アゾリウスロータス備忘録
■はじめに
本記事ではアゾリウスロータスに関する個人的な私見などをまとめたものである。
アゾリウスロータスはどういう経緯で広まったのか、またどういうデッキなのか? といった初歩的なところから振り返り、それが現在のパイオニア環境にどういう形で食い込む事になったのか等の考察や考えられるアプローチなどを乱雑に書き連ねていく。
そういった意味では初心者~中級者向けであると言えるだろう。認識の誤りなどが多分に含まれている可能性もある。ご指摘や忌憚のないご意見があればぜひお願いしたい。
また、本記事については当然ながら全文無料であることをここに記する。
■更新履歴
2023/8/13 投稿
2023/8/13 「ロータスコンボとの比較」項追加、誤字脱字修正
2023/8/15 自由枠・サイドボード・ミラーのサイドボーディング追加
■アゾリウスロータスとは?
ここ最近急激に頭角を現したアゾリウスロータス。テーブルトップでも一気にメタの上位に食い込み、様々な予選でこのデッキを見かけない日はないと言っても過言ではないほど。
始まりはアゾリウスコントロールの名手であるPatrick Wu(@WUCtrl)氏がカナダのRC(日本で言うチャンピオンズカップファイナル)でスイスラウンドを11-1-1の1位通過、そのまま準優勝という堂々たる成績を残したところからだ。
《記憶の氾濫》4枚、《ドミナリアの英雄、テフェリー》4枚、《ドゥームスカール》3枚、《告別》3枚、《不連続性》4枚、メインから投入された《夢さらい》。
アゾリウスコントロールを代表する《ドビンの拒否権》はすべてサイドに移され、《吸収》や誘発能力も打ち消す《不許可》すら不採用という型破りに見えるインパクトの強さが第一印象であった。
しかしながら、アゾリウスロータスはこれに留まらず快進撃を続ける。中国のRCでも73枚が同一のリストが優勝。
それもサイドボードの《霊気の疾風》が同じような役割である《方程式の改変》に2枚差し替えられているだけであり、構築の方向性としては全く同じと言える。
RCという大規模な大会において、短期間でこれだけの実績を残すポテンシャルは本物と言わざるを得なかった。
そこからゆうやん氏(@yuyan_mtg)こと細川侑也氏がこのアゾリウス・ロータスのリストをベースに調整し、第11期パイオニア神挑戦者決定戦で7-1のTop4、チャンピオンズカップファイナルサイクル3では8-3-1の18位でプロツアー権利獲得という堂々たる成績を残した。
その細川氏が執筆された記事も非常に質の高いものであり、必見の内容であるためここで紹介させていただく。
アゾリウス・ロータスの特徴や詳細については上記の記事に文字通り全て記載されている。内容も極めて実戦的であり、具体的なシチュエーションと共に分かりやすい解説もなされている。
いつも質の高い記事をご執筆いただきありがとうございます。
▼アゾリウスロータスはアゾリウスコントロールの一種なのか?
アゾリウスコントロールと共通するパーツは多いが、似て非なるデッキであると考えている。
これは「カウンター」によるパーミッション要素を削り、場に出たパーマネントを除去する方向性のタップアウトコントロール、そして一種のランプ+コンボデッキだ。
《睡蓮の原野》《演劇の舞台》といった特定の土地を揃えた時の爆発力はトロンに近い。
アゾリウスコントロールとの相違点としては、コントロールの最大の特徴である「カウンター」がメインでは《ジュワー島の撹乱》2枚しか採用されていない点がまず挙げられる。
これに加えて、アゾリウスコントロールにはない「押し付ける動き」が存在するのも大きな事柄だろう。
3ターン目に《厳しい試験官》もしくは《不連続性》で《睡蓮の原野》を踏み倒す。
すると4ターン目では6マナが生み出されるため相手の盤面によっては《告別》をぶっ放してもよいし、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を唱えて+1能力で《睡蓮の原野》をアンタップし、そこから《放浪皇》《サメ台風》《記憶の氾濫》などを構えるというコンボをしてもいい。
さらに二枚目の《睡蓮の原野》を《厳しい試験官》で踏み倒せばそのまま《ドミナリアの英雄、テフェリー》の+1能力で二枚の《睡蓮の原野》をアンタップ、そして相手のアップキープに《不連続性》を唱えるという4ターン目にして合計11マナを使うというあまりにも無法なムーブを押し付ける事すら可能なのである。
《睡蓮の原野》を必ず踏み倒さないといけないというわけでもなく、単純に生贄を捧げながらセットしても《ドミナリアの英雄、テフェリー》によってアンタップすることで4~6マナを構えられるのが大きな利点。
このように、アゾリウスコントロールの大きな特徴であり欠点でもあった「相手の動きを受け続ける」ではなく「自分の動きを押し付ける」面がかなり強いデッキであることがわかるだろう。
また、アゾリウスコントロールの弱みの一つであった「土地を7枚以上引かなければならない」という弱点をこのアゾリウスロータスは克服しているのも大きなポイント。
《睡蓮の原野》を置くための土地2枚、そして《演劇の舞台》1枚の合計4枚さえあれば《睡蓮の原野》+コピーした《演劇の舞台》の2枚だけで6マナが出るのである。
そこに《連門の小道》を置けば7マナとなり、一つのゴールである《記憶の氾濫》フラッシュバックまで辿り着く。
そのため、一回のマリガンすらしたくないアゾリウスコントロールと比べ、アゾリウスロータスは比較的気楽にマリガンを行える。
マリガンした分の損は《記憶の氾濫》《ドミナリアの英雄、テフェリー》でいくらでも取り返せるからだ。
▼ロータスコンボとの比較
同じ《睡蓮の原野》を駆使するロータスコンボだが、あちらは《出現の根本原理》という自分の動きを追求した日本刀のような研ぎ澄まされた構築が特徴のアンフェアデッキ。
一方でアゾリウスロータスは《検閲》《ジュワー島の撹乱》、《至高の評決》《告別》などであたかも「私はロータスコンボと違って対話していますよ」とフェアデッキの顔をしたアンフェアデッキである。
細部の話をすると、ロータスコンボは《森の占術》《衝動》をフル採用し、《睡蓮の原野》《演劇の舞台》をまず揃えるところから始まる。
次の段階では《熟読》《砂時計の侍臣》でマナを浮かせつつドローを進め、《出現の根本原理》《見えざる糸》といったコンボパーツをとにかく探し始める。
その過程で《睡蓮の原野》をアンタップさせる《旅するサテュロス》《砂時計の侍臣》、マナが低減される《遵法長、バラル》を出し、一枚コンボである《出現の根本原理》を唱えられる体制に整えていく。
そして放たれる《出現の根本原理》。相手は死ぬ。
この一枚で勝てるからこそ、これをいかに最短ターンで唱えられるか、そしていかにカウンターを搔い潜るかに注力されている。
サイド後では対策されるであろう《出現の根本原理》を抜くか減量し、その枠に《龍王ドロモカ》《原初の災厄、ザカマ》を入れることで軸をずらし、相手の攻勢に対して受けるカードである全体除去もサイドインすることでランプデッキとして立ち振る舞うことができる。
その一方でアゾリウスロータスは《森の占術》などを不採用とし、《睡蓮の原野》で《ドミナリアの英雄、テフェリー》を強く使う事を目的としている。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出した直後に《放浪皇》《記憶の氾濫》を構える動きはアゾリウスコントロールでの一つのゴールとなっているが、これを行えるのは「土地7枚以上」であることが条件。
しかし、《睡蓮の原野》が絡めば「土地3枚」でこの動きが実現可能なのだ。この強みを最大限活かしたのがアゾリウスロータスなのである。
伸ばしたマナで《至高の評決》《告別》などの受けるカードが露払いを務め、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着から+1能力による《記憶の氾濫》《放浪皇》などでマナ差を活かした動き(≒実質的なランプ)を目指す。
そういった意味ではアゾリウスロータスはサイド後のロータスコンボと結構似ていると言えよう。
ロータスコンボとの共通点としては先述したように「膨大なマナを活かしたアンフェアな動きを押し付ける」ことである。
各マッチアップの相性もアグロデッキに対しては不利がつき、ミッドレンジ~コントロールにはマナ差を活かしたアンフェアな動きを押し付けられることで有利がつく……というように、同じような内容になる。
▼《減衰球》ってどうなの?
土地を切り詰め、《睡蓮の原野》《演劇の舞台》の2枚を目指し《睡蓮の原野》に全体重を預けているロータスコンボでは《減衰球》一枚で死ぬことが多々ある。
しかしこのアゾリウスロータスでは《睡蓮の原野》への依存度が低く、土地26+2の合計28枚で通常の土地が伸びるため《減衰球》はそこまで効かなかったりする。
自由枠の《冥途灯りの行進》で軽く対処されたり、《告別》でまとめて対処されたりする悲しい一枚に成り下がる。
もちろん有効な場面はあるので、枠があるのであれば《減衰球》は入れてもいいかもしれない。
▼アゾリウスロータスの目指すべきゴール
一つのゴールとしては《睡蓮の原野》+《ドミナリアの英雄、テフェリー》のセットを揃える事にある。
ひとたびこの二つが揃えばメインフェイズで《記憶の氾濫》を打ちつつ、相手のターンで《不連続性》《放浪皇》《記憶の氾濫》などでさらに突き放すというビッグアクションを起こすことが出来る。
この《睡蓮の原野》は無理に踏み倒す事を狙わず、土地を捧げつつ置いてもいい。
4ターン目に《至高の評決》もしくは《放浪皇》で対応、そして5ターン目に《ドミナリアの英雄、テフェリー》から《睡蓮の原野》含む計4マナをアンタップして《放浪皇》か《記憶の氾濫》。
ただこれだけでもアゾリウスコントロールとは一線を画す非常に強力な動きであることが分かるはずだ。
▼アゾリウスロータスの欠点
《睡蓮の原野》がなければカウンターがなく、かつマナカーブも歪で重いアゾリウスコントロールという鈍重なデッキになりがちな点がまず挙げられる。
全体除去で誤魔化しつつ、《記憶の氾濫》などで《睡蓮の原野》と《ドミナリアの英雄、テフェリー》を探し出したいところ。
ゲームプランとしてもやはり課題である序盤をいかに乗り越えるかをまず考える必要がある。
この点については後述する自由枠で対応することになるだろう。
これらは主に2マナ域になり、先述したゆうやん氏が採用している《魂の仕切り》、《睡蓮の原野》などを探し出す《衝動》、あるいはソフトカウンターの《検閲》《ジュワー島の撹乱》などでカバーすることになる。
その一方で《睡蓮の原野》がないと始まらないロータスコンボと異なり、《ジュワー島の撹乱》《ドゥームスカール》/《至高の評決》などのアゾリウスコントロール要素が嚙み合えば、《睡蓮の原野》がなくともある程度戦えるのも一つのポイント。
▼マリガン基準について
1.《睡蓮の原野》+土地2枚+《厳しい試験官》or《不連続性》
必要なパーツが全て揃っているためキープ。《記憶の氾濫》《ドミナリアの英雄、テフェリー》《告別》などが揃っていれば100点。ブン回りを見せつけてやろう。
この辺りは説明不要であり共通認識だろう。
2.《不連続性》or《厳しい試験官》があるが《睡蓮の原野》がない
a.土地の枚数が3枚~4枚である
b.《衝動》《記憶の氾濫》などの《睡蓮の原野》を探す手段がある
c.《魂の仕切り》等の軽量除去もしくは《ジュワー島の攪乱》などのカウンターがある
d.《至高の評決》がある(対クリーチャーデッキ)
上記がキープするにあたって判断基準となるものである。上から優先度が高くなる。(もちろん対面によっては変動する)
が、やはり《睡蓮の原野》がないと先述したように鈍重なアゾリウスコントロールになりがち。
そういった意味ではb.のドローソースは思いのほか重要。ここはc.とほぼ同列で、両方あればなおよしといったところ。当てはまらないならマリガンしよう。
3.《睡蓮の原野》と2枚の土地があるが踏み倒し手段がない
これは上記2.のb~d.事項があればキープに値する。このケースではゴールである《ドミナリアの英雄、テフェリー》の有無も基準の一つになる。
この初手だけ見れば《睡蓮の原野》は踏み倒せないものの、《厳しい試験官》4枚《不連続性》4枚、そして《演劇の舞台》3枚で合計11枚が受け入れ枚数となる。
これらを引けずとも《ジュワー島の撹乱》で相手の出鼻を挫きつつ《睡蓮の原野》を設置。
その後は土地を設置して《至高の評決》で流し、《記憶の氾濫》で《ドミナリアの英雄、テフェリー》を探し出す事で先述した一つのゴールに到達することができるわけだ。
《睡蓮の原野》+《不連続性》《厳しい試験官》がないからマリガン、というような短絡的な考えをする必要はない事を覚えておけばよい。
■固定枠:54枚
個人的に感じている固定枠を記載する。
▼土地:26枚
最低でも《睡蓮の原野》を置くためには他の土地が2枚必要であり、22枚であれば約95.2%の確率で2ターン連続でランドセットできる計算になる。この辺りの計算については下記の記事を参考にしている。
《睡蓮の原野》とそれをコピーする《演劇の舞台》、いつでもアンタップインできる《連門の小道》が4枚取られているのが特徴。
《灌漑農地》については通常のアゾリウスコントロールと比べて一枚の質が高いため、サイクリングの価値が上がっている点は留意すべき事項。
この《灌漑農地》の枠を《啓蒙の神殿》に差し替えた方がおり、このアプローチもかなり理に適っているなと感心したことがある。
▼土地以外:28枚
祖であるPatrick Wu氏のリストでは《至高の評決》ではなく《ドゥームスカール》が採用されている。
個人的には後引きだと5マナになってしまう《ドゥームスカール)より、安定して4マナで打てる《至高の評決》の方が好み。
急いで3ターン目で打たなければならない対面が少ないのも一つの理由。
《告別》に関しては2枚は固定で、環境に応じて3枚にするかどうかといったところ。
緑信心・ラクドスサクリファイス・奇怪な具現など《告別》が刺さるマッチアップが多いと読むならば3枚を推奨する。
また、《至高の評決》枠に《ドミナリアの英雄、テフェリー》との相性がよい《残骸の漂着》を1枚ほど差し込んでも面白いかもしれないと考えている。
グルール機体や白単人間などには劇的に効く一方で、刺さらない相手も多いためこの辺りは環境に応じてチョイスすることになるだろう。
本来なら固定枠についてそれぞれ解説しようとしたが、ひとまず公開することを一つのゴールとしてここでは割愛する。書きかけの下書きが残っているので、後ほど追記する可能性はある。
■自由枠:6枚
さて、上記の固定枠となる54枚を除くと自由枠としては6枚になる。
上記の固定枠を見ると2ターン目のアクションが《厳しい試験官》《ジュワー島の撹乱》《サメ台風》X=0ぐらいしかなく、ここをカバーするために《魂の仕切り》《衝動》《検閲》《冥途灯りの行進》などの序盤に動けるカードを入れる構築が多く見られる。
祖であるPatrick Wu氏の直近リストでは《伝承の収集者、タミヨウ》《龍王ドロモカ》のために《灌漑農地》が《スパーラの本部》3枚・《耐えぬくもの、母聖樹》1枚に差し変わられている。
6枚の自由枠としては《夢さらい》1枚、《告別》1枚、《啓示の終焉》1枚、《検閲》3枚になっている。
私自身もこの緑をタッチした型にしているが、好感触。
特に《耐えぬくもの、母聖樹》はインスタントタイミングでの干渉手段に乏しいこのデッキでは相手にとって予想外の一撃になり、これがアンタップインランドの枠も兼ねているというのが良かった。
・《伝承の収集者、タミヨウ》
《思考囲い》《ヴェールのリリアナ》《シェオルドレッドの勅令》《絶望招来》などをシャットアウトする常在能力を持つ。
ただし《絶望招来》《死の飢えのタイタン、クロクサ》などは生贄に捧げる選択自体が行えず、強制的に3点ルーズが発生する点については注意。
この常在能力の存在により黒系、特にラクドス系に対するガードを大きく上げるのにうってつけな一枚。+1スタートであれば忠誠度6と非常に硬い。
+1能力は主に《ドミナリアの英雄、テフェリー》《不連続性》を指定する事が多い。盤面によっては《至高の評決》《告別》《サメ台風》などを指定する時もある。
指定外のカードは墓地に落ちるが、ここで《記憶の氾濫》がめくれると非常に強力。
対ミッドレンジ~コントロールのレンジにおいては強烈な存在感を出す一枚だが、早いデッキに対しては無力なのが難点。
・《衝動》
先述した通り空白の2ターン目を補いつつ、《睡蓮の原野》《ドミナリアの英雄、テフェリー》といったキーカードを探し出す役割を担う。
また、《睡蓮の原野》を踏み倒さず設置する際、浮く2マナを無駄なく活用できる手段でもあり数枚ほど採用してもよいのでは、と考えている。
その一方で盤面や相手の動きには干渉しない上にアドバンテージも得ないため、4枚入れるのもな……とも感じている。
・《多元宇宙の警告》
こちらは先述した《衝動》と比べ、予顕で2ターン目での動きを補いつつアドバンテージを得られる点で優れている。
序盤だけで言えば《衝動》の方に軍配が上がるが、それ以降はアドバンテージを得られるこちらの方がカード単体のパワーとしては高い。
UR独創力などのコントロール系やミッドレンジが多いと感じるならば追加のアドバンテージ源として採用するといいだろう。
・《検閲》
アゾリウスコントロールでお馴染みのソフトカウンターだが、個人的に好感触だった一枚。
というのも、どうしてもマグロになりがちな序盤で相手の動きを阻害しつつ、中盤以降には1マナ1ドローに変換できる点がアゾリウスロータスに噛み合っているからだ。
特にアゾリウスロータスでは1枚の質が良いため、ドローを進めるサイクリングの価値も高くなるのが◎。
・《冥途灯りの行進》
主にラクドスなどのミシュラランドに対する対抗策で丸さが売り。
他にも《ドミナリアの英雄、テフェリー》を指定した《真髄の針》を対処したり、《不屈の独創力》を妨害したりと用途は広い。
マナを大きく生み出す《睡蓮の原野》の存在、また余った《厳しい試験官》を追放する事により通常のアゾリウスコントロールより使いやすい印象がある。
・《魂の仕切り》
アゾリウスロータスでは先述してきた通り、《睡蓮の原野》・《演劇の舞台》によってマナを大きく伸ばす≒相手の盤面に触れないターンが存在する。
このいわゆる「力を溜める」ターンは3~4ターン目である事が多く、序盤の2マナアクションとしては一時しのぎと言えども優秀な除去として機能する。
アゾリウスコントロールより「2ターンの猶予」の価値が大きく、また《至高の評決》《告別》といった全体除去が多いためマッチしている一枚。
マナが伸びる関係性で《放浪皇》の再利用もしやすく、キープ基準にもなるため自由枠としては有力な一枚であるとも言える。
詳細については先述したゆうやん氏の記事を参照するといいだろう。
・《太陽の勇者、エルズペス》
+1能力による盤面制圧力がとにかく強力で、たった一枚で勝ちうるプレインズウォーカー。
《不連続性》のバリューを大きく上げる点、3ターン目に《睡蓮の原野》を踏み倒すことで最速4ターン目に出す事もできる点から、土地を6枚置かなければならないアゾリウスコントロールより適性があると考えている。
その一方でコントロール系にはカウンターされやすく、スピリットには飛行によって1/1兵士がブロッカーとして機能しないなどと一長一短。
主にラクドスミッドレンジ、グルール機体、白単人間などのデッキに対して有効な一枚であり、これらのデッキが多いメタゲームと読むならば採用も視野に入るだろう。
・《夢さらい》
ひとたび定着すればダメージレースに勝ちつつアドバンテージ差を生み出す。これも《太陽の勇者、エルズペス》と同様に一枚で勝ちうるフィニッシャー。
ただ、国内で一定以上のシェアを持つラクドスミッドレンジ、アブザンパルヘリオンなどで《ヴェールのリリアナ》が採用されているのが逆風。
私はこれを不採用とし、この枠を《太陽の勇者、エルズペス》にしている。こちらならば《ヴェールのリリアナ》に強いからだ。
この辺りは国内・海外のテーブルトップ、MOなどで環境が異なるため状況に応じて選択するといいだろう。
・《啓示の終焉》
性癖枠。
X=10以上で唱えた時は天に昇るほど気持ちいいが、オーバーキルすぎると感じている。
マナを伸びた時の注ぎ先にもなると言われればその通りではあるのだが、《ドミナリアの英雄、テフェリー》《記憶の氾濫》《サメ台風》《不連続性》などが存在しており、これで事足りてしまう。
X=3だと単なる《ジェイスの創意》であり、最低でもX=4以上唱えたい。そうすると《睡蓮の原野》の踏み倒しが前提になってしまうため、要求値が高くなってしまうのも欠点。
ただ繰り返すが、X=10以上で唱えた時の万能感は他のカードでは味わえないのは確かである。麻薬のような一枚。
・《運命的不在》
2マナでクリーチャー・プレインズウォーカーに対応できる代わりにデメリットとして手掛かりトークンを渡す除去。
アゾリウスコントロールとは異なり、中盤以降で大きく捲るデッキのため「序盤をいかに凌ぐか」が焦点となっている。
その点で言えばグルール機体の《無謀な嵐探し》、アブザンパルヘリオンの《大牙勢団の総長、脂牙》などに対する明確な回答でもあるこの2マナの確定除去はマッチしていると感じた。
ラクドスミッドレンジの《ヴェールのリリアナ》、ミラーの《ドミナリアの英雄、テフェリー》など触りづらいプレインズウォーカーにも対応できるなど、序盤・中盤・終盤引いても嬉しい一枚として有用であるため選択肢の一つになるだろう。
■サイドボード
・《ドビンの拒否権》
アゾリウスカラーであれば入れない理由を探すのが難しい一枚。
「打ち消されない」の文字がとにかく強力であるため、4枚投入が基本になる。
ただし《睡蓮の原野》からは一色のマナしか出ないため、構える際には注意されたい。
・《方程式の改変》
比較対象としては、盤面・打ち消されない呪文にも干渉できる《霊気の疾風》だが、《廃墟の地》もないため上に置かれて再度唱えられてしまうのが大きな欠点。
アゾリウスコントロールとは異なりこちらは《至高の評決》《告別》の全体除去によるボードコントロール手段が多く、インスタントタイミングの干渉手段については自由枠でカバーが可能な範囲内。
また、《龍王ドロモカ》《目覚めた猛火、チャンドラ》などの打ち消されない呪文にも《不連続性》によって対応が可能である点も鑑み、このデッキであれば《方程式の改変》の方がマッチしていると言える。
・《思考のひずみ》
対コントロールでの最終兵器。大量のカウンターを構えているところにこれを唱えればゲームセットまで持ち込める。
アゾリウスロータスミラーでも《思考のひずみ》の差で勝つ事が多いが、《不連続性》で対応されるため過信は禁物。
対独創力などにも非常に有効な一枚だが、最近はこれを意識した《ナーセットの逆転》が採用されている事が多いため、裏目が生じているのも考慮すべき点。
ケアとして《ドビンの拒否権》を構えながらか、《龍王ドロモカ》を着地させてからこれをぶっぱなすといいだろう。
・《ナーセットの逆転》
上記のミラーでの《思考のひずみ》に対する対抗策としての採用。
本来なら追放される《不連続性》だが、《ナーセットの逆転》でこれをコピーすることで《伝承の収集者、タミヨウ》で墓地に行った《ナーセットの逆転》を回収、また《不連続性》+《ナーセットの逆転》……という動きも可能。
緑信心にもサイドインし、《収穫祭の襲撃》フラッシュバックに対応しつつ上記の動きを狙ったりもする。
・《敬虔な新米、デニック》
主にアブザンパルヘリオン・白単人間などのアグロ系へのサイドボード。
墓地対策としては《安らかなる眠り》《失われし者のランタン》などが存在するが、これらは《ウィザーブルームの命令》、サイドからは《秋の騎士》などで対応されてしまう。
また、このアゾリウスロータスは《記憶の氾濫》をフラッシュバックで唱えることで突き放すデッキでもあるため、これも追放してしまうのがこれまでの墓地対策の難点だった。
その点で言えば《敬虔な新米、デニック》は墓地を追放しないものの、《大牙勢団の総長、脂牙》の墓地の機体を対象する効果を封じ込めつつ、クリーチャーなので上記の墓地対策の対策に刺さらないのである。
サブプランである《エシカの戦車》ビートも2/2猫をシャットアウトできるなどアブザンパルヘリオンに非常に強い一枚となっている。
さらに2/3絆魂のスタッツから白単人間などのアグロデッキにも入れられ、サイドボードの圧縮にもなる良カード。
アゾリウスコントロールでも個人的なお気に入りの一枚。
・《ポータブル・ホール》
《厳しい試験官》とのディスシナジーはあれど、3マナをかけてでも除去した方がよいシチュエーションが多いため採用に値する。
その一方で《一時的封鎖》の方は5マナになってしまい裏目が生じやすく採用しづらい点がある。
アンタップインランドである《連門の小道》の存在により1ターン目で打ちやすいのも大きな利点。
アグロ系にはもちろん、緑信心にも後手のマナクリーチャーに対して返せる回答でもある。
ちなみにパーマネントなので《ゴバカーンへの侵攻》などのバトルも対象に取ることができる。覚えておこう。
・《サメ台風》
青系のデッキに。アゾリウスコントロールと同じ考え方で活用することになるので特段記載することがあまりない。
独創力に対しては《奔流の機械巨人》があるので、通ってしまうと苦しい盤面であればフルタップはあまりしないようにすることぐらいだろうか。
スピリットに対しては一番強いカード。サメ旋風を起こしてやろう。
・《龍王ドロモカ》
先述した祖のPatrick Wu氏が採用している一枚。
コントロール系には「打ち消されない」「あなたのターンの間、すべての対戦相手は呪文を唱えられない」の効果が非常に強力。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》《サメ台風》ハードキャスト《思考のひずみ》などで好き放題出来てしまう。
《パルン、ニヴ=ミゼット》との差別点としては、こちらは5/7飛行絆魂というスペックによって白単人間やグルール機体にも入れられる点が挙げられるだろう。
また、マナシンボルも緑白と非常に緩く、《スパーラの本部》があれば《睡蓮の原野》がなくとも唱えられるのも見逃せない利点。
・《影の評決》
《敵対するもの、オブ・ニクシリス》を擁するラクドスサクリファイスに対する明確な回答の一つ。
《大釜の使い魔》や《死の飢えのタイタン、クロクサ》も対処可能であり、頭角を現してきたラクドスサクリファイスを意識するならばこれがうってつけ。
追放であるため《救出専門家》《ゴバカーンへの侵攻》を擁するアゾリウススピリット・白単人間にも非常に有効。
《睡蓮の原野》が前提になるのが唯一の欠点ではあるが、不利な相手に対する回答としてはお墨付き。お試しあれ。
・《金属の徒党の種子鮫》
アゾリウスコントロールでも定番となりつつあるサイドボード。
このアゾリウスロータスでもその強さは健在で、《睡蓮の原野》がない時でも《ジュワー島の撹乱》《金属の徒党の種子鮫》《放浪皇》/《記憶の氾濫》と順番に唱えるだけでも強力。
アグロには序盤を支え、ミッドレンジにはスケール勝負を盤石なものとし、コントロールでは相手のノンクリーチャーカウンターに刺さらない軸をずらしたフィニッシャーとどのデッキにも入る幅広さはこのデッキでも健在。
ミラーでも《吸収》等のクリーチャーに対する確定カウンターがないため滅法強く、ソフトカウンターをケアしながら打てば培養トークンの大群が対戦相手を飲み込んでいくことだろう。
■サイドボーディング
下記のリストを前提としたサイドボーディングおよび私個人が感じている相性を記する。ご意見などあれば是非お願いしたい。
・ラクドスミッドレンジ - 微不利
-2《サメ台風》
-2《不連続性》
+1《方程式の改変》
+3《ドビンの拒否権》
アゾリウスコントロールと同様の考え方で、《砕骨の巨人》で対処されやすい《サメ台風》を抜く。
《不連続性》については単体では何もせず、《思考囲い》《強迫》などによってキープ基準にもなりにくいため減量する。
先手であれば動きを押し付ける側になるため、4枚のまま残す選択肢もある。
ゲームプランとしてはシンプルで、土地を伸ばして強いカードを叩きつけること。
勝ち筋としてはやはり《ドミナリアの英雄、テフェリー》から《睡蓮の原野》をアンタップ、そのまま《記憶の氾濫》によってアドバンテージ差を突き放すアンフェアな動き。
アゾリウスコントロールと異なり、一枚の質が良いことに加えて《伝承の収集者、タミヨウ》《太陽の勇者、エルズペス》で意識したチョイスをしているため、そこまで苦手意識があまりないが構造的には不利と言えるだろう。
・ラクドスサクリファイス - 有利(サイド後微不利)
-2《サメ台風》
-2《至高の評決》
-1《不連続性》
+2《ポータブル・ホール》
+1《影の評決》
+1《方程式の改変》
+2《ドビンの拒否権》
《税血の収穫者》などには遠慮なく《ポータブル・ホール》で返したい。可能な限り《敵対するもの、オブ・ニクシリス》を強く使われないようにすることを意識すること。
ラクドスミッドレンジと比べて《ドミナリアの英雄、テフェリー》が対処されにくいものの、《波乱の悪魔》が絡むと一気に打点が跳ね上がるため常に「《波乱の悪魔》が出たら何点なのか」を意識するとよい。
《ドビンの拒否権》は基本的に《鏡割りの寓話》《敵対するもの、オブ・ニクシリス》に対して当てるが、《命取りの論争》にもできれば当てたいところ。
《影の評決》が一番強く使えるマッチアップ。
《放浪皇》がそこまで強くないので、選択になった時は《影の評決》や《告別》を探し出せる《記憶の氾濫》の優先度を上げておきたい。
・緑信心- 有利
-3《至高の評決》
-2《サメ台風》
-1《太陽の勇者、エルズペス》
+4《ドビンの拒否権》
+1《方程式の改変》
+1《ナーセットの逆転》
※後手時は下記が追加
-1 《検閲》
+2 《ポータブル・ホール》
(《ドビンの拒否権》3枚)
《大いなる創造者、カーン》とこれに繋がる《収穫祭の襲撃》だけは弾き、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着を目指す。
盤面を作られても《ドミナリアの英雄、テフェリー》から《不連続性》連打の過程で《記憶の氾濫》から《告別》を見つけ出し、そのまま逆転する事もしばしばある。
このように常にワンチャンスが存在しており、ここがアゾリウスコントロールとの大きな違い。
《厳しい試験官》で《睡蓮の原野》を踏み倒す過程で《ビヒモスを招く者、キオーラ》のドロー、《ニッサの誓い》《茨の騎兵》を抑えられるため、《大いなる創造者、カーン》さえ抑えておけばよくなる。
《大いなる創造者、カーン》の-2能力は《告別》によって追放されたアーティファクトも対象となるため注意が必要。
・アゾリウススピリット - 有利
-1《告別》
-3《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-2《不連続性》
-1《太陽の勇者、エルズペス》
-1《伝承の収集者、タミヨウ》
+2《ポータブル・ホール》
+2《敬虔な新米、デニック》
+2《龍王ドロモカ》
+1《サメ台風》
+1《影の評決》
《ポータブル・ホール》で対処しつつ、《サメ台風》のサイクリングや《龍王ドロモカ》で制圧することがゴール。
《不連続性》は基本的にこちらのターンで唱えられてくる《鎖鳴らし》等に対して当てる事になる。
《厳しい試験官》が前線を支えるマッチアップ。ETB能力を持つ《霊廟の守護者》《鎖鳴らし》《呪文捕らえ》《ゴバカーンへの侵攻》などを牽制できる。
特に《呪文捕らえ》に対しては《至高の評決》が打ちやすくなるのが大きな利点。
《ポータブル・ホール》で《鎖鳴らし》を誘い、その隙で《厳しい試験官》や《不連続性》による《睡蓮の原野》の踏み倒しを狙ったり、《記憶の氾濫》で《呪文捕らえ》を誘き出したり等、とにかくどの動きにも裏目を作るように動くのが重要。
・白単人間 - 不利
-1《告別》
-2《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-1《不連続性》
-1《伝承の収集者、タミヨウ》
-2《サメ台風》
+2《ポータブル・ホール》
+2《敬虔な新米、デニック》
+2《龍王ドロモカ》
+1《影の評決》
やはり不利。《厳しい試験官》+《睡蓮の原野》+《至高の評決》がベストのハンド。これを目指してマリガンしよう。
最悪《厳しい試験官》だけでも、相手の手札によっては大きく減速してくれる(1/2/1+《サリアの副官》など)
《不連続性》も《スレイベンの守護者、サリア》によるド裏目が存在しており、後手の場合はあまりキープしたくない一枚となってしまう。
《ポータブル・ホール》《敬虔な新米、デニック》などで受けつつ、《至高の評決》などの全体除去からの《龍王ドロモカ》《ドミナリアの英雄、テフェリー》《放浪皇》《太陽の勇者、エルズペス》で捲るのがゴール。
・アゾリウスコントロール - 有利
-2《告別》
-2《至高の評決》
-2《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-1《太陽の勇者、エルズペス》
-1《不連続性》
-1《冥途灯りの行進》
+1《ナーセットの逆転》
+4《ドビンの拒否権》
+1《サメ台風》
+2《龍王ドロモカ》
+1《思考のひずみ》
アゾリウスロータスに押されもう見かけなくなってしまったアゾリウスコントロール。私もアゾリウスロータスを使っているわけだが。
《龍王ドロモカ》から《思考のひずみ》《ドミナリアの英雄、テフェリー》などで一方的に無茶苦茶していく形を目指す。
対処手段が《ドミナリアの英雄、テフェリー》しかないケースも多いため、可能であれば《ドビンの拒否権》を構えながら《龍王ドロモカ》を出す形としたい。
ただし返しで《ドミナリアの英雄、テフェリー》でフルタップになり、かつこちらが《ドミナリアの英雄、テフェリー》がある場合はフルタップでキャストして誘い出すのも一つの手。
《検閲》《かき消し》等をかいくぐるために《厳しい試験官》は先手2T目であれば出しておくこと。
《睡蓮の原野》と《演劇の舞台》でマナ差を作り出し、アクションの差で圧倒するのもよし、《アーデンベイル城》をコピーしてひたすら1/1人間を生み出すのもよし。
《才能の試験》が強い環境であるため、《記憶の氾濫》を打つ時は出来る限り《才能の試験》をケアする。どうしょうもない時はどうしょうもないので諦める時もある。
《不連続性》に関しては基本的にこちらのターン終了時に放たれる《放浪皇》《記憶の氾濫》等に対して当てる2マナカウンターとしての用途になることが多い。
・ロータスコンボ - 五分~微不利
-3《告別》
-2《至高の評決》
-1《太陽の勇者、エルズペス》
-1《伝承の収集者、タミヨウ》
-2《冥途灯りの行進》
+2《敬虔な新米、デニック》
+1《ナーセットの逆転》
+4《ドビンの拒否権》
+1《サメ台風》
+1《思考のひずみ》
同じ《睡蓮の原野》を利用する相手だが、《厳しい試験官》は抜かない。
《睡蓮の原野》踏み倒しから最速で《思考のひずみ》もしくは《ドミナリアの英雄、テフェリー》まで繋げるか、あるいは《不連続性》を構えられるようにした方がロータスコンボにとっては嫌だからだ。
《敬虔な新米、デニック》から《放浪皇》に繋ぎ、クロックパーミッションプランもあるため、初手に応じて柔軟に動いていきたいところ。
負ける時は負けるし、勝つ時はあっさり勝つ。
少なくとも《不連続性》のおかげでアゾリウスコントロールよりは勝ちやすい感触があり、事実ロータスコンボ側も《不連続性》によって苦手意識を持っているようだ。
・アブザンパルヘリオン - 五分~微有利
-2《サメ台風》
-1《至高の評決》
-2《不連続性》
+2《敬虔な新米、デニック》
+3《ドビンの拒否権》
このマッチアップでは《告別》と《敬虔な新米、デニック》は神となる。崇めましょう。
序盤の干渉手段がアゾリウスコントロールと比べて少ないため、相性はやや落ちている。とはいえ《告別》で全てが解決するのも確か。
《ヴェールのリリアナ》は出来る限り弾きたい。
また、可能な限りライフは14以上を保つ事を意識する。(《パルヘリオンⅡ》本体+天使二体のアタックが13点のため)
サイド後は《黙示録、シェオルドレッド》を中心とした機体ミッドレンジプランにシフトしてくる事が多いので留意すること。
《厳しい試験官》が《ラフィーンの密通者》《エシカの戦車》などを封じるため、先手2T目では必ず出しておく。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》から《睡蓮の原野》を起こすと4マナが起きるため、ちょうど《冥途灯りの行進》で《大牙勢団の総長、脂牙》を対処できる点も覚えておくこと。
・イゼット独創力 - 微有利
これらについては非常に良質な記事があるので紹介させていただく。
国内のエリア予選ではこれらのリストがベースとなっていることがほとんどのため、使わずとも読み込んでおくといいだろう。
-2《告別》
-2《至高の評決》
-1《太陽の勇者、エルズペス》
-2《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-1《不連続性》
-1《冥途灯りの行進》
-1《検閲》
+1《方程式の改変》
+1《ナーセットの逆転》
+4《ドビンの拒否権》
+1《サメ台風》
+1《思考のひずみ》
+2《龍王ドロモカ》
基本的にはアゾリウスコントロールと同じ。
3T目の《鏡割りの寓話》に対してカウンターし、そのまま《睡蓮の原野》を踏み倒し、マナ差を作り出すことを意識する。
もちろん相手もケアはしてくるはずなので、ソフトカウンターをケアして4~5T目に《鏡割りの寓話》で動き出すことが多いだろう。
《龍王ドロモカ》は基本的に火力では死なないものの、《不屈の独創力》X=2以上でまとめて巻き込んでくる点には注意されたし。可能な限り《ドビンの拒否権》も構えながら出すとよい。
ここ最近は未熟者氏の記事により、《ナーセットの逆転》が標準装備になっているようなので《思考のひずみ》を打つ時は必ずケアしながら打つことを心掛けたい。
・グルール機体 - 有利
-2《サメ台風》
-1《伝承の収集者、タミヨウ》
-1《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-1《不連続性》 ※後手:《検閲》
+2《ポータブル・ホール》
+1《方程式の改変》
+2《龍王ドロモカ》
基本的には有利なマッチアップだが、先手の《ラノワールのエルフ》から《無謀な嵐探し》だけは明確な負け筋。
《ポータブル・ホール》や先手の《冥途灯りの行進》などでマナクリを除去しつつ、《厳しい試験官》で《エシカの戦車》や《ヴォルダーレンの興奮探し》を牽制したい。
ここ最近はアゾリウスロータスへの殺意マシマシで《丸焼き》3枚~4枚取っているリストが目立つので気を付けること。
・奇怪な具現 - ガン有利
-1《太陽の勇者、エルズペス》
-1《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-3《至高の評決》
-1《不連続性
+1《方程式の改変》
+4《ドビンの拒否権》
+1《サメ台風》
※ケルーガ型で《思考のひずみ》が入ってくることが予想される場合は《ナーセットの逆転》も入れる
このデッキを使い始めてから波を引いたように当たらなくなったので何とも言えないが、非常に有利なマッチアップ。
恐らくアゾリウスロータス流行による最大の被害者。
《厳しい試験官》が実質2マナの《エリシュ・ノーン》として働く。神。
カウンターのないメインでは《告別》で全てが終わるし、そうでなくても《厳しい試験官》を並べるだけで相手は泡を吹いて倒れることだろう。
とはいえサイド後はカウンターが大量に入ってくるため、迂闊な動きは禁物。《記憶の氾濫》でじっくり戦っていくべし。
・ミラー - 運と実力次第
-1《冥途灯りの行進》
-4《厳しい試験官》
-2《至高の評決》
-2《告別》
+1《ナーセットの逆転》
+4《ドビンの拒否権》
+1《サメ台風》
+1《思考のひずみ》
+2《龍王ドロモカ》
《睡蓮の原野》を踏み倒す時しか強くなく、ただの2/1/3飛行になる《厳しい試験官》は全て抜いて有効牌と入れ替える。
相手が抜かずに出してきた場合、遠慮なく相乗りさせてもらおう。この《厳しい試験官》の差はかなり大きく、その差で勝つ事もしばしば。
基本的に青白ミラーと似たような形になる。こちらのターンで打ってくる《記憶の氾濫》《サメ台風》は《不連続性》で後腐れなく対処ができる。これは相手も同じことが言えるので、注意しておくこと。
こちらのターンで動く分には数枚のソフトカウンターと《ドビンの拒否権》4枚ぐらいしかないので、それを考慮しながらカウンターを切らせていく立ち回りをしていくといいだろう。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》が出る前に《思考のひずみ》を通すと大体勝てるが、《不連続性》《ナーセットの逆転》にはご用心。
■おわりに
アゾリウスコントロールを使い続けてきた私だが、《厳しい試験官》から《睡蓮の原野》→4T《ドミナリアの英雄、テフェリー》+《睡蓮の原野》、そのまま《不連続性》か《記憶の氾濫》・《放浪皇》を唱える動きという麻薬の中毒者になってしまった。
勝ち方が豪快なデッキでありながら、《睡蓮の原野》を踏み倒せるターンでも一旦構えて相手の動きを挫いてからアクセルを踏み出すなど、繊細な立ち回りが求められるデッキでもある。
皆さんも一緒に《睡蓮の原野》を踏み倒していこう!
了