見出し画像

バツイチ後の恋愛

今度はウォーキングに行きたい。

ランチをした翌日のメッセージで早速次のデートのお誘いがあった。

食べてばかりは嫌だから動きたいと。


しかもすぐにwhatsappにも食べ物の写真が飛んできて、これウォーキングに持っていくから一緒に食べようって。


木曜日がランチだったんだが、二日後の土曜日がウォーキングに決まった。


なかなか乗り気だな。

でも焦ってはいけない。

ゆっくり時間を掛けたい。


彼女の家の近くの公園で歩くことになった。

彼女は2人の子供たちと一緒に暮らしていて、1人暮らしの僕よりは断然忙しい。

僕の家から車で50分くらいなので近いもんだ。


土曜日は仕事だったが早上がりだったので、終わるや否や着替えて車に飛び乗った。

もちろん早く着くのだが気にしない。

知らない場所だったので歩いてみた。

池の周辺に散歩道が張り巡らせれている。

そんなに大きな池でもない。


待ち合わせの時間になってメッセージが来た。

着いたよ。

今回はカジュアルな服装だった。

グリーンのトップに黒のレギンス。


ぶらっと池の周囲を歩いた。

30分くらい歩いた後、座って話したいということでベンチに腰をかけた。


クッキングペーパーを広げ、その上に食べ物の入ったコンテナを置いてくれた。

お互い消毒液で手をこする。

インドネシア人の友達が作って持って来てくれたという野菜のかき揚げのようなものと、オーブンで焼いた惣菜系のパンのようなものを出してくれた。

美味しい。

外で食べてるし誰かと食べると尚のこと美味しい。


そして彼女がこっちにきちんと向いてちょっと真剣になる。

「サングラスをとって。目が見えないから」

木曜日の時とは違ってかなり踏み込んだ話をした。

お互いのこと、お互いの前の相手のこと、子供のこと、オンラインデーティングでの成果など。


「私はあなたに集中したい」

貴重な時間を使うんだから真剣に付き合いたいと。


ちょっと予想外だった。

こっちの感覚だと軽く付き合いながらお互いに距離を縮めていくような感じだと思うんだけど、ちょっと日本に近い感じがした。

「お付き合いしましょう」みたいな。


向こうが真剣にくるなら僕も真剣に向き合うべきだなと思ったので全てを話した。

実は彼女に会う前にもう1人会う約束をしていた人がいる。

それが来週末。

これはどうしたらいいか聞いてみた。

行って欲しくはないけど、あなたにお任せします。とのこと。


実はかなり時間を掛けてそこまで漕ぎ着けた人だった。

チャットで話してもいつも一行か二行の返信。

毎日ではなく何日かに一回かだけログインする。

粘って粘って電話番号の交換まで行ったのになぁと思いながら。


でも誠実な人には誠実で返したい。

断ることにした。


その旨を彼女に伝えた。

もうついでだからマッチングアプリも消そう。


元々何もなかった、誰もいなかったわけだから、今回がダメでも振り出しに戻るだけ。

だいたいコツもわかったし、あとは運と巡り合わせだけ。

また新しい出会いがある。


10代20代の頃とは違って惚れた腫れただけで恋愛は成り立たないとしみじみ思った。

体験も豊富になり、失敗も経験し、もっと機能的に客観的に話は進むんだなぁと思った。

とても冷静でこういうやり方はまんざら嫌いではない。

好きだ、気になるっていうのはあるけれど、それでも一歩引いて冷静に自分達の将来のことを語り合えるっていいなって。


そして国が違うからまたそれがなおのこと興味深い。

大まかな考えとかはお互い気が合うだけあって同じなんだけど、それに付随する文化の違いからくるものとかはとても僕の好奇心をくすぐる。

そして出身地を背景にした本人の性格。

違うから分かろうとする、あの感じ。

話していて楽しい。

お互い第二外国語同士だから通じないこともある。

スマホでお互いの言葉に翻訳したりしながら楽しい時間が過ぎた。


そして更に興味深かったのは、別れた後に家に帰ってきてから「僕もあなただけで行きます」って伝えた後のチャット。

「ちょっと話せる?」

「いいよ、どうぞ。」

「セックスについてなんだけど。」

おぉ、直球で来た。

思わず笑ってしまった。

でもこれが面白いところ。

オープンに話し合う。

「セックスはどれくらいあなたにとって重要?」

話しているうちにお互いの考え方がわかってくる。

自分が思うことをお互いが出し合って楽しかった。

またちょっと彼女を近くに感じた。


まだまだ知らないことはたくさんある。

でもこうやってお互い時間を掛けて近づいていくのは面白いなあって。

振り返ると若い頃はなんか急いでしまった感じがする。

相手のことを知ってるつもりになっていたかもなぁ。

子育てや仕事で忙しくてそれを言い訳にして全然気を使えてなかったと本当に思う。

本当に悪いことをした。

でも当時は精一杯で気付くことも、気付いたとしても直すことも出来なかった。

ただただ未熟だった。


でも終わったことだ。

仕方がない。

次へと活かすのみ。

それがせめてもの報いだと思う。

お返しだと思う。

本当にありがとう。

感謝の念が湧いてきた。


今度は幸せになり、幸せにしたい。

幸せに生きたい。


会話の重要性を再認識した今回でした。















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?