TSUTAYAが終わる光景、昭和バブルのなれのはて

こんばんわ、お疲れ様です。

毎年いろいろと体制に手をいれている(その手はもちろん創業者個人)会社なのに今年はこんなかたちで扱われるのだなあ、と思いました。
多分、なかにいる人は特に違和感のない変更だと思います。
TSUTAYAはご存じの通り、本屋と貸レコードから出発し、映像はVHSテープからDVDへ、音楽はレコードからCDへという変化をうまく取り込み、一人勝ちのレンタル市場を作ってきました。
創業者である増田さんは「業界の風雲児」と呼ばれた、というのは使い古された紹介ですが、今やそんな風には言わないのでしょうね。

創業者は昭和26年、団塊の世代である。71歳となられるだろう。
その息子さんが専務で、同期の二人は25年以上CCC一筋、TSUTAYA増田商会のエリートが集団経営で、次のCCCのかじ取りをしていこう、しかし外的環境は悪化しているなかでは今後の見通しは楽観視できない、というのが上の記事。
読後に、ZホールディングスがCCCの経営の柱となる「Tポイント」から離脱、ENEOSも立ち上げ当時からの協力関係にあったのだが他のポイントも併用する体制に移行、いつの間にかゲームはCCC抜きで再構成されていた、という風景の中で、再びCCCがマーケティング企画会社としてユニークな存在になれるのか、そういう疑問がわいてくる。

https://www.hira2.jp/open-close/tsutaya-20220215.html

全国各地でそれまで繁盛していたTSUTAYAの店が閉店しているのはもうありふれた話である。ここ数年、毎年100店舗程度の店がなくなった。かつてのCCCの本社があった恵比寿ガーデンプレイスの店、新宿の店などがなくなり、衰退は明らかである。東香里の記事を引用したのはこれが増田さんの地元、枚方の店であるからで、ああ、そこまで、という感じがしました。
枚方には他にもTSUTAYAはあるからその一角が崩れることを重くみることはないのであろうが、そういう経済合理性を覆して、あっと言わせるのがCCCであり増田さんだったように勝手想像していた。だから個人的にはなにか大きな変質、方向転換があったのだろうか。
それがここにきて集団経営へ移行、という大きな記事。
個人商店が、組織だった会社に変身なのか?そのためには経済合理性も考えるということか。
ここ数年、CCCは増田さんの指揮のもと、逆張りしてきた。
一言で言えば、ネットよりリアル、であった。振るわない書店チェーン、出版社、カメラのキタムラまで傘下に収め、そのたびに規模の拡大によるシナジーの創出、書店がなくなることに文化的な危機への対応、などと説明していたような気がする。
そのゆえに、TSUTAYAの書店ネットワークの販売高は史上最大の金額となり、キタムラも再び利益がでる会社になった、ようである。
私は仕事での依頼で、国内での映像や音楽の消費傾向について分析することを数年来手掛けている。そのせいでTSUTAYAのことを少し詳しくなっており、勝手な評価としてはもうCCCがアウトパフォームすることはないだろうとみている。
増田さんが一代で築き上げた帝国である。
その財は別管理である。

TSUTAYAがこの国において、映画や音楽を通してさまざまな体験を安価で提供してきたことは間違いがない。絶大であった。
それはバブル崩壊から続くデフレ経済のもと、情報化社会の進展の波にもうまく適合し巨大なビジネスに成長できた結果ももたらした。
増田さんがTSUTAYAを創業したのは1983年である。昭和から平成、そして令和となった。
悪いことよりも良いことが何万倍もあったことは、才能であり努力であり執念であり、ほんのちょっとの運だったかもしれない。縁ともいえるかもしれない。特別なものだった。
デジタル化、グローバル化、フラットする世界に変わってしまった。昭和の立志伝は再現は難しいだろう。バブルってやつでこの国の運は使い果たされた、それがとてもはまる会社がCCCであると思うのである。

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