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【詩】夢のかけはし

夢のかけはしをひとり渡ろう
風もなく、波もなく
ただ静かな闇の上を

通り過ぎる日よ、音もなく続く
かもし出す街の灯は
影も映さず

 ああ、なぜにあの人はいぬ
 声を上げ振りかえる日々よ
 時は過ぎ、愛は朽ち
 切ない夜よ

夢のかけはしは、まだ遠く長く
うたもなく、星もなく
冷たい日々よ

 遠く浮く、船の帆影よ
 映し出す、淡い月明かり
 呼ぶ声は闇に行き
 汽笛の声に打ち消され

夢のかけはしをひとり渡ろう
風もない、波もない
冷たい日々よ

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