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【第13回】過去形【クリミア・タタール語】

※表記上の注意
母音調和による音の交替は大文字を用いて表します。
E=e / a、I=i / ı

過去形はクリミア・タタール語でkeçken zamanと言います。keç-は「過ぎる」、-kenは過去の形動詞(形動詞の説明はいずれ)なので、直訳すると「過ぎた時間」くらいになるでしょうか。

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tとdの使い分けについてははっきりと書いてある参考文献はありませんでしたが、おそらく無声子音の場合にはtとなることが予想できます。


【会話表現】
Ne bar ne yoq?「元気ですか。(最近何かあった。)」
Sağlığıñız nasıl?「調子はどうですか。」
Şükür, er şey yahşı.「ありがとう。元気です。(全ていいです。)」
Bir qarar. Bir coruq.「大丈夫です。元気です。」
Yaramay degil.「悪くありません。」
Ne yañılıqlar bar?「最近どうですか。」

【学習の感想】

テュルク諸語でおなじみ-DIによる過去形です。-DIは主語が直接経験した過去の出来事(直接過去)を表します。それに対して、直接経験していない過去の出来事(間接過去)を表す動詞の形式が見当たりません。(トルコ語では-mIş、トルクメン語では-IpdIrという形式があります。)どうやら動詞とekenという語(?)を組み合わせて表すようなのですが、テュルク諸語の過去形の体系として間接過去の形式が存在すると思っていたので意外でした。