MTGのルール適用度:競技のイベントで意識しておくとよいこと
開封大好きよしひろさんのMTG開封杯プレミアムが3/9(土)に開催されます。
客層としてはカジュアルな方が多いイメージがあり、今回で初めてルール適用度:競技のイベントに出られる方がいらっしゃるかもしれないな、と思い筆を取りました。
▼ひつようなもの
・デッキ(スリーブ)
決闘者たるものデッキは欠かせねえぜ!
当然の事ではありますが、後述するデッキリストと一致しているかどうかの確認が必要です。たまに入れ替え忘れていたりなどで不備が出てしまうケースも存在します。
カードの種類と枚数の確認ヨシ!していきましょう。
また、可能であればスリーブも新しいものに入れ替えておくとよいでしょう。
使い込んだことによって角の折れなどが特定の一枚であったりすると、故意でなくともマークドとみなされてしまう事もあります。
せっかくの競技イベントですから、こういったリスクは回避できるのであれば回避していきましょう。
ハイパーマットスリーブなどは40×2ロットで分かれていますが、ロットごとの質の違いによって結果的に見分けがついてしまう事があります。
(事実、スポンサードプレイヤーでもこのロットの品質の差で見分けがついてしまい、ゲームロスなどの裁定を受けたケースもあります)
これを防ぐため、スリーブも予めシャッフルしておいた後にカードを入れるとよりよいでしょう。
交換用の予備スリーブもあるとさらに安心です。
・デッキリスト用紙
ルール適用度:競技のイベントでは必ず提出する必要があります。
会場でデッキリスト用紙が置いてありますのでそこで書いて提出することになりますが、当日だと書く時間がなかったり、書き損じたり漏れがあったり、なんなら枚数を間違えてしまったりといったリスクなどがあります。
よって前日に内容を確認した上で予め用意しておくことを推奨します。
私はOffice365のExcelで下記のようなデッキリストを作成・印刷して提出しています。
https://files.hareruyamtg.com/img/decklist.pdf
やや古いですが、上記の晴れる屋さんのデッキ登録用紙で入力・印刷も可能です。
ちなみにWindowsのメモ帳にカード名・枚数を書いて印刷でも可能です。要はデッキの内容と氏名が分かっていればOKです。
また、右上に「苗字の一文字目のカタカナ」を書いておくとジャッジが整理しやすくなるとのことです。ジャッジの負担を少しでも軽くしてあげましょう。
また、GoldfishというサイトでPDFとして吐き出す方法も存在します。
蒼紅杯ディスコードにてチャクラさんが手順をご記載いただいたので、引用させていただきます。
蒼紅ちかさんが開封大好きよしひろさんに直接ご確認しており、「デッキの内容が分かるものであれば事前に印刷したものでも大丈夫」という回答をいただいています。ありがとうございます。
ちなみに一般的にはデッキリストはA4である必要がありますので、印刷する場合は用紙サイズをしっかりA4であることを確認しましょう。
(友人がノート用紙に書いて提出し、見事にNGをくらっています)
当日になって「あ、ここ変えたいな」となったら二重線で修正する事も可能です。その場合は確認するジャッジがはっきりと分かるように取り消し線をきちんと書きましょう。
・メモ帳、ペン
現在はコンパニオンに付属されているライフカウンターを利用できます。
しかし、ライフ増減の履歴を確認できることでお互いの認識のすり合わせに利用できたり、ハンデスなどによる公開情報を書けたりするメモ帳はあった方がよいです。
競技イベントに限らず、お互いの認識の齟齬が発生しないようにすり合わせしやすい環境を作るのはお互いにとっての利益になります。ライフをメモする行為はその一助になれるでしょう。
・ダイス
先手後手を決める際のダイスロールにも使用しますし、+1/+1カウンターなどの各種カウンターが乗るカードを使用する事もあるのでダイスはしっかり用意しておきましょう。
特に白単人間やボロス召集などの+1/+1を多用するデッキではたくさん用意しておいた方がよいでしょう。
・各種トークン
これも非常に大事です。最近のMTGトークンの種類多すぎやねん。
何も書かれていない裏面などで代用される方もいらっしゃいますが、極力自分の利用するカードのトークンは用意しておいた方がよいでしょう。
例えば「これは《税血の収穫者》の血トークンで、これは《勢団の銀行破り》から出た宝物トークンと操縦士トークンで、これは《鏡割りの寓話》のゴブリン・シャーマントークンで……」といちいち確認するリソースが取られてしまいますし、何より時間がかかってしまいます。
また、判別がつかないことでコミュニケーションエラーを招いてしまうおそれがあり、場合によっては警告が出てしまう事もあります。
しっかりトークンは用意していきましょう。用意できなければメモ帳などではっきり「宝物」などとお互いに分かりやすいように書いておくとよいでしょう。
・付箋
《真髄の針》《魂の洞窟》などの指定宣言を行ったり、《隆盛するスピリット》といった能力を付与するカードがある場合、付箋があるとよりよいでしょう。
いずれも「コミュニケーションエラーを防ぐ」ことが大きな目的になります。
▼ジャッジを頼ろう
ルール適用度:競技のイベントに限らない話ですが、最も大事なのはプレイヤー同士で解決しようとせず、ジャッジに頼ることです。
お互いに《帳簿裂き》がいる時、2回目の呪文を唱えた場合どちらのプレイヤーが先に謀議するのか?(※1)
《切り裂き魔》がいる時、《変わり谷》を起動したタイミングで《廃墟の地》で対象を取られた後、再度《変わり谷》を起動した場合はどうなるのか?(※2)
上記のようにお互いにどういった挙動・処理になるのか分かっていればいいのですが、片方もしくはお互いに分からない状況が発生すると思います。
対戦相手が知っていて挙動や処理を説明してもらったとしてもそれが正しいとは限りません。
疑問点や何かあったら遠慮なくジャッジを呼んでください。
ジャッジを呼ぶ権利はどんなプレイヤーにもあります。
例えばコンバットをはっきりと宣言し、攻撃指定して優先権を渡した後、反応を見て「あ、すみませんちょっと巻き戻していいですか?」といった行為はあまり褒められたことではありません。
その場合でもプレイヤー同士で解決しようとせず、コミュニケーションエラーを防ぐためにしっかりジャッジを呼び、ジャッジの判断を仰いでください。
「コミュニケーションエラーになりそうだな」「お互いの認識がずれているな」と感じたらすぐジャッジを呼ぶ。これを心掛けるとよいでしょう。
普通ではない状況が起きた場合、第三者としてジャッジに介入してもらい、状況を整理して解決するのが最善です。
私自身も「これってどういう挙動するんだっけ?」と思ったらすぐジャッジを呼び、確認したりしています。
留意すべき点として、ジャッジはプレイヤーに対して助言は与えられないため、きちんと状況を説明した上で「どういう結果になるのか?」というような質問にするとよりよいでしょう。
また、観戦している時に「あれ、この処理や挙動間違ってるよね?」と気づいた場合、指摘はせずに「ゲームを止めてもらっていいですか?」と一旦ゲームを止めた上でジャッジを呼び、説明してあげてください。
単なるプレイミスの可能性もあり、指摘の仕方によっては片方のプレイヤーに利益を与える行為になりかねません。
何も言わずにゲームの状況を一旦止めた上でジャッジに任せるのが最善です。
こういった場面でも「プレイヤー同士で解決せず、ジャッジに頼る」の鉄則を守っていきましょう。
ジャッジはこのためにいます。気楽に呼んであげてください。
※1
《帳簿裂き》のケースでは「アクティブ・プレイヤー・非アクティブ・プレイヤー順ルール(APNAP順ルール)」が適用されます。
例えばプレイヤーAのターンでお互いの《帳簿裂き》の謀議が誘発した場合、プレイヤーAがアクティブ・プレイヤーであるため、プレイヤーBの《帳簿裂き》の謀議が先に解決されます。
(考え方としてはAP(プレイヤーA)→NAP(プレイヤーB)の順でスタックが積まれるため、プレイヤーBが先に解決→プレイヤーAが解決という事になります)
※2
《変わり谷》起動→スタック《廃墟の地》→スタック《変わり谷》起動、という流れであるため、最後のスタックから解決していくと《変わり谷》が2/2のクリーチャーになり、その後《廃墟の地》によって破壊されます。
そうすると《変わり谷》はクリーチャーであるため、《廃墟の地》によって死亡した扱いとなります。
結果として《血管切り裂き魔》の誘発能力によって対戦相手はライフ2点を失い、自分は2点のライフを得ます。
(ルールが違っていたらご指摘ください。土下座して訂正します)
▼さいごに
ルール適用度:競技のイベントに対してハードルの高さを感じている方もいらっしゃると思います。
しかし、実態としてはマジック・ザ・ギャザリングを楽しむことに変わりはありません。
お互いに敬意および誠意を持って対応し、何かあればジャッジを呼んで解決する。
ただそれだけのことです。
これはルール適用度:一般でも同じことだと思います。
運営とジャッジに感謝を忘れず、お互いにMTGというゲームを楽しんでいきましょう!
了