散文詩:紅葉と鎌
話してくれてありがとう
君は何度も繰り返していたね
自分は弱くて価値のない人間だって
だから自分を傷つけていたんだと
続きはこの先に進みながらにしよう
どうだい?この景色は?綺麗…
画像で見るだけでも癒されるほど…
この名所の紅葉にそれだけ
感動できる者が自分に絶望したなんて
全くもって信じられないな
さあ診断はこれで終わりだ
君は弱くもないし
価値のない人間は
自然を美しいなんて感じないさ
君は傷つけられても
その痛みを他人に向けて
逃れようとしなかった強者だ
私が言うのだから間違いないさ
だからこれから一度だけ職務を放棄して
君を人間世界へ戻すよ
バレたらこの大鎌を閻魔様に
取り上げられるだろうけどね
なんせ死神の私が死人を
生き返らせるのだから
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