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棚草子【ほめてほしい】

私自身のことを客観的に分析できているわけではないけれど、過去と比べてみて、少しずつ大人になってきた。

欲求を、以前よりは冷静に見つめられるようになってきたから。承認欲求がやや強い私は、同時に、『見てほしい』欲求から行動することがあった。

頑張りすぎる、ストレスがたまると過食する。誰かに助けてと伝える勇気がないくせに、見てほしいと思う気持ちだけで自分を追い込んでしまう。誰かに止めてもらわないと、外から認められたと感じられない。

もう一つ、精神的に成熟してきた欲求は『ほめてほしい』。

幼少期より、私は『大人から褒められる良い子』だった。大人の都合に対して聞き分けがよく、従順だった。良い子過ぎた。優しくできることや、他人におせっかいを焼いてしまうことは、私そのものだから嘘を重ねているわけではない。でも、そこまで良い子じゃない。褒めてもらうことで、自分自身の価値を客観的に実感できたから、執着していた。

母は私をよく褒めた。良い子だねって褒めていた。それなのに、ママ友や姑に私のことを話すときには、わがままで困っちゃうと言って褒めなかった。

少しずつ成長していくうちに、『ほめないこと』が文化だと気がついた。謙遜だか、謙虚だか、身内を否定するコミュニケーションがあると知る。加えて、母親の自己肯定感が低いのではないかと考えるようになった。

そんな環境で育った私は、もちろん自己肯定感が異常に低かった。

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次へ続く

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