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子どもにとっての「楽譜」の受容

レッスンでの気づきをちょっと書いておきます。

ピアノのレッスンを始めると、普通は同時に楽譜の読み書きの仕方も学び始めます。この受容の仕方にはかなり個人差がありますが、共通して見られるものがあります。これは小学校低学年以下の生徒さんに多くみられるもので、3年生以上だと少なくなり、高学年以上になると、大体最初から理解できる方が多いです。

音符の種類と音の高さ、音符の位置までが一体化した(不可分?)のまま記憶されている

音符の種類というのは上に示したようなもので、音の長さをあらわします。

対して音の高さ(もしくは単純に「音」の違い)というのは赤矢印の様にタテ方向の音程の違いをあらわします。
なので、「ソ」と言えばそれが全音符であろうと八分音符であろうと関係ないわけですが、小っちゃい子たちはそうではない。

更に加えて横方向まで一緒くたに考えてしまうので、「同じ音!」と言われても混乱してしまうわけですね。
例えば上の譜例で行くと、1小節目の2つ目のG音と、2小節目の最後のG音は僕からしたら同じ音なわけですが、小さい子たちは同じ音には見えていない。だから、

赤矢印の音はどちらも「ド」の音ですけれど、読ませてみると最初の音は

「ド」

と読めても、2小節目のは

「・・・ミ?」

とか答えてしまったりする。

つまり、これらは楽譜の各要素が頭の中で整理されていないから属性情報が分離できなくて混乱した結果出てきた答えなんですよね。
成長してくると言語の扱いにも慣れ、そこから記号の意味とか扱い方もわかってくるので早いうちに規則だとか意味を理解してすぐ読めるようになるので、読譜は大人の方の方が早く習得できるんですね。

考えてみれば小学校低学年までは文字も学んだばかりでまだ十分に使いこなせず、知能的にもまだまだ未発達の分野が多いから仕方がないことなんですよね。それでも、時間をかけて色々な楽譜を読み、弾いて行くとそのうちスラスラと読めるようになりますので、教える方はカリカリせず、じっくりと付き合うことが大事なんだな、と思った次第。

楽譜読めないことで怒られて、楽譜が嫌になっちゃったら、ピアノも嫌になっちゃうものね。

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