【MEMBER INTERVIEW vol.5】坂口裕太さん
WEBディレクターとして活動する一方で、横浜18区をモチーフにしたキャラクター「Yocco18」を通して地域の魅力を発信する坂口祐太さん。生まれ育ちが横浜で、起業するタイミングで都内から横浜に戻ってきました。mass×mass入居後にはじめた地域活動が現在のプロジェクトにつながっていきます。今回は、坂口さんがなぜ地域の魅力を発信するプロジェクトを始められたのか、伺いました。
横浜のことを知っているようで、意外と知らないと気づいた
横浜に住んでいる人に改めて横浜の良さを知ってもらいたい、何気ない発見を楽しんでほしいと、キャラクター原作者の遠藤さんと立ち上げた「Yocco18」。市内18区をモチーフにしたキャラクターを通して地域の魅力を発信しています。
現在は、Twitterでの発信に力を入れており、商業施設での企画展やプロモーション支援など、地域に根差した活動を行っているそうです。まずは、坂口さんが地域の発信を始められた経緯からお話を伺いました。
坂口さんが地域の魅力発信を意識しはじめたきっかけはなんでしょうか?
「起業するタイミングで都内から横浜に戻ってきてmass×massに入居しました。そこから地域の方々とのつながりもできてきたときに自分は『横浜のことを知ってるようで、意外と知らない』と感じることが多くなっていったんです。
横浜ってじつは広いんですよね。中心部周辺でも横浜橋や藤棚、六角橋など面白い商店街があります。関内、みなとみらい、横浜駅の周辺にも面白い場所があるんですけど、意外と知らないことが多い。そこで、地域を知るために街歩きイベント「ハマブラ!」を横浜商科大学の秋山先生と始めました。
まずはFacebookで参加者を募集するところからはじまり、毎回20〜30名くらいが集まり、特定のエリアを一緒に巡っていきました。地域のキーマンになっている方に案内をしてもらい、およそ3時間かけて史跡や面白い場所を紹介してもらいました。
どの地域でも新しい発見が必ずあって、参加者の中にはイベント後にまたそのエリアへ行ってみたという方もいるほどでした。
ほかの都市と比べて見えてくる横浜の姿
ハマブラ!の活動が徐々に地域の人たちにも広まっていき、いわゆる地域のキーパーソンと言われる方々も参加するようになっていったそう。
そして、「開港5都市景観まちづくり会議」(以下、開港5都市)の実行委員の方から坂口さんに声がかかります。
開港5都市は幕末に開港した5都市で交流を深め、課題を協議しまちづくりをどう進めていくか共有していく場です。
それぞれの都市の方々と交流できる素晴らしい機会ですね!参加してみていかがでしたか?
「5都市あるので、5年に1度持ち回りで開催されます。横浜側が運営する2019年の大会から実行委員になりました。
お互いに他の都市を見ることで、自分の都市の特徴がより見えてきます。参加者として他の都市へ行く際も勉強になることが非常に多いと感じていました。
一方で、函館や長崎と横浜を比べたときに、都市の規模感が違ったり、抱える課題の違いがありました。
また都市や参加者の性質も異なるので、上手く情報共有しきれていないことも課題として感じています。
今の関心としては、この歴史ある集まりを今後どう未来に向けて有意義なものにできるかです。まだ答えは出ていないんですが1つの課題として、考えていきたいです」
他の都市の大会に参加してみて、横浜の魅力はどう感じましたか?
「函館を訪れると街中いたるところに古い建物が残っています。そこで感じたのは、横浜らしさは建物といったハードだけだと表しづらいなと。やはりソフト面も力を入れていかないといけないと考えるようになりました。
日本大通り、みなとみらい、大さん橋など横浜にも景観の良い場所がたくさんあります。一方で、東京のように世界中から人を惹きつける最先端のストリートファッションや、食事のレベルの高さが横浜には足りないと感じます。
そう考えると、横浜はソフト面の魅力を増やしていかないといけないなと思いますね。
ただ、開港5都市に関わっていると、知れば知るほど横浜の魅力ってすごく難しいと感じることが多くなりました。
都市的な部分だと東京に負けるし、景観や港町らしいのんびりした雰囲気は函館とか長崎がすごく良い。横浜はよくいえばバランスが良いのかもしれないですけれど、どっちつかずな印象があるんです。なので、いまは模索中ですね」
Yocco18のコラボ活動について
ここまで、坂口さんが地域の魅力を発信するバックグランドについて伺ってきました。
ここからはYocco18の活動について伺っていきます。Yocco18はTwitterをメインに発信をしながら商業施設とのタイアップ企画などを行っていますが、具体的にどのようなプロジェクトをしているのか、またTwitterの運用についても伺ってみたいと思います。
代表的なものをいくつか教えていただけますか?
「西武東戸塚S.C.さんとYocco18コラボ企画として、『Yocco18パネル展』を開催しました。
プロジェクトの紹介と各キャラクターのプロフィールをパネルにして展示、紹介しました。
横浜市にはいろんな区があって、様々な特徴があることを、キャラクターの設定やデザインの由来を通して知ってもらうために行いました。
もう一つは、天王町商店街とコラボして、オリジナルキャラクター「とばりちゃん」が誕生しました。商店街の商品券や、商店街加盟店を示すステッカーにこのキャラクター使っていただく予定です。その他にも商店街の販促物にもこのキャラクターを使っていただく予定です。」
普段はTwitterをメインに発信されているとのことですが、どのように運用されていますか?
「毎日、各キャラクターがその区の見どころを紹介するツイートをしています。ほとんどの投稿が肩肘張らずにやってますね。マリンタワーに行ってきましたとか。
毎回反応してくださる方もいて、毎日地道に発信し続けることで応援してくださるフォロワーさんが増えてきたと感じています。
地域の魅力をまちづくりに関心ある人だけでなく、もっと幅広く一般の人にも届けたいという思いが強くあります。それで、拡散性があって、比較的若い人がやっているTwitterで発信しています」
ツイートする時に心がけていることはありますか?
「自分たちが実際に行って感じたことを紹介するようにしています。写真も基本的に自分たちで撮ってきたものを使っています。なので、土日はだいたいどこかへ行ってますね!」
マスマスは地域で活動する人たちとの繋がるきっかけになった場所
ここからはmass×massをどのように活用しているのか。また、どんな印象を持たれているのか。率直な感想を聞いてみます!
マスマスに入ったきっかけを教えてください!
オンオフをしっかり分けるためにも自宅と仕事場も分けたかったというのがあります。またひたすら仕事だけをするような場所ではなく、地域に根ざして繋がりをつくれるような場所を探していたのでmass×massを選びました。
現在もメインの仕事場として活用しています。集中したいときはコワーキングスペース、リラックスしたいときやお昼休憩のときはラウンジエリアのソファー席を利用しています。
マスマスはどんな印象でしょうか?
mass×massはバランス感がちょうど良いと感じています。他のシェアオフィスは広過ぎたり、きっちりし過ぎて堅い印象になっていたり、逆に雑多な印象になっているところもあります。
自分にとってマスマスは、集中して作業ができる空間とリラックスできる空間が分かれているところがいいですね。
お客様と電話でやりとりもするのである程度静かな環境なのもちょうどいい。
会議室で打ち合わせすることもありますが、クライアントの方からも好評を頂いています。
マスマスに入居してから、さまざまなイベントを通して地域で活動する人たちと繋がる最初のきっかけを作れたところもとても良かったです。それから自分でもイベントを主催するようになり、さらに関係性が広がっていきました。
今後のビジョンについて教えてください!
「身近な地域を知り、楽しむ」というコンセプトを突き進めていきたいですね。
横浜は大きい街なので、経済団体、建築家やクリエイター、地元商店街など様々なプレーヤーがいます。魅力的なスポットや人が多いのです。一方で、そうしたプレイヤーと地域で暮らす人々の間に壁を感じています。Yocco18は親しみやすいキャラクターのコンテンツなので上手くその垣根も崩したいと考えています。
Yocco18はまだ駆け出しのプロジェクトですが、大型ショッピングセンターや地元の商店街、公共施設、地元のアーティストなど、ジャンルを超えて幅広い繋がりができつつあるので、これからも地域で活動するプレイヤーの間に入って、みんなのパワーを一つにできるような存在になれれば嬉しい。
一つずつ信頼関係を築き長期的に実現して、地域に貢献できればと思います。