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"雨だった" or "雨が降っていた" 

ある日本語訳の小説を読んでいたら、
"雨が降っていた"
という表現が出てきたのですが、なにかもやっとした感覚になりました。
違和感というか、おかしくはないんだけれども、、、

その小説のリズム的には
"雨だった"
の方がしっくりきそうだと感じた。

二つの言葉は全く同じであるように思える。
音としてのリズムだけしか違わないように感じる。


他の言葉を考える

"雨が降っていた"の「雨」は、雨粒そのものを表す言葉
"雨だった"の「雨」は、雨が降っている状態を表す言葉
物質自体を表すと同時に、活用形ではなく状態も表す言葉って他にもあるのだろうか。
例えば「雲」は、雲という物質を表すけれども、曇っている状態は表そうと思うと、"曇る"や"曇っている"となる。
逆に「晴れ」は、、、そもそも動詞だ。

「雷」は物質と状態の二つを表していそうだ。
その日は"雷だった"
その日は"雷が鳴っていた"
「雨」と性質的には似ている気がする。
ただ、単に"雷だった"としてしまうと、音だけ聞こえるのか、稲妻だけ見えたのか分からないため、書き分ける意味はあるように思う。
雨とは少し違う。


少し表現を変えてみる

過去形ではなく現在形にしてみる。
今日は"雨だ"
今日は"雨が降っている"
過去形とは少しだけ勝手が違うような、、、
前者は、例えば今現在雨は降っていなくても天気予報を見て、言うことができる。
後者は今現在降っていないと言えない。

いや、そもそも両者の設定が恣意的だ。
完全に等価に。
"今日は雨だそうだ"
”今日は雨が降るそうだ”

やっぱり二つの表現の意味は完全に一致していてリズム以外に書き分ける必要性を感じない。

雰囲気の違いを考える

"雨だった"の方が、なんとなく哀愁がある。
「長崎は今日も雨だった」のせいかもしれない。
語呂も良い。

"雨が降っていた"の方は"頭痛が痛い"のような二重表現的な印象を受ける(言い過ぎ)。

歌の歌詞(二重表現?)にするのであれば、"雨だった"一択だろうか。


結局よくわからない

意味は完全に一致していて、リズム以外に書き分ける必要性が無い言葉って他にもあるのでしょうか、、、
活用形ではなく状態と物質を表す言葉が一致する言葉ってたくさんあるのでしょうか、、、
言語学にお詳しい方、教えてください。



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