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クライミングロープマット

かれこれクライミングを始めて10年(まだそんなもんか……)ちょっと経った。ボルダリングが非常にブームになっているけれど、今回は同じクライミングでもロープを使うクライミングの、そしてリタイアロープを使ってマットを作った話を書いてみようと思ます。

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大まかにいうと、クライミングのロープは大体60~80mくらいの長さがあって、太さは8~10mmくらいのものを使用して岩や山そして氷を登っていきます。使用していると岩や氷の表面で擦れたり、ギアともこすれるので摩耗していきます。そうすると命を預けるには安全ではなくなるので、通常はリタイアさせて、負荷が掛からない用途に再利用したり廃棄されたりするわけですが、今回は以前からやってみたかったクライミングロープのフットマットづくりにチャレンジしてみました。


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大きさはこんな感じ
Miuraがヨレヨレだ、、、


パターン・設計図をダウンロードして、準備できたら製作開始です。ぶっちゃけそのサイトとやってることは同じなので、改めてnoteに書く必要はないんですけど、やってみての感想とコツやポイントなんかを書いていくことにします。


パターンは本来なら等倍でプリントしたいんですが、出力時の長辺が900mmくらいもあるので、まずはA3サイズに縮小してそのA3を4分割(A5サイズ)したものをそれぞれA3サイズに拡大する方法をとりました。そうするとほぼ本来のサイズにパターンを起こすことができます。厳密な等倍ではないパターンですが、製作してみた感じは全く問題なくマットを完成することが出来ました。
ファイルはPDFなのでコンビニのコピー機でも問題なくプリントアウトできると思います。ただ、設置されているコピー機によっては、プリント時の用紙サイズが大きすぎる(A1くらいになる)ので受け付けてくれない機種もあるので注意が必要です。

それを800mm×700mmくらいの木製ボードにテープなんかで固定して、18か所ある釘マーク部分へ釘やネジを打ち付けます。飛び出る部分が30mmくらいはとれる長さのものがいいと思います。短いとロープをしっかりホールドしてくれないですし、長いと邪魔なのとロープをくぐらせたりの遊びが出来過ぎてしまうので30mmが適当かと。

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さてそんな感じで準備ができたら、パターンの指示通りにロープの1周目を完成させます。ここで最も大事なのは、1周目でいちどダブルチェックするということです。下の写真はその1周目を巻き終えたところですが、私はそのまま確認を怠って2周目に突入して、上下が違う場所を発見してしまい、一度解いてやり直す羽目になりました。。。
あと、Kink(ねじれ)も取っておくと、のちの作業が楽です。

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このどこが間違っているかというと、左上の頂点部分を見てもらうと分かると思います。本来であればロープの交差は全て互い違いになっている必要がありますが、10時5時方向に渡されたロープの上に、2時7時方向に延びたロープが両方とも乗っている様子が確認できるはずです。製作動画でもインストラクターさんがチェックしましょうと話していたんですけど、駄目ですね確認を怠っては。

Measure twice, cut onceならぬ、Check twice, do it onceです。

さて、2周目3周目と進んだ写真が下の2枚。3周目に入ってくると、いよいよマットっぽくなってくるので、モチベーションも上がってきます。最終的に5周巻きのマットになります。

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さて、今度はここで3周巻き終わって4周目に入った上の写真を注意してみてもらいたいのですが、右下の釘部分で1巻きだけ釘の内側を周っているのが確認できるでしょうか?パターンには"Inside"と書かれているのですが、そこは3周目から内側に入ってきます。右下以外にも8つの頂点で内側を通っていく場所があるので、ここでも注意が必要です。


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4周目が終わると、いよいよゴールが見えてきます。まだ1周分の隙間があるので、ここで全体のロープのたわみやテンション感を整えておくと完成時の見た目が綺麗に仕上がります。この辺になるとロープを通すコツが分かってくるので、流れに乗って5周目に入りたくなりますが、全て巻いてから修正しようとすると隙間が無く矯正に結構な力を必要とするので、ここで一旦止まって完成前の最終調整を行うことをお勧めします。
感じとしては、マットの形状が長方形になるように全体的なロープのテンションを整えるという感じです。最初は訳も分からず進めているので、パターンはキレイな長方形ですが、進めていくとロープが平行四辺形になりたがる感じなんです。それをぐいぐいしながら調節してあげる工程をここで挟んでおく、と。
あとは、外周の5巻き部分に隙間があったり、逆に詰まっていて重なってしまう箇所がある場合は、それも修正しておくと良いと思います。なかなかこのテンション感を言葉で伝えるのは難しいですが、全体を見ながら進めていると何となくここに書かれていることがお分かりいただけると思います。


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ハイ、完成です。左が処女作、右が2回目です。左の方は写真でいう上辺の5巻きがバラバラとしているように見えませんか?右上の角のロープの重なりも滑らかにつながっておらず、数字の3みたいになってロープの下をくぐっていたりします。右の方が全体的に均一ですし、目も詰まって隙間がありません。
末端処理については、私は地道にライターを使って処理しました。ヒートカッター(?)を所有している人はもっと簡単にできると思います。10mm径の60mロープで作成して、完成時に6mくらい余りが残る感じだったので、足りなくなるんじゃないかと心配はしなくていいように思います。8mm径だとどうなるのかは、ごめんなさい、分かりません。きっと大丈夫なのでは?と。

あと、マットは汚れてくるので、洗濯機で一度洗ったことがあるのですが、洗濯すると悲惨なことになります。ロープがねじれたりテンション感がバラバラになってしまうので、手洗いや高圧洗浄がお勧めです。もしくは5巻き分を糸で束ねて縫い合わせておく(かなり多くの箇所をする必要がありますが)と、洗濯機洗いも可能になると思います。

手洗いをして製作にかかりましたが、ロープを通して・引き抜いてを繰り返していると、やっぱり手は汚れてきてしまいました。リタイアロープなので、作成する前のロープの状態のときに一度お風呂で洗って、更にコインランドリーで洗っておくというのもありかもしれません。でもコインランドリーの利用規約に従いましょうね。

色々書いてみましたが、何枚か作って経験値が上がれば仕上がりは格段に上がると思いますし所要時間も短くなると思いますので、クライマーさんでリタイアロープが溜まってきた方は、今は時間もあると思いますので挑戦してみてはいかがでしょう。

もしロープが余ってるし作る気もない方は、私が利用したいのでコメントから連絡いただけると幸いです。


参考サイト
The EDELRID rope mat
How to weave a rope mat (EN) - YouTube

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