日本一達成構築の解説~Aキュウコン/マリルリ/Aガラガラ~

お世話になっております.ailes07です.
今回はシーズン7のスーパーリーグで日本一を達成したパーティ構築について解説します.パーティの軸からパーティの立ち回りまで詳細に記述しましたので,前々回の記事の「パーティ構築論」の一例としても,参考にしていただけると幸いです.

☆パーティ紹介

まずは使用したパーティを簡単に紹介します.

・Aキュウコン
あまえる/ウェザーボール氷/サイコショック
大体の相手に対して善戦できる優秀なポケモン.甘えるで相手のHPをゴリゴリ削れるため,シールド使用の選択により自分と相手の残りHPを容易に操作することが可能.そのため,ゲームプランを初手段階で立てやすい.
・マリルリ
あわ/じゃれつく/ハイドロポンプ
何しても強いポケモン.この子で※起点を作れば,相手は簡単には対処できない.Aキュウコンが起点にされそうになったら,この子をぶん投げます.
・Aガラガラ
ほのおのうず/シャドーボーン/ほねこんぼう
マリルリとの相性補完が優れ,相手の格闘タイプを封殺できる.Aキュウコンが倒された後に登場して,起点にすることが多い.

※起点:技1(あわ等)だけで相手を倒し,技ゲージを貯めること

☆パーティの軸について

次にパーティの軸について説明します.次の3点を軸に設定しました.

①役割破壊バランス型にすること
②高い初手出し勝ち率を実現すること
③環境に多いチャーレムを腐らせること

①役割破壊バランス型にすること
前回の記事で述べた通り,役割破壊バランス型は現在のスーパーリーグの環境において有効に働きます.そのため,今回の構築でも役割破壊バランス型を前提に作成を進め,汎用性の高いパーティ構築を心掛けました.

②高い初手出し勝ち率を実現すること
GBLでは初手対面で出し勝つか負けるかが大きく勝敗に関わります.特に役割破壊バランス型では,出し勝った場合に極めて高い勝率を実現する特徴があり,パーティ設計において出し勝ち率を意識すれば,完成度をさらに向上できます.よって,統計データの利用により,出し勝ち率の高いポケモンを初手に選定しました.

③環境に多いチャーレムを腐らせること
後ほどグラフで示しますが,最近のスーパーリーグではチャーレムの採用率が極めて高くなっています.そして,チャーレムは比較的簡単にメタることができます.そこで,パーティ3匹ともチャーレムに強くすることにより,相手パーティにチャーレムがいた瞬間にほぼ勝ちが確定するようなパーティ作りを行いました.

☆Aキュウコン/マリルリ/Aガラガラを選んだ理由

まず,初手のポケモンとして軸①と軸②を満たす「出し勝ち率の高い中性的なポケモン」を考えました.
結論,Aキュウコンが最適であると考えました.理由は下の画像に示すように,Aキュウコンは出し負けにくく,鋼と炎タイプ以外に対して幅広く戦うことができるからです.特に,最近初手に増えているブラッキーやチャーレム,ヤミラミ,チルタリスに対して圧倒することができます.

画像1

次に,軸①と軸③を満たす裏2枚について考えました.「チャーレムに有利でかつ相性補完に優れ,起点を作ったら止まらないポケモンの組み合わせ」なんてあるのでしょうか.意外にも簡単に案が浮かびました.それはマリルリとAガラガラのコンビです.
というのも,元々ヤミラミ/マリルリ/Aガラガラという役割破壊バランス型を使用していたこともあり,マリルリ&Aガラガラの強さに信頼があったためです.
このコンビを採用することで,出し勝ち時は確実に対面を維持することが可能になります.また,Aキュウコンが倒された後の起点を作りやすく,技の有効範囲も非常に広いです.チャーレムも笑顔で対処できます.

以上より,軸①~③を全て満たすパーティができあがりました.完成した構築は,流行のパーティリストに対する勝率が高く,フレンド戦でも手応えがあったことから即GBLに投入しました.その結果,全てが事前の想定通りに働き,1度もレートを下げることなく日本一位を達成できました.

☆Aキュウコン/マリルリ/Aガラガラの強み・弱み

このパーティを回して感じた強みと弱みについて,簡単に示しておきます.

強み:

・役割破壊バランス型である
・初手の出し勝ち率が高い
・相手パーティにチャーレムがいたらほぼ勝てる
それぞれ「パーティの軸について」で述べた通りです.
他にはオリジナリティがあり裏が読まれにくいことも強みでしょうか.

弱み:
・初手Gマッギョが捲れない.
当たる確率はかなり低かったですが,ほとんど負けた記憶があります.ただし,トリデプスの場合は裏次第で捲れます.具体的にはチャーレム等の格闘がいる場合です.なお砦草草は100%負けますが,環境にほとんどいないため無視して良いでしょう.
・扱い方が難しい
単純なギミックと異なり,シールドの張りどころや交代のタイミング等,プレイヤーのスキルが問われやすいです.特に初手対面の,対面を取りに行くかの判断や,相手と自分のHPの調整,シールドを使用するか否かはゲームの勝敗にそのまま繋がるイメージがあります.
・環境に左右されやすい
このパーティは統計データを基に初手を決定したものです.そのため,環境が回り出し勝ち率が低下すれば軸の一つが破綻します.その場合は,初手のAキュウコンを環境に合うように変えてあげれば改善するかもしれません.

☆立ち回りについて

まず役割破壊バランス型の前提として,基本的に初手対面は突っ張ります.即引きする対面は相手が鋼タイプと炎タイプで何もできない時くらいです.

それ以外の初手対面では,主に次の3つの状態のいずれかを意識しながらゲームを進行します.

シールドアドを取られず起点にならないHP残量で対面を取る
シールドアドを取られる代わりに十分なHP残量で対面を取る
シールドアドを取って相手の残りHPを裏で起点にできる範囲に落とし込む


・シールドアドを取られず起点にならないHP残量で対面を取る
対面を確実に維持して戦います.
・シールドアドを取られる代わりに十分なHP残量で対面を取る
こちらのHPが多く残る可能性があるにも関わらず相手が突っ張ってくるこの場合,Aキュウコンが相手の裏に刺さっている可能性が高いです.そのためまずは相手の2匹目に注目します.Aキュウコンで十分戦えそうな相手なら居座って対面を維持します.しかし,起点にされそうなポケモンが出てきたらすぐに裏のどちらかに引きます.裏の片方を捨てて対面を作り直すというイメージです(対面有利であることは変わらない).汎用性の高い2匹なため,不利対面でも十分仕事ができます.その後は対面を維持して戦います.大切なのは相手に起点にされないことです.特に、シールドアドを取られている状態では起点を作られることは致命的になります.
・シールドアドを取って相手の残りHPを裏で起点にできる範囲に落とし込む
このパターンは非常に多いです.Aキュウコンが落とされた後,裏のどちらかで起点を作ります.その後はシールドアドと技ゲージの優位性を活かして戦います.後続の2匹の技範囲と汎用性が高いこともポイントです.また,Aキュウコンでシールドアドを取れない場合についても動きは同様となります.注意すべき点は相手の残りHP残量です.これが多すぎると相手が起点にされることを嫌い,裏に逃げてくる場合があります.これを避けるため,相手の残りHP残量はある程度減らしておく必要があります.具体的には私の経験上,残りHP1/4程度以下にしておけば,相手が対面維持するために嫌々起点にさせてくれることが多いです.相手の残りHP調整には十分気を使うべきです.

なお,初手対面で相手が裏に引いてきた場合は,裏2枚のうち確実に勝てる方で追います(一般的な後追い).もし,対面が維持できるか際どい場合は,Aキュウコンで少し居座って削ってから引きます.対面は確実に維持することが重要です.これは一般的な常識に近いでしょう.

ここまでたくさん書いてきて頭が混乱している方も多いと思います.そんな方に向けて,とりあえず次の3点だけを覚えて帰ってください.
・対面を取ったら維持する
・起点を作る進行を考える
・起点にされない立ち回りをする

☆おわりに

最後までお読みいただきましてありがとうございます.
強いパーティだと思うのでぜひ試してみてください.

次回の投稿は6月以降になります.
現在「忙しい初心者がGBLで勝つ方法」と「交代受けの極意」の2点について執筆中です.
発表まで、どうぞ楽しみにお待ちください.

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