17日目 気管切開チューブの交換
痰の吸引でむせこんだ、ムセコンダ。ちょっと吐いた。朝から不安な気持ち。吸引カテーテルをどのくらい奥まで差し込むか、どのように動かすか、とっても繊細な行為を看護師さんはしてくれる。私は痰を少し上げる事ができたので、吸引時にできるだけ浅いところで吸ってもらえるように、息を強く出すようにしていた。それでも痰がかたかったり、吸いづらかったりして、吸引カテーテルがのどを刺激すると、むせまくってしまう。看護師さんは悪くないのに、申し訳なさそうにさせてしまって、こちらが申し訳なく思う。痰の吸引をする前、かならず「浅めでお願いします!」と書いたホワイトボードの文字を見てもらうことにしていた。吸引する看護師さんは嫌な顔せず、笑顔で「浅めね^^」と言って気をつかってくれている。
痰がチューブにつまっているかもしれないので、のどにささっているチューブを交換することにした。昨日の紐交換だけでオエオエしてたことを考えると、恐怖しかなかった。交換は看護師さんではなく、先生が行った。救急搬送された時に私の手をにぎって「助かるから、大丈夫」と声をかけてくれた女医さんだった。
交換はしんどかった。案の定、吐いた。そのあと食事が来たので、恐る恐る食べたが、だめだった。気持ちが悪くて、というよりは、むせた勢いが強すぎて。私を担当してくれている若くてかわいい女性の研修医さんが分析するに、反射が敏感になっているからでは、と。むむむ。
午前でこれだけのことがあったので、今日は早々に疲れてしまった。
午後のレントゲンも、何もかも気が重かった。夕方、母と夫がお見舞いにきてくれた。その時は超安静モードだったので、なんとか大丈夫だったが、生きた顔ができなかったので、心配かけたと思う。
嚥下リハビリをしてくれている言語聴覚療法士(ST)さんが、食事ができない私を心配してカロリーメイトゼリーを持ってきてくれた。いつでも好きな時に栄養をとれるようにと。とても、ありがたかった。早速喜んでいただいたけれど、あとから胃の不快感が高まり、我慢したけど生理的欲求には勝てなかった。
この夜は今までで一番眠れたんじゃないだろうか。3時間毎に痰の吸引が必要だったけれど、寝苦しさはあまり感じなかった。胃はからっぽなのでギュルギュルしていた。そうこうしているうちに、夜が明ける。
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