【詩】ポキポキ
若い頃には鳴らなかった関節が
ある日突然ポキポキポキポキと
鳴るようになったんだ。きっと
そこが分岐点だったんだろうね。
そのうち体はポキポキに侵され、
攣ったり、張ったり、捻ったり
立ってりゃだるいし座れば痛い
寝ても寝ても疲れは増すばかり。
それでも何とかやってきたんだ。
「いつか疲れから解放される」
「老化なんかじゃないんだぞ」
そう潜在意識に言い聞かせてね。
だけど解放されることはなくて
ポキポキは体を侵していくんだ。
必死に体をむしばんでいくんだ。
そして新種の疲れを溜めていく。
きっと疲れが溜まりに溜まって
これ以上溜められませんという
究極のところで死ぬんだろうね。
そう、死は究極の疲れなんだよ。
若い頃には鳴らなかった関節が
その日からポキポキポキポキと
鳴るようになったんだ。きっと
そこから始まっていたんだろう。
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