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2020.08.24徒然なる忘備録

8月24日(月曜日)
日々の記録

朝出張所に住民票取りに。
やっぱり歩くとまだあつい。

かけこみ(かけこみばっかり)できょうまでの展示を観に国立新美術館へ。

古典×現代2020 - 時空を超える日本のアート

国立新美術館

いま自分が作るモードだからか、グッと来たのは川内倫子、田根剛、鴻池朋子作品。どの作品も根底に分断、祈り、死生観を表現している作品。

(私は生を希求しているのか?)

川内倫子さんの展示は、花鳥画と呼応するような写真作品と映像の展示。「生」の営みだけでなく、その対極だがぴったり寄り添う「死」の儚い匂いも感じさせる素晴らしい展示。
川内さんの作品を観るといつも抱く感情がある。それは「懐かしい未来と、新鮮な新しい現在」
対象を見つめる眼差しは優しさだけではなく、残酷な絶望も諦めも内包している。
それゆえ作品に表れる、光の描写とそれを包む空気、存在する(かつてしていた)もの達それぞれの時間軸が四方八方に交差し、時間の概念をぴょんと超えて映し出された世界線にいつも圧倒される。(うまくまとまらないけど)

鴻池朋子さんの展示はとにかく大きさに圧倒される。
刀剣と共に展示。かつて刀(刃物)によって切り裂かれた動物の皮に生物の営み・輪廻を感じる絵画。色々考えが巡って、この作品はなかなか言語化ができない。

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田根剛さんの展示(日光・月光菩薩を展示したインスタレーション)で「天台声明」というのを知る。心が落ち着き、思考が丹田にグーーーっと集中していき、宇宙に拡散されるような感覚。
毎日、一日中聞ける。タカモト先輩(ちょうど天台宗!)にお話を伺ってみよう。

横尾忠則作品とか良かったのだけど今回は次点。
感情を揺さぶられたのは上記の3つだった。

物販コーナーを最後にさらっと見て回る。
今回グッズがありきたりの種類でイマイチ。
アート体験の仕上げとなるようなエモみ(いとをかし感ね)のあるグッズは今回はなし。(と、ここで主催のクレジットを見て少し納得)
体感・没入感もあり、感情にも切り込んでくる展示だっただけにちょっと残念。同じアイテムでも違う切り口で制作されてたらなぁ。
種類は、ポストカード、マスキングテープ、Tシャツ、トートなどの袋物、バッチ。ロールメモ、マグネット、缶入りチョコレート(チロルっぽいの)

そういえば、アート界隈は最近布バッチばかりで、缶バッチ少なくなってきたように見受けられる。(私が行く展示で取扱が多いだけなのかな)ロットとか詳細わからないけど、布バッチ汚れやすいし作品のディテールが布目でケンカするものもあるから普通の缶バッチの方がうれしいなぁと思う。

鑑賞後は地下のカフェテリアでごはん。ここは大学の学食(MAU12号館下)の雰囲気に似ていてとても落ち着けるので、空いているといつも立ち寄って休憩してしまう。

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これ、給食みたいいちばんすきなメニュー。展示とのコラボメニューで気になるのがない限りだいたいこれを頂いている。鶏肉のクリーム煮プレート650円。
ごはんをいただきながら展示を反芻して感想や解釈などなどを深める。

今日は三時半から観て、カフェでの休憩含め閉館まで居座ってしまった。

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湿度が減ってきたのか、それとも車が少なく空気がキレイなのか、月がとてもはっきりと見える。

このまま六本木から渋谷まで徒歩移動。(昔六本木で働いていたので、六本木⇄渋谷の徒歩移動は全く苦でなくなった)ずんずん歩いて進む。途中閉店しているお店が多く切なくなる。

色々リサーチついでに青山ブックセンターに寄り道。積読解消していないのにまた欲しい本が増える。思考の拡張とともに本棚も広がる。色んな人の選書を見ると、これもまたインスピレーションが湧く。

《気になる本忘備録》
●数学する身体/森田真生(新潮文庫)
●差別感情の哲学/中島義道(講談社学術文庫)
●未来を作る言葉 わかりあえなさをつなぐために/ドミニク・チェン(新潮社)
●コンヴィヴィアリティのための道具/イヴァン・イリイチ(ちくま学芸文庫)
●暇と退屈の倫理学/國分功一郎(太田出版)
●日本の民俗 祭りと芸能/芳賀日出男(角川ソフィア文庫)
●植物は<知性>をもっている/ステファノ・マンクーゾ他(NHK出版)
●植物園の世紀 イギリス帝国の植物政策/川島昭夫(共和国)
●ウィトゲンシュタイン明確化の哲学/大谷弘(青土社)
●思弁的実在論入門/グレアム・ハーマン(人文書院)
●偶発事の存在論 破壊的可塑性についての試論/カトリーヌ・マラブー(法政大学出版局)
ウェルベックも読みたいんだけど、小説も順番待ちがたくさんあって手が出せない…。


書店に数十分いただけでこの量の本を読みたく(欲しく)なってしまう。脳と書棚がいくらあっても追いつかない。制作のインプットともなるが、知りたがりの好奇心と、自分の中にある知をより深化・多様化させたい欲求にあふれている。幾つになっても変わらない。


久しぶりにまとまった量の文章になった。
前のものを見返すと文章量の差が激しい。なかなか面白い。

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