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HIFIMAN RE2000 はイヤホン界のスーパーカーだ!

いやいや、こんな高級イヤホン買えませんってば。では何故こんな記事が!?

実はHIFIMAN JAPANの中の方から突如RE2000のレビューをしてみないかという打診がありまして、そりゃもう1も2も無く引き受けたのが事の発端でした。しかも、私の他の記事にも目を通したようで…

この打診の数日前に、店舗でRE2000の試聴をしていたばかりの自分には棚から降ってきたぼた餅‥いや、お誘いでした。

ちょっとその前に

今回の試聴機は一部付属品が足りないとのことなので内容物等には触れない事をご承知ください。

環境

基本的に使用した環境は次の通り。
プレイヤー・HIFIMAN SuperMini
イヤーピース・純正のダブルフランジ
ケーブル・純正の3.5mmシングルエンド
つまり純正で使用したという事です。

ざっくり言うと

上流から流れてくる音を正確に再現してくれます。見通しが良く、絹のように滑らかで繊細なんだけど、暖かさと力強さも内包している、そんな万能感溢れるイヤホンです。
と書いてはみたんですが、伝えたい気持ちが言語化出来ないのが非常にもどかしいんですよ!正直、何がどう良いのかが良くわからんのです。何だか知らんがとにかくよし!

音のバランス

音のバランスはこんな感じです。こんな感じだと思うんです。
高域:★★★
中域:★★★
低域:★★★☆
フラットなバランスだと感じます。ただ、RE2000はフラットなバランスとは少し違うと思っています。それは、入力された音を正確に反映していくからだと思っているからです。

と、書いては見たんですが、なんというか、そりゃそうだろうよ…としか言いようないですよね。でも、私としてはそう感じたと言いますか。
なんというか…各領域を誇張する事はないと言いますか。とにかく滑らかなんです。音域の繋がりだったり、音1つ1つの繋がりだったり、音の入り方、消え方だったり。それがフラットな聴感に繋がっているのかな。

全域において音の立ち上がりが鋭すぎず柔らかすぎず、絶妙な鳴り方です。そして解像度が高いです。目の前に端から端まで歪みがない8kのスクリーンが表示されているかの様です。

音の密度感がまた良いんです。音が痩せない感じです。例えば焼く前のパンの生地を持って左右に伸ばすと真ん中が薄くなりますよね。そこが薄くならず厚さを保っている感じです。
そして音の立体感がありますね。点ではなく面で鳴っているようで、音の層がはっきりと感じ取れます。低域はフロアから湧き上がってくるように、高域は頭上から鳴っているかのようです。

音の広がりは左右に広く、耳から5cmほど離れた位置から音が聴こえるように感じます。上下にはさほど広がりはないのですが、先に述べたようにしっかりと音の層を感じられます。前後への広がりはあまり感じられませんので、ライブ感を楽しむよりかは、音を楽しむというスタイルですね。

音の鳴り方

高域はどこまでも伸びる様な煌びやかさはありません。あくまでも誇張せず。刺さりそうで刺さらないやや柔らかめなんですが、解像度の高さ故かボケることもありません。

中域はボーカルがあったり主旋律があったりいろいろ忙しい領域です。広く見通しの良い特徴のお陰でどこかが埋もれたり、埋められたりということがありません。解像度の高さ、再現力の高さが際立つ領域なのではと思います。ボーカールやコーラスのハーモニーがとても素晴らしいです。

低域に☆が1つ付いています。先程は各領域を誇張する事はないと書きましたが、じゃあなんでついているのか。それは、低域の表現力が高いと感じたからです。これには驚きました。
ピアノはピアノとして弦が鳴っているし、エレキベースはエレキベースとして鳴っているし、バスドラムの強いアタックが体に届いているかのように感じるほどです。
低域をもっと強力にならすイヤホンは他に沢山ありますがこんなに多種多様な表現をするイヤホンは初めてです。低域の量感は多くないのに低音がキッチリ鳴っているので低音が不足しているなんて感じません。むしろすごく印象的です。

RE2000はどこかを強調する必要がなかったんです。欲しい時に欲しい量が質を持って鳴ってくれるのです。それは、イヤホンが受け止められる音のキャパシティが段違いからなんだと考えます。
筐体の作りこみ、そしてトポロジーダイアフラムのなせる技なんでしょう。HIFIMANの技術力の高さに感服です。

装着感やイヤーピース

重量級な見た目に反して装着感は良かったです。ただ、ベストポジションから少しでもずれるとすぐに耳が痛くなります。イヤーフックなどである程度固定する必要はありますね。

純正のイヤーピースはダブルフランジタイプが良かったです。
final Eタイプのイヤーピースも試してみましたが、左右の広がりが若干減り、低域が少し増える感じでした。
どれを選んでもあまり変わらなかったという印象です。イヤーピースで音が変わるイヤホンが多いので、この結果は意外でした。

私としてはダブルフランジのイヤーピースを付け、深く差し込もうとしないで耳の入り口に置く感じがベストポジションでした。
固定力が弱めなので密着度が高まるイヤーピースを選択しても良いと思います。final Eタイプはしっかり固定してくれました。

遮音性は普通です。イヤーピースを変えても大幅な改善は感じなかったです。

弱点はある?

イヤホン自体としての難点というと、重さと装着感、遮音性くらいですね。あとはまぁ価格ですよね…とは言え、是非とも手に入れたい逸品ですよこれは!

外部要因として、音源のアラが見えすぎてしまうところですね。適当な録音やマスタリングだとほんと適当に鳴るのが辛いです。
何というか、ピントのずれた写真と言いますか、画質の悪い写真を適当に現像して、その写真をハイエンドなカメラで撮り直して4kテレビで見るような?
わかってくれまかね、このモヤモヤとした感じ…

こんなのに似ている?

私としては、RE2000はヘッドホン的な音だと感じます。RE2000をお借りする前にfinalの平面駆動ヘッドホンであるD8000を聴いたのですが、それに近い印象を受けました。
平面駆動のドライバーはダイアフラムの歪みを極力減らしていった先にある技術です。(私の認識としては、です)
RE2000に搭載しているトポロジーダイアフラムも歪みを大幅に減らす事に成功した技術で、方法は違えど目指す方向が同じだから、同じ印象を持ったのかなと思います。

まとめると

RE2000はトポロジーダイアフラムという素晴らしいドライバーとそれを受け止める真鍮+金メッキボディで、入力されてくる音を余す事なく受け止められるのです。故に、どこかを強調しなくても良く、全域に渡って明朗で聴きやすい音を鳴らしてくれるのだと思います。

言ってみればこれはイヤホン界におけるスーパーカーなんですよ!
スーパーカーといえば繊細に組まれたハイパワーな大排気量エンジン!そしてその出力を受け止める強固なボディ!勿論、快適さやラグジュアリー感だってそなえています!
(DD1基では大排気量じゃねーだろとは思われるでしょう…でも、単気筒5リッターエンジンとかヤバイじゃないですかー!)

いろいろ聴いてみた

手持ちの音源で特に印象に残ったCDや曲など

ROCK / SEXY-SYNTHESIZER
シンセがバリバリな曲だって問題なし。広がりの良さのおかげで音があちこちで鳴っているのが楽しい。
くっきりハッキリとボワつかない低音、適度な柔らか味が聴きやすさと楽しさを増幅してくれます。

8BIT MUSIC POWER FINAL
あーっ!これはこれは紛う事なきファミコンの音!ファミコンが頭の中に入っているかの如く!
BAのイヤホンで聴くと、すごくシャープでおれは矩形派だぜ!という主張を強く感じるのですが、RE2000だと適度に角が取れてファミコンの音になるんですよ。
このCDを作るに当たって徹底的に作りこんだということが良くわかります。少ない音なのに、ちょっとしたパラメータの違う音もわかるというか、作曲者によって音が違うんだなーとよくわかります。

Consolation / Karafina
これはKalafinaの実力を引き出せたと言っても過言ではないのかも!Karafinaの魅力と言えば3人の歌声、そして梶浦さんの壮大な楽曲。曲によっては中域が分厚すぎてコーラスが潰れやすかったりするんだけどRE2000なら聴きやすいです。
アルバムの中では夢の大地が特に良かったですね。3人の歌声へ意識を向けても、曲全体を受け入れるような聴き方をしてもKarafinaの世界に浸れます。
Karafinaが好きな嫁ちゃんに聴かせたら「高校生の時だったら一日中引き篭もって泣き続ける自信がある」とのコメントを頂きました。

ガールズ&パンツァー 劇場版 オリジナルサウンドトラック / 浜口史郎(96kHz/24bit版)
ガルパン劇場版のサントラはなんか不自然な響きをしているんだけど、RE2000だと不自然さが薄まってだいぶマシに聴こえる。何故なのか。
オーケストラ・コンサートを聴いてみたいな〜

雨だれの歌 / チト(水瀬いのり)&ユーリ(久保ユリカ)
少女終末旅行の楽曲はどれも素敵なんですよ。その中でも雨だれの歌はRE2000で聴きたい曲ですね。
パーカッションとコーラスだけと言うシンプルな構成故に、1つ1つの音が丁寧に再生されるRE2000はうってつけです。
2人の歌声とバックのコーラスの響きの良さがたまらないですね。是非、コーラスに意識を向けて欲しいです。

地元愛♡満タン☆サマーライフ / 渡辺曜(斉藤朱夏)&津島善子(小林愛香)
いやね、Aqoursの曲を頻繁に聴くんですよ。ええ、ラブライブ!サンシャインですね。でまあ、地元愛♡満タン☆サマーライフ。これね、現時点でのAqoursの楽曲の中で最推しなんですわ。曜ちゃんと善子が可愛くてね…聴くわけですよ、真っ先に。
そしたらですよ、もうね、善子がマジ善子で…善子の声、なんか艶っぽくね?ってなってしまいまして、もう平静が保てないんですよ。心拍数が上がっちゃって。
特に出だしの善子パート!これが最高に可愛くて妙に色気があるんですわ。この曲の為だけにRE2000買う価値はあると断言出来ますね。善子推しなら尚更だよ!いやマジで!石とかに20万位つぎ込んでる?うん、だったら余裕じゃないの!さあ!!迷ってる時間なんてないぞ!もうそこまできてるんだ!手遅れになるぞ!!!

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