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マッサンのブロール構築記 ㉛ヴェロマカス・ロアホールド

1.はじめに

4月16日 ストリクスヘイヴン開講

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今回の新セットのテーマはとある次元の魔法の大学「ストリクスヘイヴン」。ユニークな大学が5つ存在し、考古学専門の「ロアホールド」、芸大に相当する「プリズマリ」、数学特化の「クアンドリクス」、生物学を学べる「ウィザーブルーム」、そして修辞学に秀でた「シルバークイル」の5大学が存在する。

さっそく世界中のMTGプレイヤーがこぞって授業を受け始めているようで、中には「ストリクスヘイヴンからMTGを始めました!」というプレイヤーの声も聞くことが出来、ピカピカの新入生を見るようで非常にほほえましい。今まさに、MTGは新生活シーズンなのである。

で、これらの大学だが、実はそれぞれの学長もカード化されている。何を隠そう、これらの大学はなんと、それぞれエルダードラゴンによって創設、運営されているのである。

今回紹介するこちらの統率者も、ストリクスヘイヴンの大学を創設した名誉あるエルダードラゴンのうちの一人である。

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《ヴェロマカス・ロアホールド》

こちらのロアホールドさん、考古学を志す学生がたくさん所属するロアホールド大学の学長様にあらせられる。自分の名前を大学にそのまま付けるとかどこぞのドラゴンみたいなことをしているのだが、それはええんだろうか。

今回はストリクスヘイヴン環境一発目、こちらのロアホールド学長様を使い、ロアホールド大学の門戸を叩こうとしよう。一体どのようなデッキが組めるだろうか?

2.こいつで何ができるのか

さて、コチラのロアホールド学長、一体どのような能力を持っているのだろうか。以下で確認してみよう。

《ヴェロマカス・ロアホールド》
5RW
伝説のクリーチャー ― - エルダー・ドラゴン
5 / 5
飛行、警戒、速攻
ヴェロマカス・ロアホールドが攻撃するたび、あなたのライブラリーの一番上からカード7枚を見る。あなたはその中から、マナ総量がヴェロマカス・ロアホールドのパワー以下でインスタントやソーサリーである呪文1つをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。

7マナ5/5飛行警戒速攻。非常にわかりやすく、強力なスペックを持ったドラゴンである。さらに、能力もかなり強力で、殴りつけるとライブラリーの上7枚を見て、その中から好きなインスタントかソーサリーを唱えることが出来る。

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「好きなインスタントやソーサリーを撃てる」。こんなに魅力的な能力もなかなかないだろう。今までマナが出しづらくて撃てなかったあんな呪文やこんな呪文がこのロアホールド学長を使うことで唱えられるようになるのである。

ただ能力、当然制約も課せられており、唱えられるインスタントやソーサリーは、ロアホールドのパワー以下のマナコストである必要がある。いかにロアホールド学長といえども、己の力量以上の呪文を唱えることはできないということだろうか。

というわけで、ロアホールドの言い換えると「殴ったときに踏み倒せる呪文のマナコストは5マナまで」となる。ちと物足りなく聞こえるかもしれないが、速攻でマナ相当の呪文を引っさげてぶん殴ってくるというだけで脅威である。この強力な能力の活用法を早速次で見ていこう。

3.こいつでどうやって勝つのか

さて、学長の能力をまとめると以下のようになる。

・殴りつけるとトップのカードを追放して、5マナ以下のインスタントやソーサリーを唱えられる(基本)
・パワーが増えるとさらに高コストのインスタントやソーサリーを唱えられる

この能力からわかるように、ロアホールドの能力を活かすためには一定数のインスタントやソーサリーが必要となる。それも、出来るだけ5マナくらいのスペルが望ましくなってくる。

なのだが、ここでちと問題となってくるのが、赤白というカラーリングの特性である。

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皆様ご存知の通り、赤白という色はどちらかというと殴っていく色の組み合わせなのだ。低マナ域のクリーチャーでガツガツ殴っていき、あっという間に相手のライフを削り切る、そういう感じの色なのである。実際筆者が以前に組んだ赤白のデッキも、装備品を駆使し、ガツガツ殴っていくデッキを作った記憶がある。

しかし、今回は違う。スペルを大量に搭載することを前提としたデッキであるため、クリーチャーをそこまで大量に搭載できない。クリーチャーを入れてしまうと、ロアホールドでめくれるカードの質が悪くなってしまうという問題点があるためである。

というわけで今回のデッキは、普通に考えられるデッキと真逆のデッキを作ることを目標とするわけである。具体的に言えば、今回の方針は「赤白でインスタントやソーサリーを基調にした非クリーチャーデッキを作る」となる。

さらにわかりやすく言えば、今回考えているデッキはコントロールデッキである。なぜコントロールデッキかというと、ロアホールドが7マナと重く、それまでキチンと生き残る必要があるのである。え?そんな真逆の方針できるの?と思うかもしれないが、意外とこの戦法、アリなのではないかと思っている。

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というのも、赤と白、それぞれ盤面をコントロールする手段にたけているのである。白はお得意の全体除去や置物対策、赤は火力で細かく相手のクリーチャーをつぶして行けるため、意外と器用に立ち回れるのだ。ちゃんとできるのかどうか、次の項目で確かめていこう。

4.どうやってデッキを組むか

それではロアホールド学長を中心にデッキを組んでいくわけだが、具体的に解決するべき項目は以下のようになるだろう。

・ロアホールドのパワーをどうやって上げるか?
・ロアホールドで何を踏み倒すか?

①ロアホールドのパワーを上げる方法

先にも挙げたが、ロアホールドは自身のパワー以下のマナコストを持つソーサリーやインスタントを踏み倒せる。一応自身もパワーは5あるのだが、パワーを上げた方がさらに踏み倒せるソーサリーやインスタントが増える。というわけで、何かパワーを上げる手段を考えてみよう。

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わかりやすい手段だと装備品が考えられるだろう。例えば《影槍》だと+1/+1修正が加わりパワーが6となる。絆魂もついてなお良しだ。ロアホールドが場を離れても再召喚するたび装備できるため、繰り返し使えるという意味でもかなり強力だ。

ほかにも、こういう選択肢も考えられる。

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《紋章旗》
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アーティファクト
紋章旗が戦場に出るに際し、色1色を選ぶ。
あなたがコントロールしていてその選ばれた色のクリーチャーは+1/+0の修整を受ける。
T:その選ばれた色のマナ1点を加える。

設置した際に色を選び、選ばれた色のマナを出すようになるマナアーティファクトだが、なんとこのアーティファクト、選んだ色のクリーチャーのパワーが1上がるという能力も持っているのである。ロアホールドの色は赤白なので、赤と白、どちらを選ぶかは状況によるだろう。

また、当たり前だがこのアーティファクトはマナが出る。これがかなり重要で、マナコストが非常に重いロアホールドを早期に唱えるいい手段となりえるのだ。赤白という色はマナを増やす手段に非常に乏しいため、このようなマナアーティファクトは貴重なのだ。

ほかには、せっかくロアホールドを使うので、こういう手段もいいだろう。

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《拡張解剖学》
3
ソーサリー ― - 講義
クリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンター2個を置く。ターン終了時まで、それは警戒を得る。

3マナで+1/+1カウンターを2つ乗せ、さらに警戒まで与えることが出来るソーサリーである。これがなぜ良い手段かというと、

①ソーサリーなのでロアホールドの能力で踏み倒しが可能
②一時的なコンバットトリックではなく、カウンターを乗せるため永続的な強化が可能

という理由が挙げられる。7マナ払ってロアホールドを使ったボーナスがこれかよ!という声が聞こえてくるかもしれないが、上記の手段は非ソーサリー、インスタント呪文であるため、ロアホールドの能力をすり抜けてしまうのである。まあ、平たく言えばハズレよかええやろの精神である。

ちなみにこの呪文、サブタイプに「講義」とあるが、ブロールにおいてはほぼ何の意味もないタイプである。無視してかまわない。

②ロアホールドで踏み倒したい呪文

お次は本題、ロアホールドで踏み倒していきたい呪文である。色々考えられるが、ここでは、ロアホールドが何もせずに踏み倒せる5マナ以下のソーサリー、インスタントに限って話をしていこう。

まず、こういう派手な呪文はどうだろうか。

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《嵐の怒り》
2RR
ソーサリー
嵐の怒りは各クリーチャーと各プレインズウォーカーにそれぞれ4点のダメージを与える。

クリーチャーとプレインズウォーカー全体に4点ダメージを与える呪文である。要は疑似的な全体除去なのだが、ロアホールドはタフネスが5に設定されているので、ロアホールドが生き残りながら他のクリーチャーを焼き殺すことが可能である。一気に焦土にしてやろう。

「ロアホールドが影響を受けずに全体を焼き払う」という点に焦点をあてると、こういう呪文も合致するだろう。

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《ドラゴンの介入》
2RR
ソーサリー
この呪文を唱えるための追加コストとして、あなたの墓地からインスタントかソーサリーであるカード1枚を追放する。
ドラゴンの介入は、ドラゴンでない各クリーチャーにそれぞれX点のダメージを与える。Xは、その追放されたカードのマナ総量に等しい。このターン、これによりダメージを受けたクリーチャーが死亡するなら、代わりにそれを追放する。
ドラゴンの介入を追放する。

コチラも全体火力なのだが、追加コストとして墓地のインスタントかソーサリーを追放する必要がある。仮にロアホールドの能力でめくれたとしても、この追加コストは支払いの義務がある。

ちと使いづらく感じるかもしれないが、そもそもインスタントやソーサリーを大量に搭載しているデッキなので、追放する呪文自体には困ることはないだろう。

この呪文だが、追放したカードのマナコストに等しいダメージを「非ドラゴンのクリーチャー」全体に与える呪文である。高コストの呪文を唱えておき、そのうえでこれを唱えると、ドラゴンであるロアホールド以外のクリーチャーを焼き尽くすことも可能だろう。

ほかに考えられるスペルだと、せっかくなのでコレも使いたい。

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《ロアホールドの命令》
3RW
インスタント
以下から2つを選ぶ。
• 赤白の3/2のスピリット・クリーチャー・トークン1体を生成する。
• ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは+1/+0の修整を受け破壊不能と速攻を得る。
• クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人と、プレイヤー1人を対象とする。ロアホールドの命令はその前者に3点のダメージを与える。その後者は3点のライフを得る。
• パーマネント1つを生け贄に捧げ、その後カード2枚を引く。

昔からのプレイヤーにはおなじみ、「2色命令サイクル」のカードである。以前は有効色の命令しかなかったのだが、この度ついに対抗色の命令がリリースされたのだ。学長の名を冠するこの呪文、使わない理由がないだろう。

これらの命令は、共通事項として「4つのモードを持ち、その中から2個選んで唱えることが出来る」というものがある。状況に応じて様々使い分けが可能ということだ。それぞれ能力を見ていこう。

まず1つ目は、赤白の3/2のスピリットトークンの生成である。これ自体は特筆することはないが、他のモードに合わせてクリーチャーを生成できると考えれば妥当である。

2つ目は、クリーチャー全体に+1/+0修正と破壊不能、速攻の付与である。ロアホールドの保護、パワーの底上げ等々色々使えるモードであり、最後の一押しにも使える能力である。

3つ目は、好きな対象に3点のダメージを与え、さらに自身(正確には選んだ対象)が3点回復するというものだ。いわゆる《稲妻のらせん》同様の能力を持ち、この命令の目玉能力といっても過言ではないだろう。

4つ目は、パーマネントを1個生贄に捧げると2ドローできるという能力である。かなりユニークな能力であるが、後半は余った土地などいらないパーマネントが多数あることだろう。これをドローに変換できるのはえらい。

5.サンプルデッキ

というわけで、コチラが新環境一発目のデッキ、ロアホールド大学新歓デッキである。今回もサンプルデッキをご用意したので、ぜひ皆様の新たなキャンパスライフに役立てていただきたい。以下のリンクからダウンロードできる。

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(画像クリックでMTGGoldfishに飛びます)

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とにかく早期にロアホールドをたたきつけることが目的なので、ありとあらゆる手段でマナと土地を増やし、さっさとロアホールドをたたきつけて殴りだすことを考えている。そのため、マナアーティファクトは結構多めに採用をしている。

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また、その間に相手に押しきられるとどうしようもないので、全体除去や序盤をしのぐための各種単体除去も採用している。バランス的には全体除去を多めに採用しているが、これはロアホールドからめくったときの派手さを考えている。最悪ロアホールドが犠牲になるが、統率者税を追加で払えば元気に帰ってくるので何も問題はない。

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また、インスタントやソーサリーはできることなら再利用したい。というわけで、新商品の《光輝の巻物使い》を採用。こいつがいれば、各アップキープに墓地のインスタントやソーサリーをランダムに1枚追放し、それをそのターン唱えることが可能となる。バクチ要素が強いが、こういう派手なデッキにこそ採用したいカードである。

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また、同様の理由で《イフリートの炎塗り》を採用。プレイヤーに戦闘ダメージを与えると、墓地からインスタントやソーサリーを唱えられるクリーチャーである。二段攻撃を持つので、うまくダメージが与えられればなんと2枚も唱えられるようになる。また、唱える際にマナコストを必要としないという利点も持つ。

5.終わりに

いかがだっただろうか。環境一発目は、派手な能力を持ったロアホールドを堪能するデッキを組んで遊んでみた。ロアホールドがうまく定着しないと機能しないデッキだが、その分はまるとロアホールド1体で制圧することも可能なロマンあふれるデッキである。ぜひ遊んで見てほしい。

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今回紹介したロアホールド以外にも、新セットには多数の伝説のクリーチャーが収録されている。中には「どうやってつかうんじゃい」と頭をひねる統率者も収録されており、いろいろ構築の幅が考えられるだろう。

「100人いれば100通りの構築が考えられる」

ブロールを遊ぶうえで筆者が重要視している信条である。様々な統率者が入り乱れる魅力的な環境、ブロール。ぜひ皆様もトライしてみてはいかがだろうか?

よかったらサポートして頂けると幸いです。MTGアリーナの活動などに充てたいと思います。