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今週読んだ本「毎日を好きなことだけで埋めていく」「雲を紡ぐ」

とにかく本が好きで読むのがとても速いため、基本買わずにすべて図書館で本を3〜4冊ずつ借りては読んでいる私の読書記録。(いいよと聞いたらその場ですぐにオンライン予約)

メンタル系?考え方系の本を1冊と、小説を1冊読みました。
小説がものすごくものすごく良くて、大ヒットですごく嬉しくなりました。
(そしてついに本が尽きてしまったので図書館に借りにいかねば)
お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!」も読んだのだけど、知っている情報ばかりで得られる新しい情報はなかったので、感想は割愛。(すごく人気でなかなか借りられなかった本なんだけど)

31.毎日を好きなことだけで埋めていく

手元に置きたい度:★☆☆☆☆

姉に勧められて読んでみた本。
少しずつ毎日を面白いものにしていきましょうよ、というお話でそのための考え方や、やり始め方が書いてある。

人が最期を迎えるときに最も後悔するのは以下の5つだそう
・人の期待に沿うのではなく、もっと自分が望むように生きるべきだった
・あんなに一生懸命働かなくてよかった
・もっと自分の感情を出せばよかった
・もっと友達と連絡を取ればよかった
・自分をもっと幸せにしてあげればよかった

私は1番最後を1番今叶えてあげたいなと思う。
そんなに顔色をうかがいながらビクビクとしている性格ではないし、仕事上では「いやです」とキッパリと断るほう。
でも、私の「上海で暮らしたい」「友達と旅行をしたりしながら楽しく過ごしたい」「毎日ぐっすり眠れる環境でいたい」というこの3つを叶えられずに、ぐううううううと常に苦しいなあと思いながら、いやいやだやりたくない、いやだいやだここにいたくない、をやってしまっている。
そして幸せを感じられなくて眠剤に頼る生活。

いくつか、嫌なことを減らしていく方法が書かれていたのでメモ。
・自分が何かしようとしたときに自分の中に色んな看守がいて「それをするとこれが危ないぞ」「やめたほうがいい」「よくない」とストップしにかかる。それを「ウケる〜!そんな考えもあるんだね」て言いながら脱獄しましょう、と
・何かを得るには苦労しなくてはいけないという思い込みから離れる
まずは毎日たっぷり寝る(3日間まずはやってみる)

・日常の中で「本当はイヤなんだよな」を書き出す
 → そっか、そんなことが嫌だったんだねーと自分をねぎらう
 → 3回に1回はそのイヤなことをやめてみる

・イヤなことを味わったら、その時の気分をしっかりと覚えておいて、もう2度とやらない(紙に書いて、ゴミ箱にポイする、ともあった)
・時間、お金、人間関係を自分ファーストにする

こんなことをしながら、少しずつ少しずつ心のリハビリをして、「イヤなことを苦労して耐え抜く」から「楽しいなあと思える方向に向かえる心の羅針盤を持ちましょう」という。
そして「小さな1歩ぐせ」「つまみ食い」「にわかファン」をして、いきなり全部変える!じゃなくてちょっとずつちょっとずつやりたいことをやってみようよ、と。

その他色々と、本来の自分のいきいきとした状態に持っていくには、ということが書かれていて、「これいいかもなあ」と思えることと、「これは私には違うかなあ」とかがあった。
ものすごい、いい!刺さった!てわけではなかったけど、マイナスの状態からまずは0を目指しましょうよ、ていうのが基本なので、ガツガツとした自己啓示本というわけではなかったので読みやすかった。

32.雲を紡ぐ

手元に置きたい度:★★★★☆

上司におすすめされて読んだ小説なんだけど、すっごくすっごく良かった。
出だしから最後まで一気にがーーーーーーーーーーっと読んでしまった。
そして感動して最後は泣きまくった。

自分の気持ちをうまく表に出せなくて、乾いた笑いを顔に貼り付けてしまっている女子高生が主人公。
高校生特有の残酷なからかいにあってから、学校に行こうとするとお腹を壊してしまって不登校になってしまう。
そして家庭内も、父母同士もうまくいっておらず、父母それぞれ職場でもうまくいっておらず、そのイライラも子どもである主人公にぶつけられがちで、「はっきり言いなさい!黙らないで!」「甘えてないでちゃんとしなさい!」ととにかく母と義母に責められ続ける。
というしんどい状況から始まる。

そこで、自分が大切にしていた宝物を捨てられてしまったこと(人生で2度目)をきっかけに家を飛び出して、1度も行ったことのなかった父方の祖父が住んでいる岩手の羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげているホームスパンの工房へと行く。

よく逃げた!よかった!ていう思いでいっぱいになったし、「森崎書店の日々」のときも思ったけど、逃げ出せる居場所があってよかったなあと思った。(しかもすごく素敵な場所)

それを迎えてくれた祖父の優しさ、洗いたての羊毛が生クリームみたいにふわふわしているところとか、染めた羊毛や紡いだ糸の美しさ、それを織り上げ、触れたときの素晴らしい感動、工房の周りの美しい自然の風景、従兄弟やおばさん、街の人たちの優しさや、そしてきちんと主人公を受け入れてくれたうえで叱ってくれる世界。

そういったことからだんだんと、自分が何が好きで何をしたいの?が考えることも許されなかった世界から抜け出して、ちょっとずつ、「きれい」「素敵」「こういうのがいい」と自分を表現できるようになっていく様子がすごく優しく丁寧に書かれていて、私自身も心を解きほぐされていくような癒やされていくような気持ちになった。

あとは、文中に出てくる宮沢賢治の絵本やそれに出てくる鉱物、ナルニア王国物語に出てくる庭やお菓子など、映像が目に浮かんでくるような、そしてそれがすごく素敵で美しい表現で、ああ、いいなあと思った。

最終的には、家族同士も向き合い、自分とも向き合い、「自分の好きな色、好きなこと、やりたいこと」を見つけ出した主人公。
最後はとにかく号泣して感動して涙が止まらなかった。

読み終わったら、なぜだかわからないけど瞑想をしたあとみたいに、世界がクリアに見えて美しい世界にいる、と感じられた。
本を読みながら私も、主人公の美緒と一緒に、目に見えてくるもの、手で感じる感触、感じる匂い、といった五感を研ぎ澄まされていったような感じがした。
前回に引き続きすっごくいい本に出会えて幸せだー!
まだまだたくさん本を読みたい。

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