マガジンのカバー画像

通訳日記

22
日伊通訳・現場の話
運営しているクリエイター

#成長

僕が通訳者になるまでの道のり

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 「日本語上手ですね」「ペラペラですね」「さすが通訳者ですね」など、よく言われている。この言葉には、マッシ=日本語を当たり前に話せる、の意味が少なからず込められているように思う。そう言う人たちは僕の現在の結果しか見ていない。 大学生になり、ようやく大人として学べる!と意気込んだ矢先に、まるで小学生に戻ったかのようにわからない事だらけ。社会人になって日本に来て、苦労しながら、泣きながら、毎日コツコツと勉強しつつ働いてきた結果

医療通訳と看護師の間にできた「絆」

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 病院といえば、患者さんやお医者さんがメインのイメージだ。ところが、本当に重要でメインなのは、看護師さんだということを、僕は知っている。 東京で医療通訳の大案件を引き受けた日から、言葉でうまく説明できないが、僕の人生が止まった。資料だけではなく、手術の動画も見て準備した。準備を進めれば進めるほど、性格や表情が変わってきた気がした。 大学よりも専門学校よりも、現場の経験が最大の学びだ、とよく言われている。 僕にとってこの1

有料
100

「海苔」と「イタリア大学教授」の間の通訳者

海苔を研究するため来日していた、イタリアの大学教授の通訳を担当させていただいた話である。 今、冷静に考えて当時のことを思い出すと、まるでドラマのようであったと振り返ることができる。海苔に情熱と愛情を持つイタリア教授と、船生活と、1日3食とも海苔、という僕にとって長い1週間だった。 時差ボケと寒さの戦い 案件ごとに現われる、新たな地獄を丁寧に説明したいと思う。 あの頃は非常に忙しく、国内外の出張が多かった。今回お話する案件の最初の地獄は、始まる前に起こった。 「時差ボケ」であ

通訳者はスパイ!?

あるイタリアの会社は常連で、現場工事では技術者通訳、会議ではビジネス通訳、とても仲のいい北イタリアの会社だ。 今回の話は、イタリア出張に行く前日の、日伊通訳会議のことである。 当日は、東京で朝から会議がスタートするため、前泊をし、北イタリア会社の社長らと、打ち合わせを行った。そして、夜は社長奥様のたっての希望で、渋谷へ行く予定となった。 無事、打ち合わせが終わり、さぁ、渋谷へ! 大体が僕の今までの経験上、こういった希望というのは思わぬ形で覆されがちだ。 食べに行く前に、奥

次世代の通訳者がやるべきこと

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 企業から見ると、通訳者は言語以外にメリットはない。 今後は通訳者が増え続ける中で、外国語が話せるというのは、もはやビジネスをする上で特別な事ではない。 通訳者は、言語以外の商品価値を自らに見出さなければいけない。 企業は何に価値を感じるか。売買がスムーズにいき企業同士のパイプが太くなる事である。 海外の企業は日本のビジネスマナー、会社の仕組み、やり取りがわからない。言語をベースにしてその上で、日本の企業にとって当たり前