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たからものnote

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素敵なクリエイターさんたちの素晴らしいnoteをまとめています。
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#日常

305歳のクリスマス会

父の姉のところに顔を出しました。 90歳の叔母は一人暮らしをしていますが、とうとうその暮らしにピリオドが打たれることになりました。 本人はまだ知りません。 遠方に住む子供達が、自分達から話をするというので、もうこれが最後。という覚悟は自分のうちに秘めて、叔母の家を訪問しました。 ちなみに、一人暮らしの叔母の家に行く前に、 もう1人の叔母をピックアップします。 叔母が渋滞します。棲み分けがわかりやすいnoteがこちら。読むとわかりみが深くなりますが、読まなくともイメー

私を好きな母のこと

私の母は、私のことがとても好きだ。 それは当たり前ではなく、恵まれたことだと知ったのは、随分と大人になってからだ。 私の母は、我が家の嫁姑のいざこざについて、 私が弱音や愚痴をこぼすと、烈火の如く怒る。 私の憤りを軽く越えるために、あまり口にしないようになったし、笑いに加工してから提供するようになった。 今になって、義母がぽろっと本音をこぼした。 「たまに会うと、お母さんに睨まれて怖かった…。お母さんは、そりゃ、自分の娘を取られたみたいで、さぞ面白くなかっただろう

そこにあるもの

先日、宅配牛乳のモニター案内が来た。 時々やってくるそのお願いは、 うちは注文しません!といくら跳ね除けても 飲んでアンケートを書くだけで良いので。 と強行だ。 牛乳や健康にいいと言われる アルファベットやカタカナが溢れたラベルが ついた乳飲料とともに玄関に置いていかれる。 私が子供の頃、実家は牛乳配達と、駄菓子屋で生計を立てていた。 牛乳瓶を見ると、裏のお宅に私が三輪車の後ろに牛乳を乗せて配達していた姿が蘇る。 すごく褒められて得意になった。帰りにおやつ

何でもない日の墓参り

「だいぶ耳も遠くなって、電話してもちぐはぐなんだよ。俺達は今年は行けないから、お前が時間がある時に、墓参りがてら様子を見てきてくれないか?」 「お安い御用だよ。」と了解した。 電話の相手は父だ。 若き日の父が、嫌でたまらなく飛び出した 生まれ故郷のほど近くに私は嫁いでいる。 因縁、引き寄せ、巡り合わせ。 いろんなことを人に言われたが、 私はばあちゃんに呼ばれたと思っている。 ばあちゃんの帰りたかった場所に 私が代わりに帰ってきた。そう思っている。 私が住む

記念日にふりかえって、変わらないことを、想う

5 年前の今日、結婚した。その日、手の届くところがないような、上という上がないほどの、つきぬける青空だった。今日の青空も、そのときのように、広く、心地よく、澄み渡っている。 5 年前には、今日、いまどんな暮らしをしているかなんて想像もしなかったけれど、あのとき青空を見上げながら、この先絶対に大丈夫、と根拠のなく持った確信は、守られ続けてきたと感じる。 結婚した当日のことも、8 年半前に夫とはじめて出会った日のことも、すごくよく覚えている。 夫と出会った、ということがなけ