軟水硬水は違うらしいが。

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