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立甲と翼状肩甲のリスク

こんにちは、増田整骨院院長の増田です。

今日は、巷で流行りの「立甲と翼状肩甲」についてお話させて頂きます。

僕は生まれつきの「肩甲骨不安定症」があります。今はリハビリにて改善していますが、めちゃくちゃ悪化した出来事があったんです。

それが、立甲だったんです。その前に立甲についてに知識がない方への説明しときますね。

立甲って何?

「立甲の定義とは、基本的に肩甲骨を立てることです」 通常、肩甲骨は背中にへばりつくようにくっついていますが、実は肩甲骨は「天使の羽」のように立てることができるんです。

これができると、高岡英夫氏がおっしゃるように「肩甲骨と上腕が一体となり運動においてパフォーマンスが上がる」

簡単にいうと、肩が剥がれていると、なんか肩甲骨の柔軟性があってチーターみたいで動きやすそうだね!ってことです。

これを見て勉強したPTやトレーナーや武術系の人が。見た目のインパクトを求めてとにかくインナーアウターの筋肉だろうが剥がしまくって注目を浴びてきた歴史があります。

普通の人がやる分には、前鋸筋の収縮さえあれば効果はあるんですが・・やはり万人に合う運動やリハビリってのはなかなかないんですよね(汗)

翼状肩甲の人はやめた方がいい理由

なぜ、肩甲骨を動かして剥がすことをオススメしないか?

理由は、肩甲骨の浮き加減だけ見ると、翼状肩甲と立甲と全く区別出来ないから。

だから、この見た目のインパクトと肩甲骨が剥がれること。また、ストレッチ感に負けて立甲を過剰にしてしまう。

それが「肩甲骨の不安定性を生む」ことになるんですね。最悪の場合は、酷い背中の痛みや痺れや代償による肩こりなどに襲われることになります。

翼状肩甲の問題は前鋸筋弱化だけじゃない

肩甲骨周りに特に内側に関しては、3つの筋肉インナーシートになってます。

①肩甲挙筋と前鋸筋上部
②菱形筋と前鋸筋中部、下部

この上部がインナーとして筋膜のシートのように協調して動いています。個人的には拮抗筋だから、一方を鍛えるというのも違うと思います。

肩甲骨はあくまで胸郭の上を滑っているので、もちろん背骨の湾曲にも影響を受けますし、そんな筋肉の押し引きの単純な話ではありません。

しかし、ネットで調べると、ほぼ100パーセント前鋸筋のトレーニングがヒットします。プランクや腕立て伏せがその1つですね。

しかし、肩甲骨の周囲の筋力が萎縮していたり、翼状肩甲が長いと肩甲骨の下方回旋や外転が酷すぎて弱っている場合があります。

この場合は筋肉を逆に引き伸ばして症状を悪化させる効果になってしまう場合もあります(やたらと肩甲骨を張り出す、外転させるアドバイスが多いため)立甲もその内の1つです。

立甲をやってはいけない3パターン

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​①立位で肩甲骨の内側が浮いている人

このタイプの人は、立っている状態で肩甲骨の内縁が浮いている人が多いです。女性に多く、僧帽筋や菱形筋が弱化している人ですね。

姿勢でいえば「平背」「スウェイバック姿勢」です。整形外科では、首の前湾がないストレートネックの人です。

仕事でいえば、デスクワークの人にも多く見受けられます。最近では、子供でも遭遇するので驚きです。こういった人は、まず、背中を伸ばすような肩甲骨ストレッチ系は危ないといえます。(あくまでも目安として、肩甲骨が浮くことを基準にしてくださいね。)

②肩を下ろしていく際に上肢の重さに耐えれなくて肩甲骨が浮く人

これは、①の状態では見逃されやすいパターンです。見た目が普通の肩甲骨だからですね。

本来であれば、肩甲骨が固定されてから、上肢の動きが出るんです。

しかし、この場合は肩甲骨と腕が一緒にくっついて、肩甲骨がグラグラになっています。壁を押したりしても肩甲骨がボコッと出てきます。

あげている手に抵抗をかけてみるのも1つの目安になるでしょうね。隠れ翼状肩甲のパターンです。非常に多いです。

③腕を押しても内側縁が引っ込まない、三角筋や腕がだるくなってしまう場合

これも上記に追加なんですが、プランクや体幹トレーニングの際に腕立てや肘で押しても、一向に肩甲骨がへっこまない、またはへっこむが異常に疲れるなどの現象が見られます。

四つん這いも苦手で、すぐに天然の立甲状態になってしまいます。このせいで、「柔らかい」と勘違いされるパターンが多いですね。しかも肩周りが異常にだるくなりやすい。

以上上記3点に当てはまる人は「翼状肩甲の可能性が高いです」

全部当てはまる人は、立甲のトレーニングや肩甲骨剥がし、プランクなど控えた方がベストかと思います。ただ、軽いストレッチ感覚でやる分にはいいです。

翼状肩甲は鍛える順番を大切にして

別にトレーニングをするなっていうつもりはありません。しかし、人間の体には個人差があって病的な状態であればあるほどトレーニングの効果が逆効果になってしまうことがあるとお伝えしています。

ですので、前鋸筋トレは正しいのですが、萎縮していたり弱っている人はプランクや四つん這いすらできませんよといいたいのです。

ですので、翼状肩甲を治した順番をお伝えしたいと思います。

鍛える順番について

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①外転している肩甲骨をまず活性化して戻すこと(菱形筋など内転動作)

②そのあとで、僧帽筋のトレーニングをする(上部背筋も同時に)

③壁を押したりしてみて脇腹内側が動く感じor肩甲骨が凹む感じが出てくる

④ようやく、膝つきプランクや立位での肘壁押しプランク

⑤プランク腕立てレベルから健常者へ

このようなステップで綺麗にいけば「3ヶ月程度で回復してきます」

神経系のトレーニングになるので、筋肉痛が出ても気持ち良い程度です。

姿勢も改善してきますので楽になっていきます。逆に刺激が強いと間違っている可能性もあります。

あくまで、上記の翼状肩甲の目安になるのですが個人差があります。しかし、僕が言いたいのは健康に良いと思っていても、自分の体の状態を把握していないと病的な状態を促進してしまうこともあるよってことなんです。

最後までお読み頂いてありがとうございます。この記事が参考になれば幸いです。良ければ、高評価などよろしくお願いします。

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