陳腐化ということ

ご無沙汰してました。読んでくれている方がいればありがとうございます。

さて、タイトルの陳腐化。

時は流れ、技術は進歩して新しいものがどんどん生まれてくるわけですが、一度生まれたものは当然その時点で進歩は止まり、その機能や性能の優位が徐々になくなっていくことをいうのだと思います。よく兵器の進歩なんかを論じる時に使われる言葉です。

もっとも最近は、ファームウェア(中身のソフトウェア)の書き換えでアップグレードできるものも多いし、改修などで性能を向上したりすることもありますが、基本設計やハードウェアの制限から、それにも限界があります。

僕が普段手にする道具は楽器な訳ですが、楽器ってあまり陳腐化するイメージないんじゃないですか?

実はピアノもサックスやフルートも、メーカーでは今でも研究開発が続けられ、機能・性能と音色がより磨かれたモデルが日々生み出されてはいます。

しかし一方でとっくの昔に生産の終わった古いモデルを直しながら、時にはその不便さをこそ愛して使い続けられる(場合によってはそういうモデルが高値で取引されたりもする)のが楽器の世界です。その意味では陳腐化とは無縁のように思えます。

そんな中でも陳腐化が問題になる楽器があります。

電子楽器です。

電子楽器でも、70〜80年代の古いアナログシンセサイザーなどはその唯一無二の個性が愛され、今でも高値で取引されます。チューニングの不安定さすら愛される幸せな楽器。

問題は、電子技術の発達によって生まれたデジタルの、特に生楽器の音を録音して使うPCMと呼ばれる方式の楽器です。

CPUが高速化とメモリの大容量化の勢いは止まるところを知らず、それは電子楽器の音質と表現力の向上をドンドン進めます。10年も経てばもう新しい楽器に太刀打ちできません。

個性的な音が出るシンセサイザーなどはその限りではありませんが、電子ピアノなどはまさにコレです。

僕の使っているピアノタッチのシンセサイザーは2008年頃の製品ですが、今でも十分使用に耐える音色が多い一方で、ピアノ系の音色などについては他の最新電子ピアノに比べると陳腐化は否めず・・・。

今の楽器を買った頃はねぇ(2013年。当時会社員でした)、そのクオリティの高さに弾くたび喜びを感じていたのですが、今音楽家となり、日常的に生のグランドピアノに触れられる環境になり、また楽器店で最新式の電子ピアノに触れる機会も日常的に出てくると、陳腐化を感じずには居れません。

贅沢な話なんですが。

それがわかるだけ自分の耳が肥えたということでもあるので、悪いこととは言えないのですがね。

つまりは

やっぱりグランドピアノ(とそれが置けるスタジオ)が欲しいなぁ

ということでしたw

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