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【実践研究】学習者の自己評価はどのように変わるのか?なぜルーブリックを使うのかを考えよう

実践研究の発表をしてきました

2023年7月末、日本語習熟論学会で授業実践の発表をしてきました。
研究のタイトルは「書くこと」についてになっていますが、今回発表したのは、子どもたちがインタビュー活動をして、それをどのように自己評価するのか、ということについて考えた箇所です。

最近は、ルーブリックについてよく考えています。僕自身は日頃、子どもたちに「何ができるようになったか?」「今何ができているのか?」を自分で認められるようになってほしいと思っていています。
が、それをファシリテートするには、まだまだ難しいことばかりです。

そんな興味も相まって今回は、

  • 子どもたちが自分の学習活動を評価するとき、どんなことに着目しているのか

  • どんな要因があると自己評価が上がったり下がったりするのか

を調べてみることにしました。
これがわかってくれば、子どもたちにルーブリックを示すときに「どんなことに目を向ければいいのか」を伝えてあげられるかな?と思っています。

短い発表資料ですが、お読みいただいたらぜひ感想等を教えてください。

増田一暁・宮城信(2023)「「書くこと」の自己評価を高めるための授業の研究ー学習者・指導者のルーブリック評価を対照してー」『日本語習熟論学会第2回年大会研究発表予稿集』pp.53-60(https://sites.google.com/view/nihongosyujukuron/大会関連/予稿集

↓発表で使ったスライド↓


ルーブリック?それともポートフォリオ?

そしてこの実践をしている中で、いろいろな人の意見を聞きたいなと思っていることが出てきました。それは「ルーブリックであるべきか、ポートフォリオであるべきか」ということです。

ルーブリックは、共通の到達度を示して、それを対照して自分の”位置”を知るものとして使っていますよね。目指すべきところがあって、そこに向かってどう進むかが示されるということですが…
子どもに投げっぱなしにしていれば、それは子どもの活動を制限してしまうものになりかねない、という危惧も感じています。

例えば、ルーブリックに照らした現状が8段階中4の子どもがいたとして、その子は「4が取れた」ということに目を向けられるでしょうか?
大抵「あぁ、8段階で4って全然できてないじゃん」と受け取ってしまうと思います。
逆も然り、「お、7もあるならいいか」と思ってしまえば、そこで学びが止まってしまいます。

それに、ルーブリックはいつもひとりひとりの現状に最適なステップを示しているとは言えないと思います。必ずしも順番通りに進むとは限らないし、もっと細かいステップも必要なはずです。

そこで教師は、ひとりひとりの子どもが、ルーブリックでは表れないような「どんなことができているか」と「どんな課題があるか」を把握し、フィードバックできるようにすべきで、それこそ教師の専門性なのだ、と思っています。でも、それだけで子どもたちに Lifelong Learner としての力が身につくのでしょうか?

そういう意味では、自分のポートフォリオを残すという作業とルーブリックによる到達度評価を連動させることがとっても大事なのではないか?と思っています。

ポートフォリオをうまく使っている学校さんはたくさんありますよね。
今後は自分でも、そういうことに挑戦してみようかな、と思います。

増田 一暁(ますだ  かずあき)
栃木県宇都宮市出身 平成9年生まれ
IB認定校 探究部主任 / 国語科教諭
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