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スーパーリーグの環境考察<S20>


1.はじめに

いつもお世話になっております。ailes07です。
本記事では、シーズン20におけるスーパーリーグの環境考察を行います。
パーティを構築する際などの一助となれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

2.本記事の背景および目的

【背景】
GBLのレートを上げるために訓練できる要素として「プレイング(交代受けやCCTなどの技術力)」と「パーティ構築力」の二つがあると考えている。
「プレイング」については、GBLが始まり4年半が経過した昨今では、対戦数を重ねたプレイヤー間の格差は少なくなってきているように考えている。
一方で、「パーティ構築力」については明確な訓練方法が確立されておらず、パーティ構築が得意なプレイヤーとそうでないプレイヤーの間には格差が存在していると考えている。
定期的な技変更や特殊カップ、さらに大会ルールである「6-3バトル」を踏まえると、強いパーティを構築する力の需要は高く、そのためには流行り(環境)をとらえることが必要不可欠である。

【目的】
本記事では上記の「パーティ構築力」に焦点を当て、シーズン20のスーパーリーグにおける上位帯パーティを用いてデータ分析を行い、得られた結果について考察を述べる。最後におすすめのパーティを一つ紹介する。

3.分析方法

n=100のデータセットを用いて下記の分析を行う
なお、データセットとしてはS20のスーパーリーグ(前半:第4,5周期目)におけるリーダーボード帯のパーティを用いた。

初手率分析:初手のポケモンの選出率を集計する
裏率分析:裏のポケモン2匹について選出率を集計する
全体使用率分析:パーティ全体の使用率を集計する

※以前紹介したツールから簡単に分析ができるため、興味がある方は各自で試してみて下さい。

4.データセット

データ分析の際に用いたデータセットを整形して下記に示す。
太字は2つ以上の重複したパーティを指す。

図1.データセット

5.分析結果

データ分析結果を下記に示す。
(左の表から「初手率」、「裏率」、「全体使用率」を示す)

図2.分析結果

6.考察

得られた結果について、考察を述べる。

①初手率について
初手率のトップは「マリルリ」となっている。これはシーズン序盤で急増した初手「カラマネロ」に対する環境の変化と考える。
(「エクスレッグ」や「Aサンドパン」の採用も増えている)
一方で、全体使用率上位の「ドヒドイデ」と「ホルード」は共に初手率1%であり、初手と裏の使用率には全く異なる性質があると言える。
少なくとも現時点では「マリルリ」の出し勝ち率は高く環境に刺さっているおり、それに気づいた人たちが採用してきているように感じる。
しかし、今シーズン初めに交代時間の変更があり、単なる出し勝ちが勝利に繋がる可能性は減ったため、パーティ全体を俯瞰した構築/立ち回りが求められることは注意したい。

②裏率について
裏の世界では「ドヒドイデ」と「ホルード」が環境の中心である。
それぞれ単独での使用率も高いが、裏の「ドヒドイデ」+「ホルード」の組み合わせはなんと10%もあり、この二体に強いポケモンを裏に置くことが構築上重要と考える。
実際に「バルジーナ」や「クレセリア」、「フワライド」などの対策ポケモンも一定数存在しており、環境が回っていることが伺える。
また、地面族に強い「ジュゴン」や「マリルリ」、引き先として優秀な「ドラピオン」や「ノコッチ」も人気が高いことがわかる。

③全体使用率について
全体的な使用率を見ると「地面タイプ」と「水タイプ」が流行りであると確認ができる。
「地面タイプ」の中では他の地面族に強い「ホルード」の使用率が高く、「水タイプ」の中では地面全般に強い「マリルリ」、「ジュゴン」の使用率が高いことが確認できる。
そして「水タイプ」の対策として「ドヒドイデ」が台頭している。
また、中性的なポケモンとしては「ドラピオン」と「ノコッチ」の使用率が高いことがわかる。

④まとめ
以上を簡単にまとめると下記の通りとなる。
・使用率は「初手」と「裏」ではポケモンの流行りが異なる
・初手率トップは「マリルリ」であり、他の上位を見ると出し勝ち率が極めて高いことが確認できる
・裏率トップは「ドヒドイデ」と「ホルード」であり、二匹が一緒に裏にいる確率は10%もある
・全体的には「地面タイプ」と「水タイプ」が流行りである

⑤おすすめのパーティについて
上記を踏まえると、
「マリルリ」+(ドヒドホルードに強い二体)
が環境的に強そうではある。

しかし、現在のGBLではサイクル戦要素が強められているため、対面を取る戦法だけでなく、「カラマネロ」のうち逃げ戦法や「ドラピオン」に引き盤面を崩すなど、パーティのコンセプトは多岐にわたる。
ゆえに、単にパーティ勝ちを狙うだけでなく、環境に合った複数のコンセプトを組み合わせて構築することが望ましい。

ひとつの例として、私が使っておりおすすめできるパーティである、
カラマネロ(超/悪/格)」、「ジュゴン(氷/氷/地)」、「マリルリ(水/妖/氷)」を紹介する。

図3.おすすめパーティ

当初のコンセプトは下記の3点であった。
・環境トップになる存在であった「ドオー」を完全にメタる
・使ってみて最強に感じた「カラマネロ」でうち逃げしたい
・引き先を「ジュゴン」にする(追えるポケモンは存在しない)

さらに、追加で生まれたコンセプトとして、「水水ギミック」がある。
「ジュゴン」に引けば「ドヒドイデ」や「ナットレイ」で追ってきたため、「マリルリ」が非常に刺さった。
結果として、世界43位まで行くことができました(まぐれ)。

相手の地面を腐らせつつ、ギミックとして立ち回れる上記パーティは環境に合っているだけでなく、非常に使いやすく、是非おすすめしたい。

7.おわりに

ここまで記事をお読みいただきありがとうございます。
もし少しでも皆様の参考になったのであれば幸いです。

環境については日々変わるため、環境の変化が見られた際やおすすめのパーティができた際は、適宜情報共有をしたいと思うので、今後ともお付き合いの方よろしくお願いいたします。

それでは、良いGBLライフを。

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