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第4期将棋V名人戦 B級猪組 弥院快志戦

A級昇級を決めました!!!

2021年11月09日(火)、第4期将棋V名人戦B級猪組の第9局。一宮の最終局はB級猪組の優勝者を決める大一番でした。間違いなく一宮の将棋人生でもっとも緊張した戦い。振り返ります。

対局準備その1ー対弥院さんの考え方

例のごとく一宮は対戦相手の棋風を分析するところからスタートしました。弥院さんの棋風は一言でいえばごりっごりの攻め将棋。おそらくはV名人戦出場者の中で隋一の攻め重視の棋風の方だと思います。

定跡を好まず居玉で戦うことも厭わないスタイルで、特に序盤の切り合いに優れている印象でした。早見え早指しの力戦派で攻めさせると手が付けられない棋風です。

そんな弥院さんとどう戦うか。まず最初に、対弥院さん向けの対策は不可能と判断しました。振り飛車、特に四間飛車がお好きというのは棋譜を見てて分かりましたが、とにかく力戦派のため対策が絞りづらいと感じたためです。同じ振り飛車党でもそるこりさんとは全く違ったタイプで頭を悩ませました。

一宮の将棋の弱点の一つはメンタルの弱さにあるなと思います。こと日常に関してはメンタルが弱い方とはそれほど思わないのですが、将棋になると顕著に表れます。それが出たのが日比谷響さんとの対局であり、想定外のことに弱いです。

弥院さんとの対局は事前に予測不可能でありメンタル的に劣勢にならないか。そこが不安でした。(特に一宮は後手だったので)

対局準備その2ー戦型選択

さて、そんな弥院さんとの対局ですが、ある程度は差し手を決めないとと思いました。採用率が高いのは四間飛車です。そのため某お嬢様から「味を占めている」、某将棋Vリスナーひよこから「ますみんの代名詞」と評された右四間飛車穴熊をメインで考えていました。(V竜王戦でお嬢様が右四間エルモで弥院さんに快勝していたのも理由の一つ)

問題は弥院さんが力戦メインのため戦型誘導ができないリスクです。右四間飛車の形にする前に攻められることも想定しなければなりません。そこで弥院さんの棋譜を分析すると

・初手は7六歩の採用率が非常に高い
・それに対し3四歩だと6六歩と角道を止める率が高い

この2点に気づきました。おそらく序盤の角交換をそこまで望まれない棋風だと思います。これにより2手目で3四歩と指すことで超急戦・力戦にはならないのではと判断しました。ここから弥院さんが四間飛車+美濃囲い、一宮が右四間飛車+穴熊(or美濃囲いを想定)で戦うことができるというのが対局前の想定でした。

最終調整の詰将棋配信で分からされる

そんなこんなで対局前の準備を終えた一宮は、過去の2戦で勝利を収めたV名人戦前に3手詰を解くという必勝ルーティーンを行うことにしました。前2回と同じくもちろん配信でやります。

例によって雑に3手詰をやっているとチャット欄に今一番気になるお相手の名前が、、、

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いや、対戦相手きてもーた。。。

はい弥院さんが見に来てくださりました。(なお前回のそるこりさん戦のときも同じく3手詰配信にそるこりさんが来場されてました。B級猪組のフットワークの軽さ笑)

そして例によって一宮が3手詰に大苦戦していると、、、

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はいぃ...

対戦相手に答えを教えられ終盤力の差を見せつけられる一宮さん。

チャット欄もこのありさまです。

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これって一宮の弱点、バレてますよね。。。
そうなんです。一宮の弱点は圧倒的な終盤力のなさなのです。

一宮真純は将棋ウォーズの3分切れ負けで切れ勝ちのみで初段に上がったといっても過言ではない男です。一宮にとって将棋は将棋ウォーズであり勝利とは切れ勝ちでした。そんな将棋(?)を指してきた一宮は中盤力はそれなりに身についたと思います。ですが全く養われなかったもの。それが終盤力でした。

だって詰まさなくていいんですもの。切れ勝ちが確実なんですもの。そんな将棋ばかり指していた副作用は今も一宮の明確な欠点としていくつか残っているのですが、その一つが対局前に対戦相手に露呈しました。

対局本番

さて。そんな事件もありながら本番を迎えました。第1局のアクセラさんとの対局以来、久しぶりに緊張した一宮ですが、弥院さんの初手7八飛で計画はすべて瓦解しました。

といってもその後の指し手で右四間飛車穴熊に組むことはできたので序盤は満足かなと思いました。少なくとも急戦・力戦にはならなかったと。

そう油断した瞬間でしたね。弥院さんの猛攻が始まったのは、、、

そこからの展開は本譜をご覧ください。感想戦を含めるとかなり一宮が危ない橋を渡り続けている(というかつるし桂の筋されたら多分、終わってた)対局なのがよく分かりました。なんとか、なんとか猛攻をしのいで反撃に転じ、そこからは形成が揺れ動きながらも最終盤でなんとか勝ちになりました。

、、、終盤に直前に散々練習した3手詰を逃すというおまけ付き。中継配信のアーカイブは見ましたがチャット欄はまだ反映されていなかったので、反映後に見るのが怖いです。

局中、勝勢を意識して手が震えました。そして勝利の瞬間は安心とうれしさでいっぱいでした。たぶん今までの将棋の勝利で一番嬉しかったと思います。やっぱりV名人戦は特別なんですね。本当に最後まで感情が揺さぶられっぱなしでした。

そんなこんなで一宮の最終局は終わりました。

V名人戦の自身の対局を振り返って

ここからは少しだけ真面目に。まだほかの対局が残っているので終わったムードを出すのは適切ではないですが、一宮の対局は終わったので少しだけお許しいただければ。

一言で。楽しかったです。本当に楽しかったです。

本当に失礼ながら、今まで勝ち負けに対してそれほど感情が動かなかった将棋にここまで熱くなれるとは。

敗戦の悔しさを知ったアクセラ戦
自身への怒りに震えた日比谷響戦
勝利の喜びを教わったそるこり戦
大会の楽しさを感じた弥院快志戦

喜怒哀楽のすべての感情を味わいました。なかなかそんな体験はできません。全4局のすべてが印象的で素敵な体験でした。

何よりB級猪組は本当にいいメンバーでした。みなさんの棋風が違うという将棋としての一面はもちろん、単純に人(+ペンギン)として良いメンツが集まったと思います。この4人と同組になれて良かったです。本当に楽しかった。

そして、これは視点配信でもいったのですが将棋Vさん、将棋Vリスナーの皆様に心からの感謝を申し上げます。将棋V名人戦が始まって一番将棋配信をしたVtuberの一人が一宮だと思いますが、それは皆様が見てくださったからです。皆様が挑戦してくださったからです。

本当にたくさんの方に何局も教わりました。配信外で指していただいた方やアドバイスをくださった方もいます。

皆様がいなければ間違いなくこの成績は残せませんでした。この3ヶ月で強くなれたからこそ、この昇級はつかみ取れたと思います。本当にありがとうございました。

軽薄な一宮の言葉なのでどこまで本気で受け止めてもらえるかわかりませんが、少しでも感謝が伝わるといいなと思います。

終わりに

まだまだ第4期将棋V名人戦は終わりではありません。このあとは一宮も一将棋Vリスナーとして楽しませていただきます。

サムネイルイラスト:Pallad先生(@󠀁Pd_pallad)


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