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通訳日記

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日伊通訳・現場の話
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#毎日更新

僕が通訳者になるまでの道のり

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 「日本語上手ですね」「ペラペラですね」「さすが通訳者ですね」など、よく言われている。この言葉には、マッシ=日本語を当たり前に話せる、の意味が少なからず込められているように思う。そう言う人たちは僕の現在の結果しか見ていない。 大学生になり、ようやく大人として学べる!と意気込んだ矢先に、まるで小学生に戻ったかのようにわからない事だらけ。社会人になって日本に来て、苦労しながら、泣きながら、毎日コツコツと勉強しつつ働いてきた結果

知らない言葉=プロの価値

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) Foodex Japanに出展しにきた、イタリアのハムやサラミの生産者に日伊通訳を担当させていただいた時の話。 展示会中に色々なことやエピソードがあったが、話したい内容はビジネスディナーのことである。 その日は和食の名店でのディナーだった。イタリア側の社長とその奥様、日本側の社長とその部下3人の計6人の通訳だ。 奥様は和食に非常に興味があって、出てくる料理に関するありとあらゆる質問をされた。もちろんメインはビジネスの通訳

商談通訳、展示会という名の戦場

皆さんこんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 先週は1週間、東京で行われたギフトショーに通訳しに行っていた為、Noteの更新ができなかった。今日は、展示会に行って気が付いたことを書いてみた。 僕は同時通訳の経験がある。だが、僕にとっては同時通訳はゴールではない。 同時通訳は考える時間もなく、1秒以内のズレで通訳しないといけない。頭の回転が早くないといけないが、現場のことを考えないのである意味楽だ。 逐次通訳は現場のことも考えないといけないし、本人と相手の間に

次世代の通訳者がやるべきこと

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 企業から見ると、通訳者は言語以外にメリットはない。 今後は通訳者が増え続ける中で、外国語が話せるというのは、もはやビジネスをする上で特別な事ではない。 通訳者は、言語以外の商品価値を自らに見出さなければいけない。 企業は何に価値を感じるか。売買がスムーズにいき企業同士のパイプが太くなる事である。 海外の企業は日本のビジネスマナー、会社の仕組み、やり取りがわからない。言語をベースにしてその上で、日本の企業にとって当たり前

大手との交渉から契約まで、具体的な話

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 今日は大手とのやりとりや事務的な現場の話だ。実際に頂いたメールを見せながら具体的に話そうと思う。 通訳者になりたいなら、何を勉強すればいい? 経験がないから、何から始めればいい? 社内通訳者からフリーランスになりたいが、不安。どうやって進めばいい? などなど、スキル向上やキャリアアップに対する抱えがちな不安がある。 上記の不安については、今までノートに書いたように、とにかく考えるより動くことで解決し、良いも悪いも不安か

僕とイタリア大使のラブストーリー

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 今日は久しぶりに通訳現場の話をしようと思う。 大型イベントで監督と舞台設計士の日伊通訳を担当させていただいた。依頼があったのは「イベント通訳」のはずだった。だが、3週間で毎日、変更があったり連絡が遅かったりしていたため、通訳以上の仕事をしてしまった。通訳が通訳以上の仕事をしてしまうのはよくある話だから、報酬と実際の働きを考えていては割に合わない。だが、確実に僕を成長させてくれるはずだ。そう自分に言い聞かせながら、無我夢中